見出し画像

「任せたいのに、任せきれない」創業社長の事業承継

こんにちは。
共に心に火を燈す経営パートナー、共燈コーチルタントです。

最近「事業承継」に関するご相談が増えてきました。
事業承継には、親族内承継、社内承継、
第三者承継(M&A)など
いくつかの種類がありますが、
知的資産経営とからんでよくご相談を受けるのは
創業社長から後継者への承継です。

後継者から、会社を引き継ぐことへの不安を
お聞きすることもありますが、
実は創業社長の胸の内をお聞きすることが多いです。

今回は創業社長の葛藤を整理してみたいと思います。

任せたいのに、任せきれない

「コーチルタントさん、
創業社長にとって会社は子供みたいなもんだ。
そう簡単に手放せないもんなんだよ。。」
今年75歳を迎える社長が
ぼそっと苦笑しながら話してくださいました。

人生の大半を会社に費やしてきた社長。
後継者の考えや意見の一つ一つに
引っかかってしまう。
傍で聞いていて、
まあまあ、そんなに否定しなくても~と
思ってしまうこともしばしばです。
社長自身も気づいておられるようでしたが
止められないようです。

創業社長の気持ちを整理すると次のようでした。

・ゼロから創り上げ、苦しい時期を乗り越えてきた自負
・自分の居場所を失うような寂しさ
・自分の作ってきたものを否定、改変される不安、悲しさ
・後継者の知識、経験、判断のどれをとっても未熟に見える
・顧客や協力先に迷惑をかけ信頼を失うのではないかという心配
・どこまで口出しすべきか分からない

創業者にしか分からない葛藤だと思いました。
こうすればいいですよ、
という明快な解決策はありません。

自分にできるのは、社長の葛藤を理解しながら
一つ一つ心をほぐしていくことだと思います。

引き継ぐのは、「やり方」ではなく「価値」

社長が後継者の言葉に引っかかるのは、
その背景にある想いを知ってもらいたいからです。

事業承継で大事なのは、
会社の仕事や仕組みや方針を
守るもの、変えるもの、やめるもの、始めるもの」に
分類することです。

ですが、いきなり結論を出そうとせず
「そもそも、何を守るために始めたのか」を
一つ一つ聴くこと
を大切にしています。

例えば、
・顧客からの無理な注文も断らない
 →信頼に応えたいという想い

・在庫を多めに持つ
 →顧客を待たせたくないという想い

・社長がすべて確認する
 →品質と責任を守りたいという想い

・長年の取引先を優先する
 →恩義や関係を大切にしたいという想い

・社員を厳しく指導する
 →一人前に育てたいという想い

その行動や仕組みの
背景にある価値を言語化し、
理解・尊重
していくことで、
価値は残しつつ、
やり方を変えていく
ことが
できてくるようになります。

例えば「顧客を待たせない」という
価値を保ちながら
在庫をもつよりも需要予測の精度を高めよう、
といった風に。

細かく言えば、
経営判断基準の言語化、
権限を移す段階の可視化、
社長と後継者の役割明確化
など、やるべきことは他にもありますが、
一番大切なのは、
会社と創業社長が大切にしてきた
価値への共感
だと思います。

それが後継者に伝わっていると実感できると、
創業社長の心も少しずつほぐれてくるようです。

最後の大きな経営プロジェクト

今まで見てきて、任せきれないのは
後継者を信じていないからというケースは
ほぼありませんでした。
会社、社員、取引先を守ってきた
責任感が強いほど、
手放すことは難しくなるのですね。

事業承継は、創業社長が会社から
必要とされなくなることではありません。
自分にしかできなかった経営を、
次の人が続けられる形に変える、
最後の大きな経営プロジェクト
だと
お伝えするようにしています。

事業承継とは、
経営権を渡すことだけではなく、
創業社長が大切にしてきた価値を、
次の時代へと託していくことだと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!

共燈コーチルタント よろしければ応援お願いいたします!