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ひとりのススメ | 少年最期の夏の思い出

小学校6年生の夏休み。
「どこかに遊びに行かないか」との両親の提案に、既に中学校に進学していた姉ふたりは断った。
自分は行きたかったが、姉ふたりが「行かない」と言うのを聞いて戸惑う。
いつも姉たちと一緒で、両親と自分の三人だけで遊びに行ったことがなかったからだ。

最寄りの遊園地に行くことにした。
子供は自分だけだから、「何に乗りたい?」「次は何に乗る?」と接待三昧。
乗るのは自分だけ。
両親はそんな自分を嬉しそうに見ている。

特に好きだった観覧車が高速回転するような、カーゴまでが上下反転するような、今思えば随分と危険な遊具に一人搭乗す。
ぐるんぐるんなりながらも、ひとりだと全然、楽しくも怖くもない。回転あるのみ。
地上で見ている両親に気遣って笑って手を振る。

「楽しかった?」と聞かれて、気付く。
あぁ、これが最期なんだ。
両親とこんな風に一緒に遊びに行くことは、もうないんだ。
そして、両親もそれが分かっているのだと。

ふとした時に、この時のことを思い出す。

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