【小説】「twenty all 2」100
「メンバー変更?」
立順表を見ていた外西は、都合ヶ丘高校の大前が控え選手に変わっている事に気が付いた。
「何かアクシデントがあったのか……若しくは、空良君の作戦なのか……」
「どうやら、急病みたいですよ」
屋敷川高校女子弓道部の部長、2年生の山崎咲良が答える。
「先ほど、事務局に確認して来ました」
「そうか」
「交代した茅野という選手の実力は未知数ですが、今日は必ず勝利して見せます……」
「ああ、期待しているよ」
(相変わらず、堅いコだなぁ)
真剣な瞳で的を見詰めている彼女の横顔を見て、外西は心の中で溜め息を吐いた。
(真面目なのは結構だが、少しは余裕を持たないと、都高とは戦えないぞ)
「外西せんぱーい、御角先輩はいつ来るのですかぁ?」
近くに居た岩井満美子が、甘ったるい言葉を発していた。
(コイツはコイツで、マイペース過ぎるし……)
「また貴女は……早く準備しなさい!」
「はぁい」
正反対の性格をした2人を見送った外西は、やれやれと思いながら、再び掲示板を見た。
「ほう、早速本命チームの登場だな」
矢道に、閃光が走った。
霞的の中心に、唸りを上げた矢が勢い良く突き刺さる。
あまりの衝撃に、会場が一瞬静まり返った。
「ふう……」
弓を下ろした涼子は、小さく息を吐いた。
(相変わらず、手を抜かないなぁ)
矢道横の観客席からその様子を見ていた安崎亜紀子は、背筋に冷たいモノが流れるのを感じながら思った。
(昨日の個人戦で負けたのが、よほど悔しかったのね)
ホント分かりやすいなぁ、と微笑んだ彼女は、手にしていたプログラム表に目を落とした。
「さて、都高は……2つ後の立か。今の射を見ていたら動揺したかも知れないから、ちょうど控室に居て良かったのかもね」

🔹『twenty all 2』の一年前……『twenty all』と同じ時間軸で紡がれる、もうひとつのアヲハルストーリー
新感覚学園小説『LEAD|リード』
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