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【9月3日(木・仏滅)】なぜ私は“終活を語る住職”になったのでしょうか?~葬儀の後に残る家族の悩みを見続けて気づいたこと

おはようございます。
岐阜県神戸町・臨済宗妙心寺派 大源寺の住職、桑海一寛です。
 
私は住職です。
ですから、人が亡くなれば葬儀を勤め、法事では読経をし、ご家族と一緒に故人を偲びます。
昔の私なら、それが住職として果たすべき大切な役目だと考えていたと思います。
 
もちろん、今でもその思いは変わりません。
ところが長く住職をしていると、だんだん気づくことがあります。
 
葬儀が無事に終わっても、ご家族の悩みまで終わるわけではない。
むしろ、その後に始まる問題があるのです。
 
「このお墓、これから誰が守るんだろう」
「実家をどうすればいいのか」
「仏壇は誰が引き継ぐのか」
「もっと本人の希望を聞いておけばよかった」
 
そんな言葉を耳にするたび、私は何度も思いました。
「亡くなる前に、この話ができていたら……」
おそらく、これが私が“終活を語る住職”になっていった原点の一つです。


葬儀が終わると、家族の「現実」が始まります

葬儀の日、ご家族は本当に忙しいものです。
悲しんでいる時間さえ十分にないまま、さまざまなことを決めなくてはいけません。
そして葬儀を終え、少し落ち着いた頃になると、別の問題が見えてきます。
 
お墓。
仏壇。
実家。
遺品。
相続。
これからの法要。
家族それぞれの考え方。
 
住職である私は、法律や税務、不動産の専門家ではありません。
しかし、葬儀や法事を通じてご家族と長くお付き合いするからこそ、「葬儀のその後」を目にすることがあります。
 
そこで感じたのです。
「亡くなった後の問題に見えて、実は元気なうちに準備できることが多いのではないか」と。


「好きにしてくれ」が、家族を迷わせることもあります

本人に悪気はありません。
むしろ家族を思って、
「俺が死んだら好きにしてくれ」
「葬式なんて簡単でいい」
「墓のことは子どもに任せるよ」
と言う方もいらっしゃいます。
 
でも、残された家族からすると困ることがあります。
「簡単って、どこまで?」
「本人は本当にこれを望んでいたの?」
決める自由を残したつもりが、家族にとっては「正解の分からない宿題」になってしまうのです。
 
だから最近の私は、
終活とは、すべてを自分で決めてしまうことではなく、家族が困らない程度に自分の思いを伝えておくこと
ではないかと思っています。


お寺で終活を語ることに、最初から答えがあったわけではありません

「なぜ住職が介護の話まで?」
「なぜお寺で終活セミナーを?」
 
そう思われる方もいるかもしれません。
私自身、最初から今のような大源寺の姿を思い描いていたわけではありません。
 
一つ相談を受ける。
そこから別の悩みが見える。
その悩みには専門家が必要になる。
人と人をつなぐ。
また別のご家族が相談に来られる。
そんな積み重ねでした。
 
禅には「薫習(くんじゅう)」という仏教語があります。
香りが衣に少しずつ染み込んでいくように、経験や行いが重なり、心に影響を与えていくことを表す言葉です。
 
私が終活について考えるようになったのも、何か一つの大きな出来事があったからというより、住職として出会った一人ひとりとの時間が、少しずつ私の中に積み重なっていったからなのだと思います。


「亡くなってから来るお寺」から「元気なうちに話せるお寺」へ

だから今、大源寺では葬儀や法事だけでなく、

  • お墓や樹木葬

  • 墓じまいや供養

  • 仏壇や位牌

  • 介護や老後

  • 実家や家族のこれから

といった話も伺うようになりました。
 
もちろん、私がすべての答えを持っているわけではありません。
法律なら法律の専門家。
相続税なら税理士。
介護なら介護の専門家。
不動産なら不動産の専門家。
必要に応じて、きちんと専門家に相談することが大切です。
 
でも、その前に、
「そもそも自分は何に困っているんだろう?」
という話なら、住職がお聞きできます。
 
私は大源寺を、答えを押しつける場所ではなく、一緒に問題を整理できる場所にしていきたいのです。


今日の一寛法話まとめ


  • 葬儀が終わっても、ご家族の悩みがすべて終わるわけではありません

  • お墓・仏壇・実家・相続など「葬儀のその後」に問題が見えてくることがあります

  • 「好きにしてくれ」という優しさが、家族を迷わせる場合もあります

  • 終活は、すべてを決めることではなく「自分の思いを伝えておくこと」から始められます

  • 私が終活を語るようになった背景には、住職として出会った多くのご家族との時間があります

  • 大源寺は専門家の代わりになるのではなく、「どこへ相談すればいいか」を一緒に整理できる入口を目指しています


昔の私は、「住職の仕事」と「終活」を今ほど強く結びつけて考えてはいませんでした。
けれど、人の最期に立ち会う仕事をしているからこそ、最期だけを見ていてはいけない。
今はそう思います。
 
葬儀で初めてお会いするより、できることなら元気なときにお会いしたい。
お茶でも飲みながら、
「これから、どうしたいですか?」
と話してみたい。
 
困ってからのお寺ではなく、困る前に話せるお寺へ。
それが、今の私が目指している大源寺です。
 
合掌


岐阜県西濃地方、安八郡神戸町にある臨済宗妙心寺派・大源寺では、大垣・池田町・垂井・瑞穂・安八など近郊の皆さまとのご縁を大切に、自然に寄り添う樹木葬「曠然苑」(こうねんえん)をお守りしております。
また、寺院葬(葬儀)・法事(法要)・ご供養などさまざまなご相談にもお応えしております。どうぞお気軽にお参り、ご相談にお越しください。


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いつでもご自由に見学いただけます!
事前にお電話くだされば、住職がご案内もいたします。


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臨済宗妙心寺派 春日山
大源寺
住職 桑海一寛
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