デメトレ・リバース(京都ハンナリーズ)は、どんな経歴を歩んできた選手なのか
はじめに
Bリーグのオフシーズン、そろそろ外国籍選手の契約情報が出てきて、今年も何名か外国籍選手が初来日することとなりそうです。ハイライト動画や経歴だけでは、わかりにくい部分もありますので、初来日選手の何名かを確認していきたいと思います。
まずは一人目。
京都ハンナリーズが、2026-27シーズンに向けて新外国籍選手デメトレ・リバース選手の加入を発表しました。
京都ハンナリーズの村上直GMは、次のように評しています。
「これまでヨーロッパをはじめとする様々なチームで経験を積み、その価値を証明し続けてきた。高いシュート力とディフェンス力を兼ね備えた3&Dプレーヤーであり、アウトサイドシュートでコートを広げつつ複数ポジションを守ることで、攻守両面に大きな安定感をもたらしてくれるはずです」
コメントでは「3&D」という言葉が使われています。
日本でのプレーは、今回が初めて。手がかりになるのは、Bリーグでの実績ではなく、これまでの経歴とスタッツだけです。この評価が、実際の経歴やスタッツとどう重なるのか。今回はそこを眺めてみます。
まずは、直近のプレー映像から。
ジャルギリス在籍時(2023-24 LKLシーズン、クラブ公式)
ブレシア在籍時(2024/25 セリエA)
ブレシア在籍時(2025/26 セリエA)
更に気になる方は、もっと過去のハイライトもYouTubeで公開されています。
経歴から見えること
■ポジション:SF
■生年月日:1995年12月7日
■出身:アメリカ合衆国サウスカロライナ州グースグリース
■出身校:マーサー大学
■身長/体重 203cm / 96kg
■経歴:
2018 メイン・レッドクローズ (NBA Gリーグ)
2018-19 KKパルヌ エストニア(エストニア)
2019-20 ショプロンKC(ハンガリー)
2020-21 カポスヴァリKK(ハンガリー)
2021 CEZニンブルク(チェコ)
2022 P.A.O.K. BC(ギリシャ)
2022-23 ブユクチェクメジェ バスケットボール(トルコ)
2023-24 スカファーティ バスケット(イタリア)
2024 ジャルギリス・カウナス(リトアニア)
2024-26 パラカネストロ・ブレシア(イタリア)
リバース選手は1995年生まれ、米国サウスカロライナ州出身です。大学はマーサー大学。
D1の所属の大学ですが、D1といっても数多くのカンファレンス、大学があり、マーサー大学は、中堅のミッドメジャー、サザン・カンファレンスに所属。無名ではないが、この大学からNBAを経験した選手はサム・ミッチェル(1985年ドラフト)ら数名を輩出しているのみという規模感です。
実際、リバース自身も、2018年、ドラフトにはかからずプロキャリアをスタートしています。
リバースのキャリアは、G League(ほぼ出場なし)、エストニア、ハンガリー(2クラブ)と小規模なリーグ・クラブからスタート。
上位カテゴリーのクラブと、そうではないクラブを行き来しながら積み上げられてきました。
CEZニンブルク(チェコ、2021年)は、欧州で2番目のカテゴリーとされるユーロカップの常連クラブ。チェコ国内では2003年から2021年まで19年連続優勝という、一強状態の中でのリバースもプレーしていました。
PAOK(ギリシャ、2022年)は、1990年代前半に旧ユーロリーグ形式でファイナルフォー進出、欧州カップウィナーズカップ優勝という実績を持ちますが、リバース選手加入時点では、ユーロリーグやギリシャ国内タイトルからも遠ざかっています。
ジャルギリス(リトアニア、2024年)は、リバースの経歴の中では、最上位カテゴリーであるユーロリーグの常連クラブという点で、最も格の高い所属先です。
しかし、クラブの中心選手として活躍したということではなく、主力選手の負傷離脱という事情があり、シーズン終盤での緊急補強だったようです。
そんな状況の中でも一定のスタッツは残しています。
直近で所属したブレシア(イタリア、2024-26年)は、クラブとして通算4回ユーロカップに出場歴を持ちます。ただしリバース選手の在籍期間は、国内リーグへの専念だったよう。2024-25シーズンには、クラブ史上初めてのセリエA決勝進出という舞台に、主力として立っていました。
ここで、ハンナリーズの村上GMコメントの「3&D」という評価に戻ります。
ブレシアでの2シーズンを見ると、出場時間・得点・シュート成功率全体はやや落ちています。ただ3ポイント成功率は38%台を維持しており、求められる役割自体が大きく変わったわけではありません。
2024-25シーズン:30試合、平均26.0分、10.6得点、FG51.4%、3P43.8% 2025-26シーズン:28試合、平均24.0分、8.9得点、FG42.6%、3P38.3%
※スタッツ出典:Proballers
一方で、2025-26シーズンのプレーオフ(9試合、平均24.7分)ではFG55.7%・3P44.8%と、レギュラーシーズンより高い数字を残しています。
スタッツをみても3Pの確率が高く、自分の役割の中でクラブに貢献する。村上GMのいう「3&D」という言葉が、まさしくこの点に表れているのかもしれません。
一方で、ディフェンス面はスタッツからは追えない部分です。ハイライトもどうしても得点シーンが多いので、「複数ポジションを守る」という評価が実際どう機能するのかは、Bリーグのコートに立ってからの確認になります。
おわりに
リバースは、マーサー大学卒業後、上位カテゴリーと小規模クラブを行き来しながら、欧州を渡り歩いてきました。派手な一直線のキャリアではありません。
その道のりの先で評価されたのが、「3&D」でした。
京都のコートで、この評価はどんな形になるのでしょうか。
