発達が気になる子にバランスストーン|“ただ渡るだけ”じゃない遊び方をOTが紹介
バランスストーン
名前の通り「飛び石のように渡って遊ぶもの」なのですが、療育で使っていると、
ただ渡るだけでは、もったいない。
高さを変える。
距離を変える。
色を使う。
ジャンプする。
鬼ごっこをする。
記憶課題を組み合わせる。
並べ方ひとつで難易度をかなり変えられる、アスレチック感のある粗大運動グッズです。
今回は、作業療法士として私が療育でバランスストーンをどう使っているのか紹介します。
バランスストーンのいいところは「段階をつけやすい」
私が使っているものは、4種類の高さが入った11個セット。
高いものから低いものまであるので、子どもの運動能力に合わせて調整しやすいのが魅力です。
療育で見るのは、
ダイナミックな運動企画
重心移動
バランス
など。
「次はどこに足を出す?」
「この距離なら届く?」
と、身体を動かしながら次の動きを考える必要があります。
私は、比較的活動性が高く、バランス遊びへの怖さが少ない子に使うことが多いです。
反対に不安定な場所を怖がる子なら、いきなり高いストーンを使わず、まず低いものから。
それでも難しそうなら、もっと安定感のあるバランスパッドなどを選ぶこともあります。
道具に子どもを合わせるのではなく、その子に合わせて道具を選ぶ。
ここはバランスボールやビリボと同じですね。
私はまず床で片足立ちなどをして、ある程度バランスが取れそうかを見てから導入します。
この子はある程度できそう、という見立てが成功の鍵。
最初は「ぐるっと1周」から
最初はストーン同士を近づけて輪っか状に並べ、
「ぐるっと一周できる?」
からスタートします。
このとき、11個すべてを使う必要はありません。
私は療育では、まず3〜4個くらいから始めることが多いです。
少ない個数から始めると、「できた」という成功体験を作りやすく、その子に合わせて難易度を段階づけやすいからです。
高さも、最初から一番高いものまで使う必要はありません。私は低い方から1〜3段階目くらいを使うことが多く、できそうなら少しずつ個数を増やしたり、距離を広げたり、高さを混ぜたりしていきます。
表面の凹凸や滑り止めの感触を足裏で嫌がる子もいます。
「運動能力的にはできるのにやりたがらない」というときは、足裏の感覚が嫌じゃないかな?という視点も持っておきたいところです。
得意な子とは「バランスストーン鬼ごっこ」
私が好きなのがこれ。
ストーンを輪にして並べて、子どものすぐ後ろから支援者がスタート。
子どもはストーンの上だけを渡りながら一周して、
後ろから逃げる支援者にタッチ!
私はもちろん必死で逃げます。
……だいたい追いつかれます 笑
単に「一周してください」より、追いかける相手がいるだけで遊びになります。
ちょっとしたゲーム化は、「渡りました、だから何?」を防ぎ、やる気を引き出す大切な視点だと思っています。

色を使うと、頭を使う遊びにもなる
カラフルなのもバランスストーンのいいところ。
ランダムに並べて、
「赤!」
と言ったら赤へ移動。
慣れたら、
「赤→青→黄色!」
と3つ続けて指示して、覚えてから再現してもらいます。
さらに色カードを用意して、
カードを見る
↓
覚える
↓
ストーンの上で再現する
という遊びにも。
得意な子だと、どんどん数が増えていきます。
視覚的な記憶が強い子は、こちらが驚くほどできたりします。
「いや、それ私の方が無理なんですけど」
となることも 笑
同じ道具でも、
身体を使う遊び → 記憶を使う遊び
へ展開できるんです。
実は「ここに立って」が伝わりやすくなる
療育で意外と便利なのが、立ち位置の目印として使うこと。
例えばボール投げ。
「ここから投げてね」
と言っているのに、投げるたびにどんどん前進してしまう子、いますよね。
そんなときに、
「ここの上から投げよう」
とバランスストーンを置いておく。
すると目で見て場所が分かりやすいうえに、子ども自身も「乗りたい」ので、狙った場所に立ってくれることがあります。
手押し相撲の足場にすることも。
運動課題そのものではなく、別の活動を分かりやすくするためにも使えるんですね。
どこまで飛べる?に発展した子も
印象に残っているのが、小さなバランスストーンを踏み切り位置にして、
「どこまで遠くへ飛べる?」
に挑戦した小学3年生。
安全なバランスパッドを着地点にして、環境を調整した上で行った活動ですが、最終的には180cm近く跳んでいて驚きました。
…飛び石ですよ? 笑
同じストーンでも、
渡る
↓
間隔を広げる
↓
跳ぶ
と、その子の能力に合わせてどんどん課題を発展できます。
※これは療育場面で安全な着地環境を準備して行った例です。家庭で飛距離を競うことをおすすめするものではありません。
商品を選ぶなら、高さ違いのセットが使いやすい
今回紹介しているものは、S・M・L・XLの4サイズ、合計11個。
全部を一度に使うためのセットというより、その子に合わせて個数や高さを選べるのが使いやすいところです。
滑り止めがついているので、フローリングでも比較的使いやすいのもいいところ。
使い終わったら重ねられるので、11個あっても収納しやすいです。
「ただ渡る」から、どこまで広げられる?
バランスストーンは、
買った瞬間にものすごく面白い遊びが完成している道具ではない
と思っています。
ただ並べて、
「はい、渡って」
だけだと、そのうち飽きるかもしれません。
でも、
距離を変える。
高さを変える。
鬼ごっこする。
色を覚える。
ジャンプする。
別の遊びの立ち位置にする。
支援者や親が少しアイデアを足すと、かなり遊びが広がります。
そして子ども自身に、
「次どう並べる?」
と考えてもらうのも面白い。
アスレチックみたいに身体を大きく使いながら、その子に合わせて難易度をいくらでも調整できる。
全身を使った運動企画を遊びに変えやすい。
皆さんもぜひ、バランスストーンでオリジナルの活動を考えてみてくださいね。
