tripleS「Forbes」インタビュー『24人組ガールズグループtripleSの運営と資金面の仕組み』
アメリカのビジネス誌「Forbes」によるtripleSのインタビュー翻訳です。
S4チェヨン、S11コトネ、S14ソヒョン、S24ジヨンの4人と、MODHAUS代表、スタッフによる様々なエピソード話が盛り沢山です。
『24人組ガールズグループtripleSの運営と資金面の仕組み』
24人組ガールズグループtripleSは、運営の奇跡であると同時に、本物のポップセンセーションになれることを証明した。
それを実現させたのは、tripleSと、その全メンバーを一つのアルバムプロジェクトに集結させる、特別な「ASSEMBLEプロジェクト」を手がける、ソウル拠点の野心的な音楽事務所「MODHAUS」だ。
MODHAUS創設者兼CEOのジェイデン・ジョン、管理部門責任者のキム・テヒョク、A&Rマネージャーのキム・ソンウ、そしてtripleSメンバーのチェヨン、コトネ、ジヨン、ソヒョンの4人にわたる率直なインタビューを通じて、この前例のないスケールを誇る「ASSEMBLEプロジェクト」の裏側を探った。

ジェイデン・ジョン(MODHAUS創設者兼CEO):
「MODHAUSは“ソーシャルエンターテインメント構造”を追求しています。この24人という数字を“多すぎる”と感じる人もいるでしょうが、私の考えでは、24人が人が記憶できる最大人数です。
さらに、“24”という数字は天文学、数学、歴史において大きな意味を持ちます。たとえば地球が自転するのに24時間かかるという事実は、古代文明の時代からさまざまな形で応用されてきました。ですから、この数字は解釈の余地があるのです。数学的に言えば、“24”には8つの約数があり、幅広い可能性を探るには理想的です。」
そして数字の話を続けるならば――昨年リリースされた、全24人メンバーによるアルバム「ASSEMBLE24」は、韓国のCircleチャートによると世界中で21万1,000枚以上を売り上げた(2023年にリリースされた10人編成の最初の「ASSEMBLE」アルバムは5万5,000枚だった)。この勢いを受け、今年5月に発売された「ASSEMBLE25」はこれまでに40万7,000枚以上を記録している。
しかし、これらのアルバムは商業的な成功だけではない。「ASSEMBLE24」は2024年のK-POPグループアルバムの中で最も高い評価を受けており、Billboard、NME、Tone Glowなどの大手やインディー系メディアからも称賛された。
音楽制作から移動、スタッフ配置に至るまで、あらゆる面で特別な配慮が必要なtripleSの運営は、スケール・戦略・スター性を学ぶ日々の教科書だ。以下では、7人の関係者それぞれの視点から、tripleSの世界に深く迫っていく。
★tripleSのASSEMBLEプロジェクトを創るということ

ジェフ・ベンジャミン(ライター):
昨年、初めてtripleSの全24人メンバーによるフルアルバム「ASSEMBLE24」がリリースされました。このアルバム制作から学んだことは?また、それが「ASSEMBLE25」の制作にどう影響しましたか?
ジェイデン・ジョン(MODHAUS創設者兼CEO):
「ASSEMBLE24」は、私の人生で最も冒険的なアルバムでした。24人全員がついに一つになり、このコンセプトを音楽と歌詞で表現し、パフォーマンスで伝え、ミュージックビデオでは一つの物語として描きながらも、各メンバーの個性を失わずに活かしていく――そのすべてが私にとっても、MODHAUSのすべての社員にとっても、初めての経験でした。
でも、私はこういった困難な課題に挑むことに、最も楽しさを感じる人間なんです。他の人が「これは難しい」「無理だ」と思うようなことを、自分なりの方法で解決するのが本当に好きなんです。だからこそ、このアルバム制作では、メンバーも会社の社員たちも一つになれました。みんなで力を合わせ、「私たちにはできるんだ」と証明できたんです。だからこそ、「ASSEMBLE24」は非常に意味のある作品となりました。
このアルバムを通じて、tripleSは単なる「ダンスが得意なアイドル」ではなく、世界中の人々に「諦めないで」と伝える希望と励ましの声であることを示しました。そういった意味で、この作品にはとても深い価値があると思っています。
S4 チェヨン:
ユニットでのアルバム準備と、グループ全体での準備はまったく別物です。たとえば練習室での立ち位置を決めるだけでもすごく時間がかかるんです。だから、「全24人でASSEMBLE24をやる」と聞いたときは、ワクワクしつつも「本当に実現できるのかな?」という不安もありました。
でも、「Girls Never Die」(シングル)を初めて聴いたときに、「これはいける!」って思ったんです。ただ、その一方でプレッシャーもありました。「ASSEMBLE24」はデビューではなくカムバックなので、もっと成熟した姿勢や態度が求められました。だからこそ、チーム全体でのシナジーも強くなりましたし、個人としてもより強い覚悟と自信を持って臨めたと思います。
キム・テヒョク(MODHAUS 管理部門責任者):
24人で踊るパフォーマンスには、他にない壮大さと迫力があります。本当に圧倒されるような感動を生むもので、簡単には再現できない独自性があります。
S4 チェヨン:
私たちはひとりずつ順番に公開されていったので、メンバー同士で「本当に24人全員で一緒に何かできる日が来るのかな?」とよく話していました。それに、GRAVITY(ファンによる投票システム)のおかげで、将来のプランが明確に見えていなかったんです。だから、「ASSEMBLE24」が発表されたときは本当に驚きましたし、正直「ASSEMBLE25」が来るなんて思ってもいませんでした。
でも、「Girls Never Die」が予想以上に評価されて、「ああ、印象に残ったんだな」と実感しました。だからこそ、今は「前作を超えなきゃいけない」というプレッシャーが少しあります。
ジェフ・ベンジャミン:
tripleSが1年後に再び全員でアルバムをリリースするというのは、「ASSEMBLE24」が商業的に成功したことの証しでもありますよね。MODHAUSとしても、「もう一度やる価値がある」と判断したということです。外から見ると、膨大なお金や時間、労力がかかっていそうですが、「ASSEMBLEプロジェクト」を続ける価値はどこにあるのでしょう?
ジェイデン・ジョン(MODHAUS創設者兼CEO):
私がtripleSの構想を練り始めたときから、「年に一度、グループ全員でASSEMBLEアルバムを出す」というアイデアを持っていました。2023年に10人でリリースした「ASSEMBLE」(収録曲「Rising」)から始まり、毎年tripleSの“核”となるアルバムを出す準備をしてきました。
タイトル曲は、ファンの投票によって決まります。このアルバムシリーズは、ファンと一緒に創るコラボレーションであり、お祝いのような存在になってほしいと考えていました。24人が年に一度集まってアルバムを作ること自体が、すでに祝祭的なものなんです。おそらく、ファンが楽しんでくれているのもこの“祝祭のコンセプト”だと思います。そしてもちろん、私はすでに「ASSEMBLE26」が楽しみで仕方ありません。
S11 コトネ:
「Girls Never Die」の成功を受けて、「もっと良いものを作ろう」というモチベーションが湧いたのはもちろんですが、同時に「もっと良くしなきゃ」というプレッシャーも大きかったです。しかもそれはメンバーだけじゃなくて、MODHAUSのマネジメントや関係者たち全体から感じました。みんなが「より良いものを」と思って一緒に取り組んでいるのが、すごく伝わってきました。
★24人のための音楽制作 ― tripleSの現場とは
ジェフ・ベンジャミン:
tripleSの楽曲制作とミュージックビデオの制作過程について教えてください。
S14 ソヒョン:
レコーディングは一人ずつ個別に行うので、全体としてすごく長いプロセスになります。でも、自分が録るパートは意外と短いんです。その限られた時間の中で、自分の声のトーンをしっかり表現しつつ、歌詞の感情も伝えなきゃいけない――それが一番のチャレンジだと思います。
キム・ソンウ(MODHAUS A&Rチームマネージャー):
「ASSEMBLE25」の制作期間はとても忙しかったですが、同時に実りの多い時間でもありました。これはMODHAUSの他のアルバムでもよくあることですが、今回も3つの異なる録音スタジオで、3曲を同時に収録するというプロセスをとりました。メンバーたちは時間を有効に使うためにスタジオ間を移動しながら収録しました。
私たちはtripleSを「あらゆる可能性を持つアイドル」として打ち出してきました。その表現の幅広さが彼女たちの魅力です。技術的な視点で言えば、24人編成で楽曲を選ぶ際には、ボーカルの層と密度が非常に重要です。各メンバーにどうボーカルパートを割り振るか、またそれぞれのパートがステージや振付でどう生きるか――それを常に考えています。
最終的にどの曲を使うかの決定権はジェイデンにありますが、私たちは常にアイデアを出し合って、「このデモはどうだろう」「このアプローチならアーティストの個性がより活きるんじゃないか」といった議論を重ねています。
S14 ソヒョン:
制作過程では、実はかなり多くの編集が入ります。今回は「ASSEMBLE25」が過去最高レベルに編集が多かったかもしれません。それだけ私たちは野心的に、「この曲を最高のものにしよう」と取り組んでいたんです。私はチームのボーカルコーチもしているので、各メンバーの声の繋がり方にも気を配りました。
ユニットアルバムのときは、もっと時間があるので、ボーカルトーンや細かい部分まで一緒に掘り下げて話し合うことができます。でも、24人全体を相手にする今回は、もっと直接的な伝え方が必要でした。「このトーンが合うと思うよ」とか、「こうしてみたらどう?」といった具合に、ストレートに指導することが多かったです。
S24 ジヨン:
個人的な話ですが、私は元々バレエを専門に学んでいたので、アイドルになる前はダンスの練習ばかりしていて、他のメンバーほどボーカルトレーニングを受けていなかったんです。だから歌の録音になると、毎回不安になりますし、たぶん他の人よりも緊張しています。頭の中が不安でいっぱいになるんです。
でも、ソヒョンと一緒にいるとすごく心強くなれます。まるで“お母さんと娘”みたいな感じです。彼女の伝え方が本当にわかりやすいんです。よくあるボーカルトレーニングって、すごく難しい説明をされることが多いんですが、ソヒョンはすごく丁寧で、実際に例を示してくれたりします。
録音の準備をしていたときも、私はけっこう緊張していたんですが、彼女は「こう歌って」と言うより、「こうやって深く息を吐きながら歌ってみて」とデモンストレーションしてくれました。それがとても効果的でした。
S11 コトネ:
ヘアメイクやスタイリングにも関わる人数が多いので、とにかく時間がかかります。もう完全に大規模なオペレーションですし、正直、すごくカオスです(笑)。でも、完成したミュージックビデオを見ると、本当に楽しめる要素がたくさん詰まっていて、いろんなディテールが光っているんです。
私たちの現場は確かに大変なんですけど、完成した作品はすごく良いんですよ。友達や家族もミュージックビデオを見てくれて、「あんなに大変だったのに、こんなに素敵に仕上がったんだ」って思えると、すごく誇りに思います。
★tripleSの一日
ジェフ・ベンジャミン:
プロモーション期間中、みなさんはどのように仕事を進めていますか?準備には全員が参加するのですか?起きる順番を決めるためにジャンケンしたりしますか?
S24 ジヨン:
24人でカムバックして活動しているときは、「もう寝られない」っていうのが当たり前なんです。たとえばメイクだけでも、他のグループの2〜3倍は時間がかかります。撮影が早朝にあるときは、前日の夜12時とか、早いときは夜9時にヘアメイクのサロンに行くこともあります。他のグループでも7人とか9人だと移動が大変ですが、私たちはバスで移動します。
今ではこの“眠れないスケジュール”にも慣れてきました。でもそれは、「私一人だけが大変」ってことではなくて、「24人全員で一緒にやっているんだ」って感覚があるからだと思います。スタッフも私たちとずっと一緒にいるので、本当にみんなで一緒に乗り越えてる感じがします。
キム・テヒョク(管理部門責任者):
メンバーは「HAUS」と呼ばれる宿舎に分かれて暮らしていて、人数が多いので4つの宿舎に分かれて住んでいます。スタッフを含めて、移動には8~9台の車を使います。ヘア・メイク・スタイリングがすべて終わるまでに、だいたい8時間かかります。
S24 ジヨン:
通常は、半分のメンバーが先に準備を始めて、残りの半分が後から準備する感じです。その分担は、マネージャーさんたちが決めてくれて、私たちはそれに従っています。
キム・テヒョク(管理部門責任者):
活動中に個人を区別して行動させるのではなく、基本的にはAチーム・Bチームのようにグループ分けしたり、宿舎ごとに分けて動かしています。
S14 ソヒョン:
正直なところ、ジャンケンで順番決めをしたら24人いるので時間がかかりすぎますよね(笑)。
S4 チェヨン:
音楽番組がある日は、大型バスに乗ります。30人乗りくらいの大きなバスです。でもヘアメイクやスタイリストさんたちはバスに乗り切れないこともあるので、タクシーで移動することもあります。
S11 コトネ:
私たちはみんな若い女の子なので、ちゃんと休めていて、大きなバスに乗ってると、すごく楽しい雰囲気になるんです。でも、ジヨンが言っていたように、プロモーション期間中は本当に休みが少ないので、バスの中ではみんなぐっすり寝ています。お互いの肩に頭を乗せ合って静かに寝てるんです。
到着の10分前くらいになると、マネージャーさんたちが「そろそろ起きようか~」って声をかけてくれるんですが、それでも起きるのはなかなか大変です(笑)。
S14 ソヒョン:
日によって雰囲気はすごく違いますね。突然踊り出す日もあるし、もちろん、おしゃべり好きな若いメンバーもいますが、すごく静かで落ち着いた日も多いんです。
誰かを挙げるなら…ヨンジとスミンはとってもおしゃべりです(笑)。この二人が一緒になると、会話が倍になって、ずっと話してますね(笑)。
キム・テヒョク(管理部門責任者):
tripleSは今や、ちょうど学校のクラスくらいの人数なんですよ。だから最初から、マネージャーは何人もいて、全員の出欠確認を丁寧に行っていました。すべてのスケジュールが終わった後も、メンバーたちはマネージャーと一緒に宿舎に戻るので、大きな問題が起きることはありません。
メンバーの人数が多いぶん、お互いに思いやりを持って生活していて、個人的なことでも自然と譲り合っています。私は全メンバーが公開される前からこのチームにいたので、名前を覚えるのは簡単でした。でも、それぞれに割り当てられている「固有番号」があるので、その部分は最初少し混乱しましたね(笑)。最近入ったマネージャーたちも、大体1週間もあればみんなの名前を覚えられるようになっています。
★MODHAUSの次なる展開:24人組ボーイズグループ
ジェフ・ベンジャミン:
MODHAUSは、新たなボーイズグループ「idntt(アイデンティティ)」を発表しましたね。彼らについて教えてください。
ジェイデン・ジョン(MODHAUS創設者兼CEO):
idnttも、24人組のグループです。24人編成ということで、「idnttはtripleSの男性版だ」と思われる方もいるかもしれません。メディアもそういった注目を集めやすい表現を使う傾向がありますし、自然とそういう認識が広がってしまいます。
でも、私はコンセプトやシステムを繰り返すのが好きではありません。idnttにも、MODHAUSならではの“DNA”はもちろんありますが、tripleSで見せたような“ビルドアップシステム”とは異なる形をとる予定です。
ただし、それがtripleSを超えるとか、より進化した形だというわけではありません。idnttにはidntt専用にデザインされた、全く新しいシステムがあります。K-POPのボーイズグループが好きな方にとっては、きっとドーパミンが出るような刺激的な体験になるはずです。
キム・ソンウ(MODHAUS A&Rマネージャー):
idnttでは、より“オーガニック(自然体)”なアプローチを大切にしています。彼らの1stアルバムでは、彼らの年齢層ならではの個性を最大限に引き出すため、オルタナティブ・ヒップホップやR&Bをベースに制作を進めています。

ジェフ・ベンジャミン:
tripleS、ASSEMBLEシリーズ、あるいはMODHAUSについて、他にも人々が興味を持ちそうなエピソードがあれば教えてください。
キム・テヒョク(管理部門責任者):
スケジュール中にメンバーたちが次々と現れると、周囲の人たちは「こんなにいるの!?」と驚くことが多いんです。そういった驚きの瞬間が、世間の関心を引くきっかけになることもあります。
S4 チェヨン:
全員かわいくてキレイなんです!これは絶対に伝えたい(笑)。だから世の中の皆さん、24人いれば、きっと一人はあなたの理想のタイプがいるはずです♡(髪をかき上げながら)
(※一同笑)
ジェイデン・ジョン(MODHAUS創設者兼CEO):
ちょっとした小ネタですが、「ASSEMBLE25」のイントロ曲のタイトルは「@%」なんです。これは、キーボードで「25」と打ったときに出てくる記号が「@」と「%」(アットマークとパーセント)になるという意味を込めています。私はこういう遊び心を作品の中に忍ばせておいて、ファンが気づいてくれるのが楽しいんです。
「Are You Alive」のミュージックビデオに登場する小道具やロケーションも、すべてコンセプトに合わせて細かく計画されています。たとえば、ソウルには「タルンイ(따릉이)」という公共の自転車シェアシステムがあるのですが、MVでは“見た目がかっこいい”自転車ではなく、あえてこのタルンイを使いたかったんです。リアルな日常の空気感をそのまま伝えることが、ソウルの女の子の世界をtripleSらしく表現する上でとても大切だったからです。
また、MODHAUSでは常に新しいアイドルの準備を進めています。でもそれは、“工場のように”事務所主導でアイドルを量産するという意味ではありません。私個人としては、「成長する可能性を秘めた原石のような人材」を探すことに喜びを感じています。MODHAUSのアイデンティティが、「物語を持ったアイドルグループ」であること。それが理想です。
それともう一つ、MODHAUSはもっと多くのスタッフを必要としています。設立からたった3年ちょっとで、今や社員は約120人にまで増えました。学歴や経歴に関係なく、K-POPが大好きな人なら誰でもウェルカムです。ぜひ、一緒に働いてほしいですね。
