SNS全盛の時代に届いた直筆の手紙
私は2024年12月、がんとの向き合い方に関する本を初出版しました。
がん患者となった妻との共著です。
ありがたいことに、出版した本の感想を直筆のお手紙でいただくことがあります。
私は無名の著者で、SNSもしておらず、メールアドレスも公開していません。
連絡を取りたいと思っても、連絡先がないのです。
それでも、本の感想を寄せてくださる方がいらっしゃいます。
どうやって、連絡をくださるかというと、皆さん同じ手段をとってこられます。
私の本の奥付に掲載されている著者プロフィールには、私の職場が記されています。そこから、住所と郵便番号を各自調べて、私の職場宛てに手紙を送ってこられるのです。
そのほとんどは、直筆のお手紙です。
本当によく読み込んでくださっていることが多く、細やかな感想が記されています。同じ本でも、人それぞれ刺さるポイントは違うのだなと、お手紙を拝読して、いつも深く感銘を受けています。
SNS全盛の時代で、LINEやDM、メールなどで簡単に連絡が取り合えます。
そのようななか、連絡先を調べて、手紙を書いて、切手を貼って、ポストに投函してと、郵便という連絡手段には時間・労力・お金がかかります。
一言でいえば、手間がかかる、面倒な工程です。
そこまでしてでも連絡を取りたいという熱い想いが手紙には込められており、受け取ったときに大いに心動かされます。
本の感想だけでなく、原稿の執筆依頼や講演会の依頼が、手紙で届いたこともあります。
さらに直筆のお手紙には、強烈なインパクトがあります。
字には心が表れるといいますが、本当にそうだと実感します。手紙に書かれている内容そのものに加えて、人のぬくもりや体温が感じられて、心情がより伝わるのです。
受け取った側の心は洗われます。
SNS時代で手紙を受け取ることも、昔に比べてすっかり減りました。
デジタルネイティブの世代の方には信じられないかもしれませんが、インターネットが出現する前は、恋人にラブレターを書く、友達とノートで交換日記をする、はたまた会ったことのない人と文通でやり取りするなど、直筆の文字で想いを伝える場面は結構あったのです。
SNS全盛の時代だからこそ、ここぞという場面ではあえて直筆の手紙を送ってみるというのも、粋な計らいではないかと思います。
実際の出版体験に基づいた話題を綴っています。
出版に興味がある方の参考になれば、幸いです。
マガジン“2刷のあと編”で、2刷重版後のエピソードをまとめています。
