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8月3日の週:米国企業決算17社への心構え

 8月3日から始まる週に決算を迎える注目企業について、IBD(Investor's Business Daily)のYoutubeビデオから、チャートやファンダメンタルズを参考にした決算の事前準備のためのIBDのアレクシス・ガルシア(Alexis Garcia)氏とエド・カーソン(Ed Carson)氏の2名による会話を紹介します。なにか投資アイデアの気づきが得られるかもしれませんのでご参考下さい。



Earnings Whispers



(1)Eli Lilly(LLY)


 [アレクシス・ガルシア]
 まずは、8月5日(水)に第2四半期決算の発表を予定しているイーライリリーです。この製薬大手の1株当たり利益は、5%減少して6.01ドルになると予想されています。一方で、売上は33%増加し、207億ドルに達する見込みです。
 私たちがイーライリリーに注目している理由は、同社の経口肥満症治療薬が鍵を握っているからです。その薬が単体でどのような成果を上げているのか、そしてノボの肥満症治療薬と比較してどうなのかを確認したいところですね。また、がん治療薬の業績も気になるところです。そして投資家にとっては、特にこれらのダイエット薬の人気が高まる中で、処方価格が変動したとしても利益を伸ばし続けられるよう、イーライリリーが必要な量の薬品を出荷できる生産体制の増強を十分なペースで進められているかどうかも重要になりそうですね。

[注目のトピック]
・肥満治療薬の有効性
・がん治療薬の最新情報


[エド・カーソン]
 ええ、本当に力強い成長を続けていますね。メガ製薬会社のような巨大企業がこれほどの成長を達成し、業績全体を大きく押し上げるというのは、正直なところ非常に難しいことです。超大型のヒット薬があっても、存在感はあるものの業績全体への影響はそこまで大きくないというケースも多々あります。ですが、イーライリリーは決してそのような企業ではありません。
 今回は1株当たり利益が減少する見込みとなっていますが、その理由は定かではないものの、全体のトレンド自体は非常に力強い状態を維持しています。背景には何らかの固有の事情があるのかもしれませんが、全体としての成長傾向は依然として極めて堅調です。
 また、同社が準備を進めている次世代の経口肥満症治療薬についても更なる情報を得たいところですが、今回それについてまったく新しい発表がなされるわけではないかもしれません。それでも今後の展開や生産拡大に向けた計画については語られる可能性があります。
 いずれにしても、同社は非常に目覚ましい強さを発揮しています。この分野における業界のリーダーであり、AIの話題と同じように社会を根本から変えるような肥満症治療薬の領域において、少なくとも今後数年間はリーダーであり続ける見込みです。実際に周囲でも、その治療薬を使用していると思われる方を多く見かけるようになりましたが、まさに素晴らしい変化が起きており、イーライリリーはその先頭を走っています。


[アレクシス・ガルシア]
 その通りですね。そしてその市場において、イーライリリーはノボノルディスクとの差を大きく縮めてきました。
 それではチャートに戻り、テクニカルな面での動きを確認してみましょう。同社株は現在、買いゾーンで取引されています。足元では21日移動平均線を下回っていますが、5月28日にはカップベースからのブレイクアウトがありました。その後は横ばいの推移が続いており、上値を試しながら21日移動平均線を何度かテストし、その都度しっかりと反発しています。
 決算発表を前にしてテクニカル的には売買を検討できる位置にありますが、投資家はこの動きをどのように捉えるべきでしょうか。


[エド・カーソン]
 まず第一に、決算発表を待つのが賢明であると考えています。しかしこの銘柄は、好調なセクターであっても購入が難しかった理由を示す例と言えます。
 AI関連が伸び悩んでいた一方で、このような好調なセクターが存在していました。初期のブレイクアウト後に反落し、一時は売りシグナルに近い水準まで戻りましたが、その後再び上昇し、また下落しては上昇するという展開を繰り返しています。そのため、上値を追う形で買いを入れた場合、全体として右肩上がりのトレンドであっても、ここ数ヶ月で利益を出すのは非常に困難でした。長期投資家にとってみれば大きな問題ではないかもしれませんが、多くの銘柄で同様の事象が起きています。こうした激しい動きを見せながらもセクターローテーションは続いており、下値を切り上げながら全体としては上昇傾向を維持してきました。直近では高値を更新できていないものの、概ね上昇トレンドにあります。
 そのため判断が難しい状況ですが、10週移動平均線で反発するタイミングや、あるいは今週の短期的な高値を上回るタイミングがあれば、早期のエントリーポイントとして適しているかもしれません。週足チャートでは引き締まったパターンが形成されており、値動きが限定的であった分、きれいな形状を保っています。来週すぐに準備が整うわけではありませんが、来週の終わり頃にはフラットベースを形成する可能性があります。依然として魅力的な形状であり、監視リストに入れておくべき銘柄と言えます。
 ただ、昨日(7/30)は大手製薬株全体に売りが集まりました。こうした地合いでは勢いがつきにくいものですが、取引の機会となる可能性は十分にあります。市場全体が、AI以外の領域であっても力強い上昇トレンドを描けていないため、エントリーする際であっても注意を払い、撤退ポイントをしっかりと把握しておく必要があります。


[アレクシス・ガルシア]
 私たちが注視しているその高値は、1232ドルあたりの水準となりますね。週足チャートに戻ってファンダメンタルズを確認してみますと、1株当たり利益の伸びはかなり大幅に低下する見込みとなっています。その具体的な原因まではわかりませんが、他に気になるところはありますでしょうか。


[エド・カーソン]
 イーライリリーの総合的な1株当たり利益の格付けは極めて優れており、防衛的でありながら高い成長力を備えた素晴らしい銘柄と言えます。製薬大手の中にはあまり成長が見込めず防衛的な側面が強い企業もありますが、同社は本物の成長力を備えています。医薬品に関するニュースによる影響の可能性は常に存在するものの、これほど確立された成長力があれば安心感があります。悪材料で急落する可能性があるバイオテクノロジー企業とは異なり、政府の保険適用なども背景にあるため、非常に堅実であると言えますし、それと同時に高い成長が期待できます。
 市場ではこうした動きに反応して株価が買われてきましたが、極めて力強いパフォーマンスが維持されており、強い成長を十分に期待できる状況です。業績が予想を下回ることも上回ることも考えられますが、防衛的でありながら力強い成長を併せ持っている点は魅力的な組み合わせと言えます。


[アレクシス・ガルシア]
 RSラインについてどのように思われますか。ここ数ヶ月は上向きのトレンドとなっていますが、今年全体で見ると横ばいに近い動きとなっています。このRSラインのパフォーマンスについて、どのようにお考えでしょうか。


[エド・カーソン]
 株価が足踏み状態になることはよくあることです。それ以前には大きな上昇局面がありました。
 チャートの表示領域をもう少し縮小してみると、それなりに良い上昇を見せたものの、そこに至るまでには一定の時間を要していました。そのため、仰るように相対力という意味では足踏みが続いています。株価自体は2年近くにわたり大きな進展が見られません。ですが、緑色で示された利益ラインをご覧ください。この利益ラインはひたすら上昇を続けており、誰もがこのような展開になることを予見していました。新薬の存在から事前に把握できていたことではありますが、それでも驚くべき伸びを示しています。業績が良好であっても株価が動かない局面は存在し、ファンダメンタルズとテクニカルの双方に基づいて判断する必要があるのはそのためです。
 ただし、利益の成長が続いている点は良いニュースであり、再び上昇トレンドに入る準備が整っている可能性もあります。しばらく本格的な上昇は見られていませんが、今後の展開には期待が持てます。


[アレクシス・ガルシア]
 決算発表を前にして良い位置に付けていますね。



(2)SanDisk(SNDK)


[アレクシス・ガルシア]
 それでは次に、8月5日(水)に第4四半期決算を発表する予定のサンディスクについて見ていきましょう。このメモリチップメーカーの1株当たり利益は、11857%増加して34.87ドルになると予想されています。売上は343%増加して84億2000万ドルに達する見通しです。
 私たちがサンディスクに注目している理由は、データセンターや企業向けストレージの需要に関するコメントに注目したいからです。また、投資家にとって非常に重要となる業績見通しについても注視していきます。市場はこうしたメモリチップ関連銘柄の予想変動率をすでに織り込んでいるように見受けられます。さらに、価格決定力が維持されているかを確認するため、フラッシュメモリの平均販売価格についても確認する予定です。
 メモリチップ関連は非常に好調でしたが、投資家がAI向け支出への懸念を強めたことで、足元では下落傾向にあります。セクター全体の環境について、どのように捉えられていますでしょうか。

[注目のトピック]
・データおよびエンタープライズ・ストレージの需要
・将来の見通し
・平均販売価格


[エド・カーソン]
 そうですね、巨大IT企業の決算が概ね出揃ったことで、全体の方向性が見えてくるかと思います。企業が莫大な投資を続けているものの、それが持続可能であるのかという懸念が存在します。また、メモリチップ業界についても、周期的な乱高下の傾向を克服できたのか、それとも過去のように価格が急落するのではないかという懸念が依然として残っています。もっとも、業績自体は非常に好調になると見込まれるため、価格の暴落を本気で予想する向きは少ないと考えられます。もちろん、市場の予想を下回る可能性は常に存在しますが、大幅な増益となること自体は周知の事実です。
 市場が注視しているのは予想を上回るかどうか、そして将来の見通しを上方修正するかどうかです。その上で、最終的には市場のムードが影響します。企業側が今後も目覚ましい成長が続くと説明したとしても、投資家を十分に納得させられるかどうかは別問題です。現在の投資家は非常に警戒感を強めています。もっとも、これは投資家側の心理的な側面が大きく、予想される成長率自体は引き続き力強いものです。「まだ十分に成長する余地がある」と一見思えるものの、数年後に成長が鈍化するのではないかという懸念を拭い去るには至っていません。


[アレクシス・ガルシア]
 日足チャートを確認しますと、足元では投資家が納得していない様子が見受けられます。サンディスクの株価は、6月に付けた高値である2,354ドルから50パーセント以上下落しました。かなり厳しい売り圧力に晒されています。現在は1,000ドルの大台付近で下値を探る展開となっています。
 これまで大きく上昇してきた反動とも言えますが、決算発表を控えた現在の動きをどうご覧になりますか。50日移動平均線、21日移動平均線、200日移動平均線の間に挟まれており、やや方向感を欠く水準にあります。


[エド・カーソン]
 そうですね、ここでの方向感の欠如は、50日移動平均線と高値の間で揉み合っているような通常の状況とは異なります。むしろ下落局面からの厳しい買い戻しの局面に近く、修復には相当なプロセスを要します。下降トレンドラインを抜ける可能性はありますが、現実的にはまず50日移動平均線を明確に上回る必要があります。急激かつ大幅な下落であったため、市場の動揺は小さくありません。実際に株価は半値以下まで売られました。それでもなお、年初来ではS&P500構成銘柄の中でトップクラスのパフォーマンスを維持しています。
 したがって、まずは50日移動平均線を上回り、底固めのチャート形状を改めて形成することが求められます。仮に1,000ドル近辺から50日移動平均線のある1,800ドル付近まで急反発したとしても、非常に急激なV字回復となるため、上値を固めるには相応の時間を要する見込みです。
 また、50日移動平均線付近まで上昇した後に再び押し戻されるリスクも考慮する必要があります。21日移動平均線やトレンドライン、あるいは50日移動平均線まで達した後に反落する場合、空売りの機会と捉えられる可能性すらあります。
 本日の動きには買い戻しの側面も含まれていると考えられます。決算発表を受けて一時的に買われても、その後に失速するシナリオも想定されます。重要なのは一時的な反発ではなく、持続的な強さを示すことです。最安値で買うことではなく、勝率が最も高いタイミングでエントリーすることが重要であり、現在の環境はそのようなタイミングとは言えません。短期間で大きなリターンを得られる可能性がある一方で、下落するスピードも非常に速いのが特徴です。本日上昇したとしても週単位では下落しており、予想しにくい動きが続いています。
 後から振り返れば明確に見えるかもしれませんが、足元の売り圧力は極めて強力であり、今後の推移を見極める必要があります。メモリ市場の成長鈍化や価格下落が懸念される場合、一段の下落リスクも考慮しておく必要があります。


[アレクシス・ガルシア]
 AIトレードが現在置かれている状況を考えると、予想される成長の数字がどれほど巨大であっても、単に市場予想を上回る決算というだけではサンディスクにとって十分ではないかもしれないというのは非常に興味深い点ですね。




(3)Western Digital(WDC)


[エド・カーソン]
 そして、サンディスクではなくウエスタンデジタルについて少し触れておきましょう。同社も来週決算発表を予定していますが、実はサンディスクをスピンオフした経緯を持つ企業です。ですが、その利益の推移を過去数年分振り返ってみますと、減益、減益、増益、減益、増益という波があることがお分かりいただけると思います。これこそが私たちが問題にしている点なのです。
 同社は数年間の好業績の後に厳しい不振が訪れるという周期的なサイクルを打破しようと試みています。こうした銘柄は将来の予想株価収益率が非常に低くなる傾向がありますが、それは利益が長続きしないために投資家が長期保有を警戒するからに他なりません。
 ウエスタンデジタルは50日移動平均線や10週移動平均線に近い水準に位置しているため、これらを上回ってくれば面白い展開になる可能性があります。同社は来週決算を迎えますが、先週の高値を上回ることができれば、そこを足がかりにトレードを狙えるかもしれません。サンディスクの方がより大きく売れ込まれている状況ですが、この背景について説明しておきたかったのです。


[アレクシス・ガルシア]
 わかりました。ウエスタンデジタルについては決算発表を前に576ドルの水準を注視していくことになりますね。




(4)SpaceX(SPCX)


[アレクシス・ガルシア]
 それでは続いて、8月4日(火)に上場後初めての決算発表を迎えるスペースXについて見ていきましょう。この航空宇宙巨頭の第2四半期利益は、1株当たり23セントの赤字、売上高は68億8000万ドルになると予想されています。
 前年同期との明確な比較対象はありませんが、同社には注目すべき点が数多く存在します。会社全体としては、収益性、売上高の伸び、コストおよび支出の見通し、フリーキャッシュフローが主な懸念事項になると考えられます。当然のことながらスターシップ事業に関しては多くの期待がかかっており、その進捗状況や打ち上げ頻度に関する最新情報を確認したいところです。また、スペースXとテスラの合併に関する噂もささやかれており、イーロン・マスク氏から何らかのコメントが出される可能性もあります。
 確認すべき要素が山積みですが、投資家がこの初の決算報告で精査しなければならない点について、整理していただけますでしょうか。

[注目のトピック]
・収益性および売上高の伸び
・スターシップおよび打ち上げ頻度の情報
・SPCX/TSLAの合併に関する見解


[エド・カーソン]
 上場後初となる今回の決算報告は極めて重要ですが、実際のところ私たちはスペースXがどのような企業であるのかをまだ完全には把握しきれていません。概念的な意味において、理解できないと言っているわけではありませんが、動いている要素があまりにも多すぎるのです。
 スターリンクが黒字化しており、それが比較的安価な打ち上げによって一定の補助を受けているとしても、スターリンク自体は通常の電気通信事業に近いと言えます。一方でスターシップが存在し、これがロケット打ち上げの収益性を劇的に向上させる可能性がありますが、それが実現するかどうかは未知数です。これは同社が達成すべき課題であり、打ち上げテストには成功しているものの、依然として開発段階にあります。さらに同社はxAIに莫大な資金を投入しているため、当面はキャッシュフローがマイナスになる可能性が高いと言えます。他社と対等に渡り合うためには莫大な資金を投じる必要があるため、どれほどの投資を継続するのかが焦点となります。
 同社の売上高は今期以降、直前の期と比較して急増する見込みとなっており、その一部にはxAIの業績が反映されています。xAIは自前でAIモデルなどを開発する方針から、クラウドコンピューティングの貸し出しへと方向転換を図っており、計算資源の提供によって多額の収入を得る見込みです。しかし、それが投じた投資に見合うものになるかどうかは未知数であり、検証すべき点は尽きません。
 投資家はこうした状況がどのように落ち着くかを見極める必要があり、活発な議論が交わされることになるでしょう。それに加えてマスク氏の発言も影響してきます。現在、市場の投資家はAIや宇宙関連銘柄に対して以前ほどの熱量を持っていません。スペースXが株式公開を果たした当時に非常に魅力的に見えていたAIや宇宙という強気のテーマは、同社の責任ではないものの、足元では好まれない環境となっています。いずれにせよ確認すべき要素があまりにも多いため、この企業に対して私たちが何を期待し、何を求めているのかを明確に把握できるようになるまでには、まだしばらくの時間を要することになりそうです。


[アレクシス・ガルシア]
 さらに検討すべき要素を追加しますと、指摘されたように、主要な数値としてスターリンクの加入者数の伸びやイーロン・マスク氏から出されるあらゆるコメントに注目が集まることになりますが、それだけではありません。決算発表の数日後には、ロックアップが解除され、9億株以上の株式が市場に流出することになります。これをどのように捉えるにしても、さらなる大きな材料となることは間違いありません。まさに要素が目白押しという状態ですね。


[エド・カーソン]
 ええ、ですから、同社がどのような数値を提示してくるのか、どの程度の業績見通しを出してくるのかは非常に興味深いところです。とにかく不確定要素が非常に多く、現在投資家が何を買い材料とし、何を警戒しているのかが見極めにくい状況にあります。


[アレクシス・ガルシア]
 それではチャートを確認してみましょう。スペースXの株価は取引開始からの3日間で急上昇しましたが、その後は反落しています。足元では1,108ドルあたりの水準で底入れを試み、下値を固めようとしているように見受けられます。新規新規公開株でこのような動きが見られるのは珍しいことではありませんが、このチャートをどのように分析されていますか。


[エド・カーソン]
そうですね、この動きは宇宙関連株やAI関連株全体が売られている地合いの中で起きています。一部では「スペースXの新規公開が相場の天井を示した」という声もありました。実際には天井だったわけではありませんが、事前の期待があまりにも高かったため無事に新規公開を果たしたものの、それが結果として一定のピークとなってしまうケースは他の市場でも見られます。
 株価は再浮上する必要があります。上場初期には150ドルを大きく突破する場面もありました。売られた後に急反発し、新規公開株のベースを形成し始めるような兆候が見えたものの、それは一時的なもので再び売りに押されました。このような一時的な上昇の兆候が見られた後に落とされる展開は、新規公開株において決して珍しいことではありません。
 現在はこの価格帯で多くの出来高を伴って取引されています。個人的には160ドルあたりまでしっかりと上昇し、取っ手のような形状など安定したベースを形成してその水準を超えていく動きを期待したいところです。ただ、株価が少し持ち直して話題になり、「ここが底だ」と判断して買いを入れる人が増えるのも理解できますが、そうした急反発のパターンや初期のシグナルだけでは買い材料として不十分な場合が多いと言えます。
 また、市場全体の環境も考慮しなければなりません。仮に市場全体が活況を呈しており、宇宙関連やAI関連の銘柄が再び動き始めているのであれば、リスクを取る姿勢を少し強めることもできるでしょう。しかし、これらのセクターが依然として売られている状況であれば、それは明確な逆風となります。したがって、果敢に売買を行うのであれば、撤退する際にも非常に素早い対応が求められます。これは絶対的な条件です。
 155ドルの水準で「早めにエントリーしよう」と考えて購入した投資家は、思惑が外れた結果、現在の株価は買いポイントであった135ドルを大きく下回る水準まで下落してしまっています。さらに決算発表の数日後には、莫大な数の株式が売却可能になります。これこそが、新規公開株全般が極めてリスクが高いとされる理由であり、買いの好機が訪れるのは半年のち、あるいは1年後になるかもしれません。メタの際にも同様の事象が起きました。将来的に絶好の買い場を提供する可能性は十分にありますが、現時点ではその段階にはありません。新規公開から間もない段階においては、この点を常に警戒しておく必要があります。


[アレクシス・ガルシア]
 特に新規公開株に関しては、常に忍耐強くあることが重要ですね。



(5)Advanced Micro Devices(AMD)


[アレクシス・ガルシア]
 次はAMDに目を向けてみましょう。決算は8月4日に予定されています。AMDは今年に入ってからここまで素晴らしい好転を見せています。今週は伸び悩み、50日移動平均線を下回っていますが、7月30日には良い上昇を見せており、500ドルの水準を維持しようとしています。この動きについてどう思われますか。


[エド・カーソン]
 
確かに50日移動平均線を上回っている銘柄もいくつか存在しますが、その中でもAI関連のハードウェア銘柄において、少なくとも再び50日移動平均線の近くまで戻ってきている数少ない銘柄の1つと言えます。
 したがって、決算後にそこを突き抜けて上昇することができれば、何か面白い展開が期待できるかもしれません。チャートの左側の動きを見ると、上昇と下落を繰り返して少し乱れた値動きとなっていました。底堅く推移してはいたものの、あまりきれいな形状ではなく、上下に振れる扱いにくい展開で、魅力的とは言い難い状態でした。短期的な高値に向かって反発し、しばらくベースを形成してから上昇へ向かうのが理想的ですが、現在の市場環境を見る限り、そのような展開を素直に許してくれる状況とは思えません。
 それでも、間違いなく注目しておくべき銘柄の1つです。AI分野の中では比較的好調なパフォーマンスを示している銘柄の1つですが、ご覧の通り、持ちこたえていたものの最終的には下落してしまいました。しかし、回復へと向かう最初の銘柄の1つになる可能性はありますので、今後の動きを見守りましょう。




(6)Cloudflare(NET)


[アレクシス・ガルシア]
 それでは次に、8月6日に決算を予定しているクラウドフレアについて見ていきましょう。この銘柄は非常に良い形状を見せています。現在は買いゾーンの上で推移していますが、6月1日にブレイクアウトを試みました。その後50日移動平均線までかなり急激に押されましたが、そこでサポートを得ることができました。それ以降は上昇に転じており、足元ではきれいなシェルフパターンが形成されているように見えます。クラウドフレアについてはいかがでしょうか。


[エド・カーソン]
 週足チャートでは非常にきれいなシェルフパターンが形成されていますね。10週移動平均線で反発しており、良い動きを見せています。ただし、この銘柄は値動きが大きくなる傾向があり、週足で大幅な下落を見せている箇所も確認できますし、しっかりとした上昇もある一方で、下落への転換が起きる可能性もあります。決算を受けて窓をあけて買われるか、あるいは売られるかが気になるところですが、もし上方へ窓をあけて買われた場合、買われ過ぎ感が出てしまうのではないかと少し懸念しています。
 この銘柄が良い取引の機会をもたらすかどうかは分かりません。ソフトウェア業界の他の企業ほど堅調には見えませんが、間違いなく、有望なソフトウェア企業の一つであることは確かです。




(7)Datadog(DDOG)


[アレクシス・ガルシア]
 それでは、同じく8月6日に決算を予定しているデータドッグに進みましょう。こちらは買いポイントが276.70ドルの取っ手付きカップパターンを形成しています。データドッグについての見解はいかがでしょうか。


[エド・カーソン]
 取っ手の部分の下降トレンドラインを抜けた時点ですでに売買を検討できる状態にあったと言えます。現在は本格的な取っ手からのブレイクアウトに近い水準にありますので、今後の展開に注目したいところです。
 堅調な利益であり、RSラインも高値圏で推移しています。そのため、決算でどのような結果になるかを見極めたいと思います。この銘柄は最も見栄えが良いものの1つであり、しっかりとベースを形成しています。クラウドフレアが乱高下を繰り返し、短期的な上昇の後に反落していたのに対し、データドッグはより安定した推移を見せており、ここ数ヶ月で明確な大幅上昇トレンドを築いてきました。現在、見栄えが良い上位4件から5件の銘柄のうちの1つであると言えます。




(8)Palantir Technologies(PLTR)


[アレクシス・ガルシア]
 それでは、パランティアについて見ていきましょう。同社は現在下降トレンドにあり、すべての移動平均線を下回っているため、積極的に買いを入れたい状況ではありません。しかし、AIソフトウェアの分野において非常に重要な銘柄であることに変わりはありません。決算に向けてはどのような点に注目していますか。


[エド・カーソン]
 売上高の成長がさらに加速する四半期になると見込まれており、過去11四半期にわたって見られたような勢いが続くかどうかが注目されます。利益の成長力も非常に目覚ましく、評価すべきポイントが多く存在します。株価のバリュエーションについても以前は割高感が指摘されていましたが、業績の伸びに伴って適正な水準へと落ち着いてきています。利益自体は右肩上がりで成長を続けており、週足チャートで業績のラインを確認すると、勢いよく上昇し続けていることが分かります。しかし、株価そのものは昨年11月以降、非常に厳しい伸び悩みが続いています。ファンダメンタルズが非常に強力であるにもかかわらず期待通りの進展が見られず、買われにくい状況が続いています。ここから回復に向かうためには、50日移動平均線や200日移動平均線を上回り、底固めをしてベースを形成していく必要があります。




(9)Novo Nordisk(NVO)


[アレクシス・ガルシア]
 では、先ほどイーライリリーについて触れましたが、次は8月5日に決算発表を予定しているノボノルディスクについて確認してみましょう。7月29日には取っ手付きカップパターンからのブレイクアウトを試みましたが、翌日には買いポイントを下回る水準まで反落してしまいました。この動きについてどう捉えていますか。


[エド・カーソン]
 同社は長期的な下降トレンドが続いており、過去の週足チャートを見ると2024年に株価のピークを迎えています。イーライリリーがあまり進展を見せていない一方で、ノボノルディスクはここ3年間にわたり下落傾向にありました。今回の形状は底入れに向けたベースのように見えますが、それ以前に十分な上昇トレンドが存在していたわけではありません。
 購入を検討することは可能ですが、上値には強力な抵抗線が存在しています。また、利益についても大きな伸びは期待できず、今後の業績回復も当面先になる見通しです。


[アレクシス・ガルシア]
 そうですね、それならば業界を牽引しているリーダー企業に投資する方が合理的と言えますね。




(10)Vertex Pharmaceuticals(VRTX)


[アレクシス・ガルシア]
 では次に、8月3日に決算を控えているバーテックス・ファーマシューティカルズを見ていきましょう。日足チャートでは、7月2日にブレイクアウトを果たしたものの、その後は急激に下落しています。現在は21日移動平均線付近でサポートを探る展開に見えますが、いかがでしょうか。


[エド・カーソン]
 上値追いが急過ぎた反動で、かなり大きく売れ込まれてしまいました。ベースの形状があまりきれいに整っておらず、利益の伸びも特別強いわけではないため、大きな好転のきっかけが見当たらない状態です。ノボノルディスクほどの深刻な下降トレンドではないものの、過去数年間にわたり目立った進展が見られず、日足チャートでも激しい乱高下が目立ちます。
 そのため、投資対象としてそれほど魅力的な形状とは言えません。仮に以前の買いポイントまで株価が戻ってくれば検討の余地は出てきますが、医薬品やバイオテクノロジーのセクター全体で見ても、現時点では強く推奨できる状況ではありません。




(11)Oscar Health(OSCR)


[アレクシス・ガルシア]
 それでは、8月5日に決算発表を控えているオスカー・ヘルスに話を移しましょう。このチャートは、21日移動平均線を上回って推移しており、かなり良好な形状を見せています。決算発表が近づくにつれて、33.10ドルの高値水準が注視すべきポイントになってくると考えられます。


[エド・カーソン]
 ええ、決算発表さえ控えていなければ、50日移動平均線からの反発をエントリーの根拠として利用できたと考えられます。とはいえ、株価は現在、10週移動平均線から10パーセント離れており、実際にはそれ以上に乖離している可能性があります。そのため、ここで株価が一時休止して揉み合いを形成するのであれば、形成されつつあるベースにおける今週の高値をエントリーポイントとして活用できる可能性があります。それがどの程度の深さの調整になるのか、またフラットベースを形成するかどうかについてはまだ計算していませんが、新しいベースが形成されつつあることは確かです。
 つまり、何らかの好ましい動きが起きています。同社は過去に本格的な赤字を計上していた時期もありましたが、現在は力強い成長を遂げています。すでに複数の医療保険会社が決算を発表していますが、同社の株価は非常に堅調に推移しています。これは、他の分野、例えばAI関連や一部のバイオテクノロジー薬品といったセクターとは一線を画し、ディフェンシブでありながら成長性も享受できる選択肢と言えます。実際に、医療保険セクターの中で比較的良好なパフォーマンスを示している銘柄が存在しており、同社はその筆頭と言えます。


[アレクシス・ガルシア]
 わかりました。31.94ドルの水準を注視していくことになりますね。




(12)CVS Health(CVS)


[アレクシス・ガルシア]
 続いてCVSですが、この銘柄についてこれまで取り上げたことはなかったかと思います。決算発表は8月5日に予定されています。同社株は5月のブレイクアウト以降、順調な上昇トレンドを描いてきました。21日移動平均線を非常に意識した動きを見せており、一度テストした後に足元ではそのラインを下回って推移しています。
 CVSの現状について、どのように分析されていますか。すでにポジションを保有している場合、決算前に利益確定を検討すべきタイミングと言えるでしょうか。


[エド・カーソン]
 ブレイクアウトの段階で購入していたのであれば、これまでの株価の反応自体は悪くないと言えます。ただし、まだ時間の猶予がありますので、今後の推移を見極めることができます。もし21日移動平均線、あるいは50日移動平均線や10週移動平均線をより明確に下回る展開となれば、そこが反発のポイントとなり、新たな買いの好機を提供する可能性があります。
 したがって、この銘柄を監視する中で、50日移動平均線が売りのシグナルになるか、買いのシグナルになるかは今後の値動き次第と言えます。オスカー・ヘルスと同様に、CVSはドラッグストアチェーンでありながら、薬剤給付管理会社としての側面を持ち、さらにエトナを傘下に収める健康維持組織、HMOでもあります。そのため、医療保険セクターにおける主要企業の1つに位置付けられます。
 週足チャートでは、引き締まったパターンの方向へ押し戻される動きを見せています。そのため、10週移動平均線付近のこの価格帯で反発し、引き締まったパターンを維持できれば、買いたい人にとって取引の機会が生まれる可能性があります。今後の動向を見守りたいところです。




(13)BWX Technologies(BWXT)


[アレクシス・ガルシア]
 それでは次に、8月3日に決算発表を予定しているBWXテクノロジーズについて確認していきましょう。この銘柄は現在下降トレンドにあり、主要な移動平均線をすべて下回って推移しています。


[エド・カーソン]
 BWXテクノロジーズで重要な点は、同社が原子力関連企業の中で実績のある企業の1つであり、本格的な業績成長が見られるかどうかを見極めることです。しかし、原子力セクター全体が足元で売られているように見受けられます。チャートの見栄えが再び良くなるためには、課題が山積みと言えます。良い形状を取り戻す前に、まずはこれらの移動平均線を再び上回る必要があります。




(14)Howmet Aerospace(HWM)


[アレクシス・ガルシア]
 防衛関連銘柄のハウメット・エアロスペースはいかがでしょうか。足元では21日移動平均線を維持しています。6月17日にブレイクアウトを試みましたが、それ以降は目立った動きが見られません。しかし、現在の市場環境を考慮しますと、こうした静かな動きは好材料と捉えることもできますね。ハウメットについてのお考えをお聞かせください。


[エド・カーソン]
 ええ、この銘柄は50日移動平均線付近で購入するのが適している可能性がありますが、確実にうまくいく保証はありません。数日間にわたり50日移動平均線を下回って推移することもあり、振り落とされる懸念が存在するためです。過去の傾向を見ても、上値を追う展開の中でもブレイクアウト後に失速するパターンが見られ、エントリーの難易度が高い傾向にありました。
 すでにポジションを保有しており、ある程度の期間持ち続けている投資家にとっては保持しやすい銘柄と言えますが、特にブレイクアウトのタイミングで購入した場合、新たに買って保有し続けるのは容易ではありません。それでも同社は業界を牽引するリーダー企業であり、非常に力強いパフォーマンスを示してきた銘柄の1つと言えます。
 ボーイング向けの航空宇宙関連製品やジェット機関連を幅広く手掛けており、ガスタービン用の部品や材料も供給しているため、AI関連としての側面も備えています。優れた実績を持つ魅力的な企業ですが、タイミングを見極めるのが難しい銘柄と言えますね。




(15)Caterpillar(CAT)


[アレクシス・ガルシア]
 では次に、8月4日に決算発表を控えているキャタピラーについて見ていきましょう。1,073ドルの高値を記録した時点では非常に良い形状を見せていましたが、その後は急激に押し戻される展開となりました。現在は50日移動平均線および21日移動平均線を下回っており、800ドルの大台付近で下値を固められるかが焦点となります。


[エド・カーソン]
 その水準は、前回のベースにおける買いポイントの付近に位置しています。まさにサポートが期待できる水準であり、実際にそこで下げ止まりを見せています。しかし、これまで積み上げてきた大きな上昇幅をすべて吐き出す形となってしまいました。同社は建設機械の大手ですが、発電機を手掛けているほか、同社の機器が多くのインフラ整備に使用されることから、AI関連銘柄としての位置付けもなされています。
 再び上昇へと転じるためには、50日移動平均線を大きく上回る水準まで回復する必要があります。したがって、他の多くのAI関連銘柄と同様に、チャート形状の修復作業が必要な状況と言えます。




(16)MercadoLibre(MELI)


[アレクシス・ガルシア]
 それでは、メルカドリブレについてはいかがでしょうか。昨年は非常に注目されていた銘柄の1つでしたが、今年に入ってからはかなり苦戦を強いられています。現在は保ち合いの局面にあり、200日移動平均線を再び上回ろうと試みているように見受けられます。メルカドリブレについて、どのような点に注目されていますか。


[エド・カーソン]
200日移動平均線を上回る展開になれば好ましいと考えています。そうなれば、積極的なバリュー投資家が買いを入れる可能性があります。ただ、このところしばらく下降トレンドが続いています。アマゾンなどのライバルに対抗するために、マーケティングや各種施策へ投資を行ったり、多様な方法で値下げを実施したりしたことで、利益が大きく削られており、苦しい状況が続いています。
 果して事態を打開し、1株当たり利益の面で再び本格的な成長軌道に乗せることができるでしょうか。売上自体は伸び続けており、決済事業も抱えています。同社は電子商取引と決済の大手企業ですが、こうした分野で厳しい状況に直面しており、過去5年間において実質的な進展があまり見られません。一時的に大きな上昇を見せたものの、振り返ってみると、最終的にはその時期から大きな前進が見られない状態となっています。そのため、この銘柄もチャート形状の修復作業が必要と言えます。




(17)Marriott International(MAR)


[アレクシス・ガルシア]
それでは最後に、8月3日に決算発表を予定しているマリオット・インターナショナルについて見ていきましょう。この銘柄は買いポイントが410.98ドルのフラットベースを形成していますね。ただし、まずは50日移動平均線を上回る必要があります。


[エド・カーソン]
ええ、50日移動平均線とこれらの直近高値を上回ることができれば、早期のエントリー機会となる可能性があります。旅行関連の銘柄には健闘しているものもありますが、ホテル関連はそれほどでもありません。もっとも、ホテル株自体はまずまずの動きを見せており、その中でも同社は最も見栄えが良い銘柄と言えます。他の多くのホテル株はもう少し弱い動きとなっています。そのため、取引の機会となる可能性はあります。ただし、過去のブレイクアウトが成功していない点には注意が必要です。全体としては切り上げているものの、ブレイクアウト後の上昇が続かなかったり、伸び悩んだりするケースが多く見られました。したがって、過去8年から9年ほどの期間において標的指数であるS&P500とおおむね同等の推移にとどまっており、長期的なRSラインはそれほど目立った伸びを示していません。この点が唯一の懸念材料と言えます。


[アレクシス・ガルシア]
わかりました。本日の内容は以上となります。素晴らしい分析をありがとうございました。


[エド・カーソン]
ありがとうございました。




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IBD
(Original Published Data : 2026/07/31 EST)



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