ボーダーが好き、だけど
服の好みは、わりとはっきりしている。
といっても、個性的な服が好きなわけではない。
むしろ、ベーシックなものが好きだ。
だけど、「好きなもの」が自分に「似合う」とは限らないのが悩ましいところだ。
たとえば、ボーダー。
私はボーダーが好きだ。
お店で見かけると、つい目がいく。
白地にネイビーのごく普通のボーダーを、さらりと着こなしている人を見ると素敵だなと思う。
でも、自分が着るとなんだか違う。
どうもしっくりこない。
これは、年齢を重ねるにつれて似合わなくなったわけではない。
若い頃からずっと、「なんだか違う」と感じていた。
それでも昔は、似合うかどうかはあまり気にせず、好きだから着ていた。
「好きだから、着る」
それはそれで、潔くてカッコいい。
似合うかどうかなんて二の次で、自分が着たいものを着る。そういうのも素敵だと思う。
反対に、袖を通すと妙にしっくりくる服もある。
私の場合は、ダブルのジャケットだった。
鏡の前に立つと、なんとなく収まりがいい。
無理をしている感じがなくて、とても自然に見える。
でも、最初から特別に好きだったわけではない。
似合うことに気づいてから、だんだん好きになった。
気づけば私のクローゼットには、ダブルのジャケットがずらりと並んでいる。
それを着ている日は、少し自分に自信が持てるのだ。
* * *
若い頃は、「こういう服が好き」「こんなふうになりたい」という気持ちが、今より強かったように思う。
でも今は、そこまで頑張らなくなった。
なりたい自分と、実際の自分が少し違っていても、それはそれでいい。
そう思えるようになってから、少し楽になった気がする。
クローゼットにセントジェームスのボーダーがある景色は、今でも大好きだ。
好きなものは、今も好きなまま。
ボーダーは今も好き。
でも、しっくりこないなら無理して着ない。
そういうことが、服以外でも少しずつ増えてきたように思う。
