ひとり社長が「売り切り」をやめて、ストック型に作り替えている理由
私はいま、売上の作り方を「売り切り型」から「ストック型」へ、時間をかけて作り替えています。
私はWeb集客自動化AI「ミセルAI」を開発・運営する、文系ひとり社長です。今日は個別のツールや業務の話ではなく、その土台にある売上の設計の話。起業からの3年で、私が引き直してきた設計図の話です。
起業1年目、売上は「ほぼ1社」で「ほぼ単発」だった
時を戻して、独立から法人化した頃の話です。
当時の売上は、特定のクライアント1社がほぼ全てでした。そして売上の中身は、納品して完結する単発型。ストックとして翌月に積み上がるものは、ほとんどありませんでした。
誤解のないように書くと、仕事は順調でした。成果を上げて、売上は伸びていた。問題は数字ではなく、設計にありました。
順調なのに、危機感だけが積み上がった
順調に伸びているのに、頭の中にはずっと危機感がありました。
何かの拍子にこの取り組みが終わったら? と考えると、売上のほぼ全てが同時に消えます。そしてもう1つ。自分の手を動かした分だけ売上になる労働集約型のままでは、どれだけ頑張っても企業としての限界がすぐに来るイメージが、はっきり見えてしまったのです。
このときに固まった結論が、いまの方針です。ストック型の売上を、早く、堅実に作っていく。 焦って一気にではなく、堅実に、です。
正直に言うと、単発の危機感は「合って」いた
ここで正直な話をします。
私は危機感がないと動けない、**生粋の「夏休みの宿題は最終日に駆け込むタイプ」**です。毎月ゼロから積み直す単発型の売上は、毎月・毎週・毎日「どうやって成果を上げるか」を考えて動くエネルギーになっていました。その意味で、単発型は私の性格に合ってはいたのです。
でも、私には家族がいます。自分の瞬発力に依存した売上設計は、自分が止まった瞬間に家族のリスクになる。 性格に合っているかどうかと、設計として正しいかどうかは、別の問題でした。

「売り切り」をやめて、何を変えたか
作り替えは、大きく3つです。
① 軸足を、月額の仕組みに移した。 自社で開発しているミセルAIは月額課金のサービスです。売って終わりではなく、使い続けてもらう限り積み上がる売上を、事業の中心に据えました。
② 単発の仕事も、継続の形に作り替える。 一度きりの納品で終わっていた仕事を、継続的に価値を提供する契約の形へ少しずつ移しています。単発は入口、継続が本体、という順番に変えました。
③ 時間の使い方を、ストックに寄せる。 ひとり社長の時間は有限です。だから「今月の売上になる仕事」と「積み上がる売上を育てる仕事」の配分そのものを、設計として管理するようにしました。
この作り替えは今も進行中ですが、着実に進んでいます。積み上がる売上の手応えは、単発の売上とはまったく別物です。
計画は、想定より早く書き換えることになった
面白かったのは、この作り替えの計画そのものも「軌道修正」になったことです。
以前の記事に書いた通り、私は目標管理をAIの相棒に任せています。作り替えを始めるとき、AIと壁打ちしながら現実的な目標と90日の行動計画を作りました。ところが——想定以上に実行にコミットできてしまい、計画の前提の方が先に古くなったのです。約1ヶ月で、計画は前倒しで書き換えることになりました。
昔の私なら「計画通りに進められなかった」と捉えたかもしれません。今は違います。計画は守るためのものではなく、現在地を測るためのもの。 毎日の数字と週次の見直しが仕組みになっていれば、計画は何度でも引き直せばいい。

軌道修正は、失敗じゃない
1社依存から複線化へ。単発からストックへ。精緻な計画から、走りながらの引き直しへ。
こう並べると失敗談に見えるかもしれませんが、私はこの3つを「設計ミス」だとは思っていません。全部、事業が前に進んだから必要になった軌道修正です。 最初から完璧な設計ができる人はいません。大事なのは、設計を一度きりにしないこと。数字を毎週見て、必要になったら引き直すことです。
ひとり社長やフリーランスの方に持ち帰ってほしいのは、この1点です。
売上の「額」だけでなく、「質」を設計する。 積み上がる売上の種は、順調なうちに、早く、堅実に蒔いておく。危機感はエネルギーになりますが、家族がいるなら、危機感に頼らない設計への作り替えを、順調な今のうちに始めるのがおすすめです。
次回は、AIに「相棒」をやらせている話の続編か、実装系の新ネタを予定しています。
過去の実装記事もあわせてどうぞ。
「採用はまだ早い、でも時間が足りない」と感じているひとり社長やフリーランスの方に、半歩先を歩く実装者として届けば嬉しいです。
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