【積立て額の決め方】 財布を分けるだけで資産が増えるようになる [第74回]
前回の第73回では、「お金は貯めるもの」という固定観念を捨て、小さく始めることで「お金が働いてくれる」という感覚を手に入れるプロセスについてお話ししました。
(この記事は、驚くほどの高評価を頂き、投稿4日目にしてこれまで投稿した80ほどの記事の中で6位のビュー数となり、そのうち36%もの読者の方がスキをつけて下さいました。本当にありがとうございます。)
今回は、投資を始める際に多くの人が悩む「毎月いくら積み立てるべきか」という問いと、自分に合った最適な金額を見極める具体策についてお話ししたいと思います。
1. 「月〇万円必要」に惑わされず、不安にならない最小額から始める
世間では「老後資金には〇千万円必要で、〇歳から始めるなら毎月〇万円の積立が必要だ」「投資のリスクを減らすためにオルカンかS&P500への分散投資が良い」といった情報が溢れています。
しかし、これから投資を始めるにあたり、最初からその必要額を積み立てられる人は多くありません。
特に、私のように50歳から投資を始めようと思うと、初めから大きな金額を積み立てなければならないような気にさせられ、不安が増します。
いきなり毎月数万円といった大きな金額を投資に回すと、日々の価格変動の大きさに強い恐怖やストレスを感じてしまいます。その結果、短期間で投資をやめてしまう大きな原因になり、長期投資において最も強力な武器である「複利の力」の恩恵に預かることができません。
だからこそ私は、100円でも良いので極力少額から積立を始めることをおすすめしています。
積立額を決める際の基準は、目標金額からの逆算ではなく「自分が値動きを見ても不安にならずにいられる最小額」からスタートすることです。
2. 自分に合った金額を決めるための「家計の可視化」
では、自分にとって不安にならない適切な金額は、どのように決めれば良いのでしょうか。
そのために不可欠となるのが、家計の全体像を明確にする「見える化」であり、その手段として一番効果的なのが「複数の銀行口座の活用」です。
以前の私自身も、住宅ローンや管理費の引き落とし口座がたまたま別々の銀行にあったため、複数の口座を使ってはいました。しかし当時は、そこに明確な理由はありませんでした。
でも、家計の見直しと同時に資産管理をしやすくするため口座の整理を行い、それぞれの口座に明確な役割を与えるようしたところ、お金の管理がとてもしやすくなりました。
現在では、証券口座のほかに以下の口座に分けて管理しています。
給料受け取り・生活費用口座
住宅ローン用口座(住宅ローンの引き落とし専用)
管理費用口座(マンション管理費専用)
教育費管理用口座(子どもの学費専用)
貯蓄・投資用現金・カード引き落とし用口座(生活防衛資金と投資待ち現金の確保)
このように口座ごとの機能を明確に分けたことで、毎月必ず支払わなければならない生活費、住宅ローン、管理費、教育費、サブスク、携帯電話、そして積立投資の金額がすべて一目で把握できるようになりました。
最近は現金を使用する機会は減りましたが、現金を使うときは、給与受け取り口座から引き落として使っています。
3. お金には、「使って良いお金」と「使ってはいけないお金」がある
口座ごとに機能を持たせるこの方法の最大のメリットは、「自由に使って良いお金」が完全に可視化されることにあります。
銀行口座が一つだけの場合、住宅ローンや教育費といった「使ってはいけないお金」と、日常で「自由に使って良いお金」が同じ場所に混ざってしまいます。これでは、手元に本当はいくら使っても良い資金があるのかが見えてきません。
そのため、手元にお金があると錯覚し、いつの間にか「使ってはいけないお金」まで使ってしまうため、家計を圧迫します。
以前の私も含め、この両者の区別がつかない事が、お金が貯まらない理由の1つです。
しかし、口座ごとに機能を分け、毎月必要な金額をあらかじめ機械的に振り分けておけば、手元には「100%自由に、罪悪感なく使って良いお金」だけが残ります。
これは、「財布を分けて使って良いお金にラベルをつける」ということです。
この可視化された「使って良いお金」の中から、生活に全く支障をきたさない最小額(1000円〜)を積立投資に回す計画を立てます。
自由に使えるお金が十分にある場合:不安を感じない範囲で、少しずつ積立額を調整していく。
自由に使えるお金が不足している場合:無理に投資をするのではなく、まず固定費や無駄な支出を削減して「使って良いお金」を増やしてから(これを家計を最適化する、と言います)積立を検討する。
これにより、「使って良いお金」を有効に使えるようになるとお金は減らなくなり、そして次第に資産が増えるようになります。
逆に、「可視化と確認」という順序を抜かして、世間の情報通りにいきなり無理な金額を投資してしまうと、手元の現金が不足して日々の生活が困窮します。これが今話題になっている「NISA貧乏」です。
最後に
資産形成において重要なのは、世間の「毎月〇万円積むべき」という情報に振り回されることでも、最初から大きなリスクを取ることでもありません。
口座に明確な機能を持たせて「使って良いお金」を可視化し、自分が不安にならない最小額からスタートして、複利の力を味方につけることです。
手元の銀行口座の役割を整理し、自分にとって安心できる小さなステップから、確実で豊かな将来への準備を進めていきましょう。
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