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【お題】若い女性・サーフィン・彗星このシチュエーションどんな物語に・・・LaLaLa作

試行錯誤中のLaLaLaです。
【お題】若い女性・サーフィン・彗星このシチュエーションどんな物語に・・・を書くにあたって、皆様にはプロンプトをお渡ししてプロンプトをのままでも少し手を加えて書いてくださいと表記しましたが、私は、プロンプトを使わずAIと会話しながら作っています。
「君の名は。」に出てくる流星サーファーの少女この二つのシチュエーションでどんな物語が描けるかワクワクしています。
プロローグ的に書きましたが、12か所で止まった彗星「ファースト・フォール」がどうなるのか?なぜ彼女の名前を知っているのか?
12か所の物語につなぐこともできるし、彼女の名前を知っている理由?
いろんな角度で物語を展開できるようにフックを置いています。


降下角 ―First Fall―

 人類が「それ」を彗星と呼んでいたのは、最初の十七分間だけだった。

 海月(みづき)がボードを抱えて海に入ったとき、空にはまだ、いつもの夏と同じ流星群が流れていた。獅子座の方角から、光の粒が絶え間なく降ってくる。今年は当たり年らしい、と部活の後輩が話していたのを思い出す。満月の明るさに負けじと、無数の光が夜空を裂いていた。

 その中に、一つだけ様子の違う光があった。

 最初は誰も気にしなかった。他の流星より少し明るく、少し尾が長い。天文台のライブ配信では「特に明るい火球が観測されています」という呑気なテロップが流れていただけだった。海月自身、それが彗星だと聞かされていたし、疑う理由もなかった。

 異変に気づいたのは、海月が波の上でボードに腹ばいになり、その光の軌跡をぼんやり目で追っていたときだった。

 流れ星は、加速しないはずだった。

 大気圏に突入した塵や氷の欠片は、空気抵抗を受けてむしろ減速しながら燃え尽きていく。子供の頃、学校でそう習った。けれど目の前のその光は、明らかに速度を上げていた。しかも軌道が、わずかに、しかし確実に曲がっている。まっすぐ落ちてくるのではなく、まるで狙いを定め直すように、弧を描いて進路を変えていた。

 海月の腕の毛が逆立った。潮風のせいではない。

 スマートフォンをジップロックの防水ケースごと取り出し、震える指で天文アプリを開こうとした、その時だった。光がふっと二つに割れた。いや、割れたのではない。一つの光の中から、もう一つの、より小さく鋭い光が分離したのだ。分離した光は速度を緩めることなく、むしろ加速しながら、海月がいる沿岸の方角へと軌道を変え始めた。

 海の向こうで、灯台の光が消えた。

 停電——にしては、あまりにも一瞬だった。町の明かりが、海岸線に沿って、まるでドミノが倒れるように次々と消えていく。海月がいつも見ている夜景が、数秒のうちに闇に呑まれた。波音だけが、変わらずそこにあった。

 海月はボードの上で凍りついたまま、分離した光がぐんぐん近づいてくるのを見ていた。恐怖よりも先に、奇妙な既視感が胸を突いた。子供の頃に読んだ絵本の一場面のような、あるいは何度も見た夢の続きのような感覚。この光を、自分は知っている——そんなはずはないのに、そう感じた。

 光は海面から数百メートルの高度で、ふっと静止した。

 物理法則を無視したその停止に、海月は悲鳴を上げることすら忘れていた。落下する物体が、重力に逆らって空中でぴたりと止まる。あり得ないことが、あり得ない速度で、目の前で起きていた。

 静止した光の表面に、模様のようなものが浮かび上がる。幾何学的な、しかしどこか呼吸をしているような文様。それは瞬きながら、規則的なパターンを描き出していく。海月にはそれが何かの信号だとは分からなかった。ただ、その光のリズムが、自分の心臓の鼓動と、少しずつ重なっていくのを感じた。

 どく、どく、どく。

 光の明滅と、海月の鼓動が完全に一致した瞬間、光の文様がぴたりと止まった。

 そして、静寂。

 波の音さえ、その一瞬だけ聞こえなくなった気がした。海月はボードの上で、指先一本動かせずにいた。周囲の海面が、鏡のように凪いでいる。さっきまであれほど寄せていたはずの波が、まるで時間ごと止められたかのように、動きを止めていた。

 その静寂を破ったのは、光の中から響いた声——いや、声と呼んでいいのか分からない、頭の中に直接響くような、震動だった。

「観測、完了」

 日本語だった。海月の知っている、ただの日本語だった。

 それが、後に「ファースト・フォール」と呼ばれることになる出来事の、最初の十七分間の記録である。この夜、日本列島沿岸の十二箇所で、同種の「彗星」がほぼ同時刻に減速し、静止したことが、後の政府発表で明らかになる。だが海月が知っていたのはただ一つ——自分の目の前に浮かぶその光が、既に自分の名前を知っているらしいという、その事実だけだった。

つづく


#短編小説彗星の夕焼け

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