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AIは言葉を返してくる。愛想よく 対話型AIって そもそもなに?

そもそも、対話型AIって何なの?


残暑がまだまだ残るとある日、お宿にやってきたお客さんと雑談していました。

「AIと会話していると、なんだか噛み合わないんだよね。昨日と同じ質問しても、愛想のよい返事する割に、別の回答してきたり。マジでストレスたまるよ」

「あ、わかります。もやもや~ってしますよね」

私もAI使います。だから分かります。

そんな経験、みなさんにも、ありませんか?

質問したことと違う答えが返ってきたり。
さっきまで話していたことを、いつの間にか忘れたような返事をしたり。

かと思えば、こちらの言葉を妙に丁寧に受け止めて、何でも「理解しました」と言ってみたり。

でも、ちょっと待ってください。

そもそも、AIと私たちは、本当に「会話」をしているのでしょうか?

お客さんとロビーで盛り上がっていると、

「混ぜてもらってもいいですか?」

現れたのは、国語に長年たずさわっている、その道に詳しいSさん。

「まあ、即興的対話、或いは、即効性会話プログラムというやつですね」

「へえ~…… ???」

Sさん、詳しくお話を聞かせてもらいましょうか。



人間同士なら、通じる言葉


たとえば 「昨日のやつ、どうだった?」

これだけでも、相手が「あれのことね」と分かれば会話は成立します。

「これ、やっといて」

二人の間に共有された状況があれば、それほど不自然ではありません。

日本語では、主語や目的語などを毎回きっちり言わなくても、前後の話や状況から意味を補って会話することがあります。

人間同士なら

「例の話のことだな」

「さっきのあの件のことね」

と、共有しているものを使って意味を補えるからです。

ところが、AIとの会話では、この「分かっているつもりの共有」が、必ずしも人間同士と同じようには働きません。


言葉は、言葉だけでできていない


私たちは会話するとき、実は言葉だけを聞いているわけではありません。

誰が言ったのか。いつの話なのか。

何を見ながら話しているのか。
それまでに何を話していたのかーー

視覚や嗅覚、触覚、聴覚や味覚、さらには、記憶まで。

五感や記憶など、さまざまな情報を交えて 「たぶん、こういう意味だろう」と受け取っています。しかも、瞬時に。

だから 「それ、どう思う?」 だけでも成立する。

「それ」が何なのかを、二人が知っているからです。

AIには、こうした人間同士の共有とは違う条件があります。

それなのに私たちは、つい人間と同じように

「さっき言ったから分かっているよね」

「この言い方なら普通は分かるよね」

と思ってしまう。

AIとの会話で感じる「なんか違う??」の一つがあるのかもしれません。


AIは言葉を返してくる。愛想よく


「やっかいなのは」

Sさんが続けます。

AIは、こちらの言葉に対して、とても自然な文章を返してきます。ときには人間の感情に寄り添うような言葉を交えてーー

面白いですよね。

怒りわかりますよ。

悲しいですね。

楽しみですよねーー

私たちは この対応に「会話」を感じます。

質問すれば答える。
こちらが訂正すれば、誤解だったと謝罪する。
冗談を言えば、それらしい反応をする。

まるで相手が、その場で考えて話しているように見える。

でも、自然な会話文が返ってくることと、人間同士と同じ意味で会話が成立していることは、同じではありません。

ここを分けて考えてみると、AIとの会話で起きる不思議なことが、少し見えやすくなります。


即興的会話、即効性対話プログラム


「まあ、私が造った言葉ですよ。言葉遊びですね」

Sさんが微笑みながら言いました。

即興的会話プログラム。

正式な技術用語じゃなかったみたいです。

ただ、なんだか妙にしっくりくる。

その場の言葉を受け取って、その場に合いそうな返事を作って、また次の言葉を受け取って、また返す。

即効性対話プログラム。

「即興」と「即効」。

ちょっと似ているようで、意味は違います。

こういう言葉遊びが成立するのも、人間ならではの言葉の感覚かもしれませんね。

ところがAIに投げてみると、言葉遊びを言葉遊びとして受け取らず、解釈してしまうそうです。場の雰囲気や空気を読まずに。

バカ!

バカ?

バカ(笑)

人間同士なら相手の表情で「バカ」でも怒っているのか、呆れているのか、冗談かがすぐに理解できます。

でもAIは、ある時は謝罪し、ある時は冗談かと思ったと言う。前後の文脈をうまく拾えないこともよくある。


同じことを聞いても、同じ答えになるとは限らない


さらに不思議なのが、これです。

同じ文章を送ったのに、前とは少し違う返事が返ってくる。

「さっきはそう言ったのに、今度は違うことを言う」

そんなこともあります。

人間なら、同じ質問を繰り返されたとき、

「さっき答えたよ、また同じ質問?」

となるでしょう。

でもAIは、前の返答をそのまま再生しているわけではありません。

その時点で与えられている会話や指示などをもとに、あらためて返答を作ります。

だから、似た入力でも、返ってくる文章が変わることがあります。

「会話している」という感覚からすると、ちょっと不思議ですよね。


AIとの会話で大切なのは「正しく話す」だけではない


AIを使うとき、

「どういう命令文を書けば、うまく答えてくれるの?」

という話はたくさんあります。

でも、その前に一つ考えてみたい。

私たちは、AIに「会話」を求めているのではないでしょうか。

そして、その会話を人間同士の会話と同じものだと思っていないでしょうか。

もしそこが違うのなら

「AIが変なのかな?」

だけではなく

「そもそも、私たちがAIに話しかけるということは、何をしているんだろう?」

と考えてみてもいいのかもしれませんね。

対話型AIを使う前に、AIとの「会話」が何なのかを知っておく。

その方が
「時間を無駄にした……」「マジでムカつく!」

などと感情的にならずに、少しだけ、気楽に付き合えるかもしれません。



そもそも、どゆこと?


Sさんに聞いてみました。

「ねえ、Sさん。そもそも、言葉って何なのでしょう? AIって?」

Sさんは、にっこりした表情で

「面白いですよね、日本語は」

待ってました、その言葉と続けたのでしたーー

どうやら、話は長くなりそうですね。

続きはこちらになります。


小さなお宿の管理人
くるかな🍵

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