地元に帰りたいと思えない私は、薄情なのだろうか。
「いずれは地元に帰りたい?」
回答は、NOだ。
その質問に、私は一度も迷ったことがない。
あまりに迷いなく即答するので、逆に驚かれることも多い。
出身はどこ、と聞かれると、実はこっちの方がよっぽど困る。
父の仕事の関係で、子どもの頃は東北を3箇所ほど引っ越していた。
といっても、中学から大学までの10年間は同じところに住んでいたので、一応そこを出身としている。
私の人格を作ったのも、たぶんその10年間だ。
でも正直、そこを「地元」と呼ぶことに、あまり実感がない。
地元愛があるかと言われても、よく分からない。
ただ、住んでいた。
それくらいの認識だ。
都会への憧れは、昔からあった。
本当は、大学進学と同時に上京するつもりだった。
早く家も出たかった。
でも、なんやかんやあって、地元の大学に進学。
上京の夢は、そのまま就職まで持ち越された。
そして就職を機に、念願の東京へ。
気づけば、もう4年目になる。
後悔は、特にない。
私は、田舎特有の「みんなうっすら知り合い」みたいな距離感が、正直あまり得意ではなかった。
誰がどこの誰で、AとBが知り合いで、BとCは元恋人で……。
そういう人間関係が常にどこかでつながっている感じが、むしろちょっと気持ち悪くて、深く関わりを持たないようにしていた。
その点、東京は人が多い。
人が多いからこそ、誰も他人にそこまで興味がない。
その関わりの薄さが、今の私にはちょうどいい。
もちろん、親元を離れた不安はあった。
これから先の生活に対しても、
「親になにかあったらどうしよう」
「自分ひとりではどうしようもできなくなったらどうしよう」
という不安は、正直まだある。
それでも今は、不安よりも「楽さ」の方が大きい。
そして、これは声を大にして言いたい。
とにかく交通の便がいい。
友人と会うのも、推し活でライブ会場に行くのも、電車に乗ればどうにかなる。
地図的には2県くらい離れているにもかかわらず、気軽に会える友達がいる。
ライブに日帰りで行ける。
これは革命的だ。
(4本目で書いた、月1ライブ参戦も、この交通の便あってこそ成立している)
地元にいたら、絶対にこの頻度では楽しめていない。
行きたいところに行ける。
会いたい人に会える。
ライブにも行ける。
私にとって、東京に住むことは、単純に「都会で暮らす」ということではなくて、自分の好きなことを好きなだけ楽しめる生活を手に入れることだったのかもしれない。
田舎出身で、都会に憧れて。
遠回りしながらも東京に来て、4年。
今のところ、帰りたいとは思わない。
「地元に帰りたい?」
この質問に、これからもきっと、迷わず同じ答えを返すと思う。
私は、もうしばらく東京で、ごきげんに生きていきたい。
