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多動の子にバランスボールっていいの?OTが考える使い方と遊び方




はじめまして、OTくまねこです🐾


作業療法士/公認心理師として、精神科訪問看護の立場から子どもの発達支援に関わっています。

noteは初めてです!何を書こうか迷ったんですけど、自分の支援をアウトプットして記録したいなと思って考えた結果、

療育グッズを「何にいい?」「どう使う?」「どう遊びを広げる?」というOTの視点から紹介していこうと思います。

記念すべき1つ目は、療育でもおなじみのバランスボール


「多動の子にはバランスボールがいい」
療育について調べていると、よく聞きますよね。
でも、実際に何がいいのかまで知っていますか?

座らせると集中できる?
体幹が鍛えられる?
たくさん跳ねたら落ち着く?

どれも一部は関係しますが、私は療育で使うとき、もう少し広く見ています。


そして使い方によっては……

子どもを“破壊神”に変えてしまうこともあります。笑

大きなボールを投げる、追いかける、家具にぶつける。

多動だからといって、とりあえずバランスボールを渡せばいいわけではありません。
今回は、作業療法士として子どもの療育に関わる中で、私がバランスボールをどう選び、どう遊びに広げているのかを紹介します。
 
 

バランスボールって何にいいの?


療育では、30~40分ほどのプログラムの最初に、粗大運動の一つとして取り入れることがあります。
意識しているのは、

  • 前庭感覚

  • 固有感覚

  • 体幹

  • 姿勢調整

  • 「身体を動かしたい」という欲求

など。

簡単にいうと、
揺れる、踏ん張る、身体の位置を感じる、姿勢を立て直す
といった経験を作りやすい道具です。

実際に使うことが多いのは、やっぱり活動性の高い子。
でも大事なのは、
「多動だから動きを止める」ではなく、その子が求めている刺激を安全な形で入れること。

身体を動かすことが心地いい子なら、まずそこを入口にします。
楽しく身体を使っている中で、支援者に注目を向ける、「もう一回」とやり取りが生まれたりする。

私にとってバランスボールは、運動だけではなく、人とのやり取りを作るきっかけになる道具でもあります。
 
 

普通のバランスボールが合わない子もいる


ここは結構大事です。
活動性が高く、物を投げたり転がしたりしやすい子に普通のバランスボールを渡すと、
巨大ボール投げ大会、開幕。

広い療育室なら遊びに展開できますが、狭い部屋や自宅では使いにくいこともあります。

逆に、身体の不器用さがある子では、グラグラする感覚そのものを怖がることも。

そんなときに使いやすいのが、台座付きのタイプです。
普通のバランスボールより安定感があり、「乗れた」「できた」の感覚を持ちやすい。

動きが大きくなりすぎにくいので、そのまま座って机上課題や勉強につなげやすいのも使いやすいところです。

大切なのは、刺激が強いものを選ぶことではなく、
その子が心地よく使えるものを選ぶこと。
 
 

療育ではどう使う?


バランスボール=座る、だけではありません。
私はまず腹ばいから始めることも多いです。
「技」にして遊ぶ
ボールの上にお腹を乗せて、

  • 両手を浮かせる

  • 両足を浮かせる

  • 手足を変えてバランスを取る

など。
「両手を離して」より、
「スーパーマンできる?」
「トンボのポーズ!」
と名前をつけると、一気に遊びになります。
「3秒できたらクリア!」
くらいにすると、ゲーム感覚で挑戦しやすいです。
 
 
少しずつ難しくする
腹ばいのまま、ボールをお腹から足首あたりまで転がし、本人には手をついて前に進んでもらう。
座位なら、最初は台座付きや大人の支えありから。
そこから、
片足を浮かせる

両足を浮かせる

手の支えを減らす
と、その子に合わせて段階を上げます。
さらにできそうなら、四つ這いなどへ発展させることもあります。
大切なのは、難しいことをやらせることではなく、
「ちょっと頑張ったらできる」くらいに調整すること。
 
 

他の遊びと組み合わせるともっと広がる


バランスボールの面白いところは、単体で終わらないこと。
例えば仰向けで乗りながら、ビーチボールでキャッチボール。

さらに、
「古今東西しながらやってみよう!」
と認知的な遊びを足すこともできます。

療育では、バランスボールに乗った状態で、聴いた情報を覚えて答える課題を組み合わせることもあります。
これは「バランスボールに乗ればワーキングメモリが良くなる」という意味ではありません。

その子が身体を動かすことで活動に入りやすくなったり、支援者へ注意を向けやすくなったりしたところで、次の課題につなげるという使い方です。
身体を使う

支援者を見る

やり取りする

別の活動へ
バランスボールは、そんなふうに展開できる道具です。
 
 

バランスボールは「次につなげられる道具」


私は療育グッズを選ぶとき、
「やりました。できました。……だから何?」
で終わりにくいものが好きです。

バランスボールなら、
乗る
転がす
姿勢を変える
キャッチボールする
言葉のゲームを組み合わせる
机上課題につなげる
と、いろいろな使い方ができます。

だから、
「多動だからバランスボール」ではなく、
「この子なら、どう遊びを広げられそうかな?」
と考えて使う。

その方が、療育ではずっと面白いのです。
 
※家庭で使用する際は、周囲の家具や床の滑りやすさに注意し、転倒の危険がある使い方は大人がすぐ支えられる環境で行ってくださいね^_^

記事で紹介したバランスボール、ジェリーフィッシュ(台座付きバランスボール)こちら


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