天空シリーズ・🌙 月の国
うさぎがリュナの残した光を辿りながら、
新しい命の願いを見つけていく物語です。
第一章 光の湖
風が止まり、空が静けさに包まれた。
うさぎは雲の上を渡り、
やがて光の海へと辿り着いた。
そこは月の国――風が光となって流れる場所。
地面は銀の砂で覆われ、
足跡をつけるたびに淡い光が滲む。
空には星の川が近く流れ、
その光が湖面に反射して揺れていた。
うさぎは耳をぴくりと動かした。
風の代わりに、光が囁いている。
それは、願いの声だった。
遠い地上から届いた、まだ叶わぬ想い。
「風が止まっても、願いは流れる。」

その声に導かれるように、
うさぎは湖のほとりに座った。
水面に映るのは、自分の姿ではなく――
龍リュナの光だった。
リュナはもう風の中にいない。
けれど、その光は確かにここにあった。
うさぎはそっと手を伸ばし、
湖面に触れた。
その瞬間、光がふわりと広がり、
月の国が静かに息をした。
© Kaori
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