Photo by
oagefox
「山の日」に想う―昔から受け継ぐ、山への感謝と祈り
8月11日は「山の日」。
2016年から新しい祝日としてスタートしました。
漢字の「八」が山の形に見えることや、
数字の「11」が立ち並ぶ木々のように見えること、
そしてお盆休みの時期に合わせやすいことなどから
この日が選ばれました。
ですが、私たちが山に寄せる思いの歴史は、
ずっと昔から続いています。
恵みと恐れから生まれた「山への祈り」
日本は国土の約7割が山や森林です。
昔の人々にとって、山は豊かな木材や木の実、
そして田畑を潤す大切な水をもたらしてくれる
「生命の源」でした。
その一方で、
ひとたび天候が荒れれば土砂崩れや噴火を引き起こす、
恐ろしい存在でもありました。
この「生かされている感謝」と
「一歩間違えれば命を落とす恐れ」の表裏一体の感覚が、
山を単なる地形ではなく
「神そのもの(御神体)」とみなす信仰の原点となったのです。

生活の中に息づく山岳信仰
昔の人々にとって、
人が暮らす「里」が生者の世界であるならば、
一歩足を踏み入れる「山」は
神々や霊魂が住まう「他界(異界)」でした。
特に稲作を中心としてきた日本では、
山から流れる水は命そのもの。
そのため、水の源に鎮座する神様を
「水分神(みくまりのかみ)」として祀り、
春には山から神様を里にお迎えして豊作を祈り(田の神)、
秋の収穫が終わると感謝を込めて山へ送るという季節の循環が、
各地で大切に育まれてきました。
「山の日」に思いを馳せて
「山の日」の趣旨は、
「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」こと。
この日を迎えるとき、
必ずしも高い山に登る必要はありません。
遠くに見える山並みを眺めたり、
近くの公園で木々の緑や風を感じたり、
日頃使っているお水に感謝してみるのも素敵な過ごし方ですね。
「人間は自然を支配するのではなく、自然の一部として生かされている」―昔から日本人が大切にしてきた
そんな温かな気持ちに、そっと立ち返る一日にしてみませんか。

いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いいたします!