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60歳前後の体の変化とケアに興味がある方へ

55歳を過ぎて、身体から教えられたこと
──これからの身体との付き合い方

長く、

人の身体を見てきました。

それでも、

自分が55歳を過ぎて、

初めてわかったことがあります。

身体は、

思っていた以上に変わる。

50代前半までは、

少しくらい疲れても、

湯船にゆっくり浸かって、

しっかり眠れば、

ある程度は戻ると思っていました。

でも、

55歳を過ぎた頃から、

それだけでは間に合わない日が増えてきた。

正直、

かなり甘く見ていました。



年齢を重ねれば、

筋肉量や身体の水分量、

疲労からの回復など、

身体には少しずつ変化が起こります。

もちろん、

誰もが同じように変化するわけではありません。

生活習慣。

運動量。

睡眠。

食事。

これまで、

どんな身体の使い方をしてきたのか。

いろいろなものが関係します。

だからこそ、

年齢を数字だけで見るのではなく、

今の自分の身体が、

どうなっているのか。

そこを知ることが、

以前より大切になってきました。



疲れたときだけ、

何とかする。

痛くなってから、

身体を整える。

それでも、

若い頃は、

何とかなったのかもしれません。

でも、

これからは少し違う。

ゆるめる。

動く。

休む。

必要な筋力を保つ。

どれかひとつではなく、

そのときの身体に合わせて、

配分を変えていく。

僕は最近、

そんな身体との付き合い方が、

大切なのだと思っています。



身体が楽になると、

動くことへのハードルも下がります。

少し歩こうと思う。

外へ出ようと思う。

階段を使ってみようと思う。

誰かに会いに行こうと思う。

身体が動くということは、

単に、

関節がよく動くということではありません。

その人の、

行動の選択肢が増えることでもあります。

だから、

健康寿命を考えるときも、

何歳まで生きるかだけではなく、

何歳まで、

自分の身体で、

自分のしたいことを選べるか。

僕はこちらの方が、

大切だと思っています。



もちろん、

ゆるめるだけでも十分ではありません。

身体には、

必要な力もいります。

僕はこれを、

「貯筋」のように考えることがあります。

貯金に少し余裕があると、

選択肢が増えるように、

身体にも、

必要なときに使える力があると、

日常に余裕が生まれます。

立つ。

歩く。

しゃがむ。

物を持つ。

特別なトレーニング以前に、

こうした日常の動作を、

無理なく続けられる身体でいること。

そのために、

必要な筋力を保つことは、

年齢を重ねるほど、

大切になってきます。



ただ、

身体は機械ではありません。

左右も、

完全には同じではない。

その日の体調によっても、

動き方は変わります。

だから、

「正しい身体」に、

自分を押し込む必要はありません。

むしろ大切なのは、

今日は少し重い。

いつもより呼吸が浅い。

歩幅が小さい。

身体に力が入っている。

そんな、

小さな違いに気づけること。

そして、

必要なら休む。

少し動く。

誰かに身体を見てもらう。

自分で、

その都度選べることです。



55歳を過ぎて、

僕自身の身体から教えられたのは、

身体を若い頃の状態へ戻すことより、

今の身体を知ること。

そして、

変化に合わせて、

身体との付き合い方を変えていくことでした。

年齢を重ねることは、

身体が悪くなっていくことではありません。

ただ、

以前と同じではなくなる。

その違いに、

早く気づけるかどうか。

「あれ?」

と思ったときは、

身体からの小さな知らせなのかもしれません。

大きく変わってから、

慌てて戻そうとするのではなく、

小さな変化のうちに、

身体を観る。

これからの身体づくりは、

そんなところから、

始まるのだと思います。

56歳を過ぎた今、

また少し、

身体の見え方が変わってきました。

その続きは、

また書いてみようと思います。



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