薔薇の香りと私のビオラ ㉒
それから2日経ち、色々ありすぎて、中々寝付けず、いつもよりも早く起きてしまった。
昨日の日曜日は、柚とラインで楽しくやり取りしながら課題をやったり楽しかったですわね。
お父様とも…久しぶりにお電話できて…お元気そうで良かったわ。
ぼんやり幸せに浸りながら、部屋中に香るいい香りに目を閉じる。
柚のくれた百合がとてもいい香りで、柚と一緒にいるみたいで、少し強くなれる気がします。
制服に着替え、下に降りると、婆やが田中さんと何か話をし笑っていた。
「お二人ともおはよう。」と声をかけると2人はピシっとして「おはようございますお嬢様」とにっこり微笑んだ 。
婆やが、おもむろに「お嬢様、お渡し忘れておりました。こちらにお着替え下さい」
そう言ってビニール袋に包まれた制服を手渡す。
「婆や!これは」
婆やは微笑み、ようやく寸法合わせたものが出来まして、昨日主人に取りに行って頂きましたの。
田中さんが合わせるようにお辞儀した。
ふふ、「朝から仲良しね、お二人ともありがとう」と洗面所へ向かい支度をすると、遠くで婆やが、「今日はお早いですね」と心配そうに叫ぶ。
「えぇ」と返事しつつ、 今日は、柚子とお付き合いして初めての学園ですもの…。
緊張でいっぱいですけど、楽しみでもあります。
支度を済ませ、新しい制服に身を包み「行ってきます」と婆やに微笑み2人に「よくお似合いです」と褒められ、
田中さんの送迎で学園に向かった。
「お嬢様、今日はとても嬉しそうですね」と田中さんに言われ、「仲良しの方に早く会いたくて」と微笑むと、ウンウンと田中さんが頷いてくれた。
少し早く校舎前に着き、田中さんを見送って、校舎へ入り少し遠回りして、お母様の薔薇の絵を見に行った。
特に変わった所はなく、今日もピンクの花を咲かせる薔薇。
お母様は、白い薔薇がお好きでよく描かれるのに、珍しくピンクになさったのは、学園のイメージなのかしら?
よーくと見ていると、薔薇の葉で隠れている部分に、濃い紫のリボンを描いた跡がある。
背景の淡い紫でぼかすようにされては、いますが…お母様の絵を見ていた、私にはわかる。
意図的に隠したんだ…なぜ?
考えつつも、流行る心もあり教室へ向かった。
誰もいない教室で一人ポツンと席に着き、何となく外をみていたら、後ろからガラッと中々の勢いで誰か入ってきた。
「柚!?」
息を切らしながら柚も「おはよう!麗ちゃんも早いね」とほほ笑んだ。
