腰を折らないで
新幹線のシートの背もたれのデフォルト角度がキツすぎる。
先日久々に新幹線に乗った。東京・名古屋間なので2時間ほど。
はじめは書き物をしていたのだが、酔ったので休むことにした。そうなると当然背もたれを倒したい。
実は書き物を始める前、というか席についた瞬間に、すでに数度倒しているのだが、いざもたれるとなると、それでもキツい。
倒せばいいだろうと思うかもしれないが、後ろの席の人は日本人だ。無言で倒すと不愉快にさせてしまう可能性がある。
しかもカップルのようで、僕の隣席は背もたれを一切いじっていないし、ずっとパソコン作業をしていてこれからも倒すことはなさそうだ。
つまり僕が大きく倒すと、斜め後ろの席の、カップルの男性の方に横顔を見られるかもしれない。
さらにさらに厄介なことには、途中の駅で乗ってきた僕の前の乗客が「背もたれ倒していいですか」と訊いてきた。快く「どうぞどうぞ」と答えたが、そのやりとりを、僕の後ろのカップルも聞いているだろう。あの会話を経て無言で倒すと、「自分は言わんのかい」と思われそうだ。
そして一番重要なことは、僕自身は新幹線の背もたれを倒す時に、後席の乗客に尋ねる必要はないと感じる。前の人が限界まで背もたれを倒しても、まったく困らないほどスペースがあるからだ。(だからバスでは一言断るべきだと思うし、そうする)
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結局どうしたかは問題ではないので割愛する。
今回言及したいのはその原因だ。
新幹線のシートの背もたれは、デフォルトで20度くらい倒れていてほしい。
それだけでこのあたりの悩みはほとんど消えるし、新幹線はある程度の身体的快適性を確保すべき乗り物だからだ。
僕らが新幹線に高いお金を払うのは、移動時間の短縮のためだけではない。空間の広さ、室温、揺れの少なさなどの居住性にも価値を見出している。なのになぜシートの背もたれの角度だけ軽トラ並みなのか。
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…読者の一部は「そんなウダウダ悩んでないで一言断ればいいだろ」と呟いているかもしれないが、それができない人も一定数いるのだ。様々な理由で。
往路の反省を活かして、帰りの新幹線では乗ってすぐ「倒していいですか」と声をかけた。「えっ?あ、どうぞ」というリアクションに、僕は『そんなのわざわざ聞かなくていいのに』という感想を察した。
ただ、そう思われたとしても、往路よりだいぶん楽な気持ちで過ごせた。
しかし、それは「だから今のままでいい」という理由にはならない。ソフト(人間のコミュニケーション)でカバーできるからといってハードを改善・改良する必要がない、ということにはならない。
90度でもたれて快適な人などほとんどいないのだから、やっぱり新幹線のシートの背もたれのデフォルト角度はもっと後傾させるべきだ。
僕が珍しく同じ話を再三繰り返してきて今思うことは、
『これだけ機微に富んだ語彙を多々擁する日本語なら、「シートの背もたれのデフォルト角度」を3文字くらいの言葉で表してくれよ』だ。
