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羽衣伝説        天からのファンタジーHagoromo Densetsu Vol.III

第八話
「受け継がれる光」


これが、幸の家に伝わる物語です。

伝説を思い出しながら描いていた幸は、
気がつけば、八つ目の「竜眼の城」を描き終えていました。

いつのまにか、あたりは薄暗くなり始めています。

そろそろ帰ろうと立ち上がった、その時――

透き通るような歌声と、
やわらかな風とともに、
心の奥へと染み込んでくるような笛の音が、
静かに響いてきました。

その瞬間でした。

これまで描いてきた一枚一枚の絵が、
ふわりと宙に浮かび上がり、
淡い光を放ちながら、ゆっくりと漂い始めたのです。

幸が、その中の一枚に手を伸ばした――その時。

そこには、
あの天女とごんぞうの、婚礼の光景が映し出されていました。

そして――

「やっと会えましたね、幸。

あなたが描いてくれたこの絵は、
私たちにとって、とても大切なものです。
天の世界で、大切に飾らせていただきます。

その代わりに――
この本を、あなたに授けましょう。

それから、この筆は、
あなたが描きたいものを、心のままに描き出すことができます」

その言葉を残して、
天女の姿は、すっと光の中へと溶けるように消えていきました。

はっと我に返ると――

幸の手の中には、
「月夜の伝説」と書かれた一冊の本と、
赤い筆が二本――
太い筆と、細い筆が握られていました。

さて――

これから、幸の描く絵は、
どのような物語を紡いでいくのでしょうか。

それは、まだ誰にもわかりません。

けれどきっと――
新たな“幸の物語”が、
静かに始まろうとしているのです。





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