見出し画像

【ソフトウェア銘柄再評価の条件】 個別銘柄のばらつきは、賢明な投資家にとっての最大の好機

 現地2026年5月28日に収録され、29日に公開されたゴールドマン・サックスのポッドキャストでのインタビュー・コンテンツを紹介します。米国TMT部門のスペシャリストであるピート・キャラハン氏を迎えて、歴史的急騰を遂げるテクノロジー市場の展望についてのインタビューです。
 過熱感が漂う半導体市場の持続性や、AIの影響度合いで明暗の分かれるソフトウェア株の選別、そして今後期待できる出遅れセクターの動向など、この夏に向けてのトレンドを見据えたインサイトが紹介されています。






1. インタビュー


[クリス・ハッシー]
 
本日は5月28日木曜日です。今回はグローバル・バンキング・アンド・マーケッツの米国テクノロジー・メディア・テレコム部門のセクタースペシャリストであるピート・キャラハンさんとともに、Goldman Sachsのトレーディングフロアにいます。ピートさん、改めて時間を作っていただきありがとうございます。


[ピート・キャラハン]
 お呼びいただきありがとうございます。


[クリス・ハッシー]
 それでは、マーケットの動きから始めましょう。3月30日の安値から、テクノロジー・マーケットはほぼ歴史的な上昇を見せています。過去に見られたほど巨大なものではありませんでしたが、このラリーをどう見ていますか?


[ピート・キャラハン]
 そうですね、私としては3つの点が際立っていると思っています。


[クリス・ハッシー]
 なるほど、決算について指摘されていましたが、ここで少し決算について話しましょう。第1四半期の決算結果について、どのように受け止めていますか?


[ピート・キャラハン]
 ええ、テクノロジー企業の決算は好調でした。特に目立ったのは設備投資、つまりCAPEXです。設備投資の見直しについて、また新たな大きな波がありました。2027年の設備投資予測は20%増加し、現在では2027年に9000億ドルを上回るような設備投資が見込まれています。したがって、このストーリーは依然として崩れておらず、さらに上振れしています。

 次に、ソフトウェア部門については、結果はまちまちでした。ソフトウェアについては後ほど話すかもしれませんが、良いものもあれば良くないものもありました。しかし、良い面として、この分野で実際にばらつきが見られ始めており、これは投資家にとって歓迎すべき兆候となっています。
 そして最後に、おそらく最初の設備投資に関する点とも結びついていますが、コンピュートおよびAIサプライチェーン全体において、供給能力が依然として比較的逼迫している状況が続いているという点です。その結果、企業からは2027暦年にまで見通しが伸びているという話が出始めています。現在見られる供給不足を踏まえて、半導体やAIインフラストラクチャ企業は、それほど先までの注文を受け始めている状況にあります。


[クリス・ハッシー]
 先ほどお話しに出たソフトウェアの点について詳しくお聞きしたいと思います。ソフトウェア市場の不調はクレジット市場にまで波及し、プライベートクレジットにおいて、ソフトウェアへのエクスポージャーが大きすぎるという懸念から問題が生じ始めていました。しかし、最近になってソフトウェア株が再び動き始めています。一体何が起きているのでしょうか?


[ピート・キャラハン]
 そうですね、今年はソフトウェア分野にとって間違いなく厳しい状況が続いていますが、グループ内でばらつきが見られ始めています。これはロングオンリーの投資家であれ、ヘッジファンドであれ、すべての投資家が歓迎していることだと思っています。
 重要なのはこのばらつきであり、グループの中からリーダー株と出遅れ株を選び出そうとしています。そのため、ここからの議論はまだ続いています。投資家は、サブスクリプションやアカウント数ベースのモデルと、従量課金制のモデルをどのように考えるべきか、そして今後数年間でどちらの方向に向かうのかに関心を持っています。
 また、ソフトウェア企業が販売時点でAIを導入できるのか、あるいは既存企業とスタートアップのどちらが優位に立つのかといった議論もあります。そしてさらに、今年の初めは環境が少し不安定でした。企業全体で新しいAI予算が使われるようになりましたし、依然として続いている紛争の影響もあり、少し騒がしい期間となっていました。しかし、少なくとも投資家は勝ち組と負け組を選別できると言っており、これは過去数年間に見られたグループ全体が連動して下落するような圧力からの変化が見られています。 


[クリス・ハッシー]
 ソフトウェアにおける勝ち組と負け組の違いは、率直に言って、AIを導入する能力があるかないかという点に尽きるのでしょうか?


[ピート・キャラハン]
 ええ、現時点では、AIがビジネスに貢献し、より迅速な売上成長を牽引していることを示せるかどうかにかかっています。もし示せれば、市場は喜んでその株式の評価を再設定します。


[クリス・ハッシー]
 誰もがAIによって中抜きされると考えてソフトウェア株を売りたがっていたのは興味深いことでした。AI自体もソフトウェアなのですから、まさにその通りですね。


[ピート・キャラハン]
 つまり、「私たちこそが、企業環境におけるこのような背景をすべて踏また、その段階にある実際の企業であって、顧客はAIの導入を支援する私たちを頼ってくるであろう」ということです。


[クリス・ハッシー]
 半導体は1999年以来最高の年を迎えているというお話がありましたね。
 ニックス(ニューヨーク・ニックス: NBAのチーム)のファンは、1999年に大いに盛り上がっていましたが、ニックスのファンにとっても良い終わり方はしませんでした。今年はもっと良い結果になることを期待しています。
 ポジショニングについて教えてください、私たちは少し行き過ぎているのでしょうか? 私たちは今どのような状況にありますか?


[ピート・キャラハン]
 良い質問ですね。半導体については、今年は素晴らしいスタートを切ったと思います。5ヶ月間で80%も上昇するようなグループがあれば、当然モメンタムの動向や急激に上がりすぎたといった要素が短期的に影響することになります。しかし、中長期的には本当に重要なのは決算の見直しです。このグループの決算見直しが続き、マルチプルが適正に保たれている限り、投資家は押し目買いやモメンタムの解消、あるいはこのような値動きの時に当然生じるポジショニングの圧力による調整局面で、このグループを買い増すことに安心感を持つことになると思います。ですから、結局のところ、決算の伸びを追跡し続けることが重要であり、私も最新の情報を伝えられるよう最善を尽くしています。


[クリス・ハッシー]
 これからも頼りにしています。それでは、注目の取引は何になりますか?


[ピート・キャラハン]
 まだ話していないグループとして米国のインターネット分野があります。これはおそらく皆にとって驚きだと思いますが、私がデータを分析したところ、このグループは今年、ソフトウェアに遅れをとっています。市場では、資金源や現在進行中の投資サイクル、消費者の健全性、そしてもちろん今後数年間で消費者向けの世界でAIがどこに向かうのかについて、議論が続いています。
 しかし最近では、米国のインターネット企業でAIに関連した製品側のイノベーションが少し見られ始めているのです。原油価格が最高値から落ち着いたことで、消費者への過熱感も下がってきているようです。そのため、このような背景と整理されたポジショニングを踏まえ、ここからは米国のインターネット・セクターに注目していきたいと思っています。


[クリス・ハッシー]
 信じられないかもしれませんが、来週にはもう6月に入ります。どのような点に注目していますか?


[ピート・キャラハン]
 そうですね、本当に2つのことだけです。まずはマクロデータです。新しい月次のデータであるNFP、つまり非農業部門雇用者数のデータや月半ばに発表されるCPI、つまり消費者物価指数です。雇用データの組み合わせや、地政学的な紛争を踏まえたインフレの動向を注視しています。それ以外にテクノロジー分野では、ソフトウェアや半導体に関するユーザーカンファレンスなどが多数予定されています。これらが夏に向けて、生成AIへの関心や方向性をどのように決定づけるかを見極めたいと思っています。


[クリス・ハッシー]
 インフレについての話がありました。歴史的に見ると、テクノロジーは金利と相関関係にありました。金利はもうテクノロジーにとって重要ではないのでしょうか?


[ピート・キャラハン]
 重要になる可能性はあります。ただ、率直に言って、今のところ市場はそれを問題にしていません。AIのサプライチェーンが投入コストの面で耐え忍ばなければならなかったことを考えると、テクノロジー分野には非常に多くのコスト・インフレ要因がありました。
 そのため、このAIインフラを提供する上であらゆることに対応しているという背景において、金利は注意すべき点ではありますが、現在の水準では主要な懸念事項にはなっていないと市場は見ていると思います。


[クリス・ハッシー]
 ええ、そうですね、主要な懸念にはなっていませんね。
 さて、私は今お話されたようなことには注目していません。私はただ、水曜日の夜に始まるNBAファイナルに注目しています。


[ピート・キャラハン]
 いいですね。


[クリス・ハッシー]
 ピートさん、参加していただき本当にありがとうございました。


[ピート・キャラハン]
 お招きいただきありがとうございました。




2. オリジナル・コンテンツ

 オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご覧になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。

Goldman Sachsより
(Original Published date : 20256/05/29 EST)

[出演]
  Goldman Sachs Global Banking & Markets
    ピート・キャラハン(Peter Callahan)
    The US Technology, Media and Telecommunications sector specialist

  ゴールドマン・サックス・リサーチ
    クリス・ハッセイ(Chris Hussey)



御礼

 最後までお読み頂きまして誠に有難うございます。
役に立ちましたら、スキ、フォロー頂けると大変喜び、モチベーションにもつながりますので、是非よろしくお願いいたします。 
だうじょん


免責事項


 本執筆内容は、執筆者個人の備忘録を情報提供のみを目的として公開するものであり、いかなる金融商品や個別株への投資勧誘や投資手法を推奨するものではありません。また、本執筆によって提供される情報は、個々の読者の方々にとって適切であるとは限らず、またその真実性、完全性、正確性、いかなる特定の目的への適時性について保証されるものではありません。 投資を行う際は、株式への投資は大きなリスクを伴うものであることをご認識の上、読者の皆様ご自身の判断と責任で投資なされるようお願い申し上げます。



いいなと思ったら応援しよう!

この記事は noteマネー にピックアップされました

noteマネーのバナー