MOBのマキシマム・ゲーム・ファン(MGF)
ご存じの通り、「マキシマム・ゲーム・ファン」(Maximum Game Fun、ゲームの楽しさを最大化する、MGF)の原則はシンプルです。要するに、グローランサについて書いたり考えを巡らせたたり、ゲームを楽しんだりするときに、「さて、この状況でどうしたら一番楽しいだろう?」と自問し……そして、その答えに従うことです。これは、どんなルールを使っていようが関係ありません。「MoonQuest」、「GoonQuest」、「BODGERS」、「Pendragon Pass」(訳注:いずれも1990年代にファンが作成したバリアントルール)、あるいは「ルーンクエスト」そのものにおいてさえ使うことができるのです。お試しや気晴らしとして、このMGFルールシステム™を使ってみてはいかがでしょうか?
このMGFルールシステムを1ページにおさめる縛りを自分に課してみたのですが──ごらんの通りの有様です(訳注:原文は3ページ)。とはいえ、私がこの本(訳注:翻訳元の記事の載っているファンジン、Questlines II)の編集者を兼ねているので、問題はありませんが。ただ、ルールシステムについては、最初から正直に言ってしまいましょう。「ルールシステムなんてものは、ありません」──そうなのです。MGFのルールは、その本質において、ゲームの実際のシステムよりもむしろ「キャラクター作成」に重点を置いています。ですから、ノーウィッチ卿が三巻本の大著のなかで、ビザンツ経済についてはほとんど数文で片づけたように、私もこのゲームの実際の遊び方を、たった一段落だけで説明することにしましょう……
ルール
厳格なルールはありません。GMの裁量によって、物事は思惑どおりになり、呪文は成功し、武器は命中するでしょう。どんな状況でも、「マキシマム・ゲーム・ファン」の可能性がもっとも高いと思われるようにしなさい。プロットをあらゆる方向へ展開させる覚悟を持ち、次の「ピーターセン・プリンシプル」(サンディ・ピーターセンがメーリングリスト Glorantha Digest で提唱したもの)を心にとどめておくこと。
ピーターセン・プリンシプル
プレイヤーキャラクター一行は、あなたが予想もしなかったことを思いつくでしょう。そして、あなたが準備していたものとは全く違う説明や計画が必要になるでしょう。でも、それでいいではないですか(So what ?!)。
ランダム性を取り入れたいのであれば、ダイスを使ってもいいでしょう。私はランダマイザとしてビール瓶の王冠(蓋)を使ったことがあります。もちろん、セッションが進み、ビールが消費されるにつれて、使える王冠が増え、ゲームの劇的なクライマックスに向けてその種類も増えていくのです!これはいいな。近日発売予定の「アドバンスト・マキシマム・ゲーム・ファン・システム™」では、少なくとも2種類のビールのブランドを用意することで、ランダマイザの効果が高められることにしましょう。各ブランドに別の数値を割り当てることで、さらに効果抜群に。ルーンクエストのコンベンションの慣例にしたがい、ライトビールはフルストロングよりも低い数値にすることにします。
補足:
「マキシマム・ゲーム・ファン(MGF)」という用語は、もともと Glorantha Digest の導師(グル)のひとり、ローレン・ミラー氏によって考案されたものだったと記憶しています。
わたしがMGFスタイルのプレイを初めて本格的に体験したのは、1990年にメルボルンで開催された「Arcanacon」というコンベンションで、不死のバブーンが大活躍するシナリオ「七母神も困った子をお持ちで」(Seven Mothers do 'ave 'em)のマスターをしたときのことでした。プレイ開始から3時間が経過しても、シナリオはまだ最初の一段落目が終わっていませんでした。でも誰もそれに気づいていないし、気にもかけていませんでした。
このルール自体は、1994年にボルチモアで開催された第一回目の「RuneQuest Con」で披露された、マイク・ドーソン氏の「Embarrassment of Riches」の「キャラクター・スケッチ」というアイデアから生まれたものです。
ごめんごめん、説明が三段落になってしまいました。アルコール過剰摂取を積極的に推奨するルールに時間を費やす価値は、……たぶんあると思います。まあいずれにせよ、次に進みましょう。
キャラクター作成
MGF システムの語りを中心にした進行は、単発のコンベンション用シナリオと非常に相性がよく、キャラクター作成もそれに合わせた形になっています。通常のコンベンションでは、性格、背景、目的があらかじめ設定された作成済みキャラクターがプレイヤーに渡されることが多いでしょう。しかし MGF では、ゲーム開始前にプレイヤー自身がキャラクターを作成します。
キャラクター作成は驚くほど簡単です。ダイスは不要。喉が渇いていなければビール瓶の王冠も必要ありません。
理想的には、MGFのキャラクター作成では、まずキャラクターの共通の背景を決めるところから始めます。私が初めて主催したMGFスタイルの単発シナリオ「Mike Dawson's Embarrassment of Riches」では、キャラクターはジョナーテラ王国に住む小作農たちでした。スタンリー・キューブリックへのオマージュである「ルーンメタル・ジャケット」のシナリオでは、全員が新兵訓練所を卒業したばかりのルナー新兵でした。そして、私の新しい単発シナリオ「The Getting of Wisdom」では、入信試験に向けて猛勉強中の、やる気満々のランカー・マイの徒弟たちを演じるチャンスが得られれる予定です。
小作農である「Embarrassment of Riches」のキャラクターたちは皆、基本的な「小作農であること」は知っています。「ルーンメタル・ジャケット」では、キャラクターたちは初歩的なホプライト兵の訓練を受けており、簡単な行進や基本命令、鎧や装備の手入れ方法などを知っているはずです。「The Getting of Wisdom」では、徒弟として、すべてのキャラクターたちはある程度読み書きができ、羽ペンを削ったり、インクや羊皮紙を準備したり、ろうそくを削ったり、師匠の用事をこなしたりできると想定されます。
プレイヤーにとっての面白さは、自分のキャラクターがこうした典型的な人物像とどこが違うのかを決める点にあります。
これは簡単な質問に答えることで決めることができます。例として、「The Getting of Wisdaom」では、以下のような質問になるでしょう。あなたも書いてみてください。
あなたのキャラクターが平均より優れていること(5つ)
(例)
速読
試験に秀でている(カンニング)
美しいカリグラフィーで字を書ける
大司祭さえ恥じ入らせるほど立派でふさふさした髭を生やしている
寺院の腕相撲チャンピオンである
あなたのキャラクターが平均より劣っていること(5つ)
(例)
時間通りに起きられない
指示に従うのが苦手
嘘が下手
字が汚い
読み書き障害である
誰もが知っているあなたの5つの特徴
(例)
大司祭に「個人指導」と称して研究室に呼び出されている
インクを舐めるのが好き
極度のなまけもの
入信試験に6回も落第している
衛生状態が最悪
誰も知らないあなたの5つの秘密
(例)
ベッドの下にサナターの首を隠している
私の混沌の諸相「死ぬと爆発する」
実はイリピー・オントールのカルトに所属している
髭は付け髭である
妊娠している
自分では真実だと信じている3つのこと
(例)
俺はモテる
大地は丸い
若い女性たちは、ムース・スンチェンに関する私の理論にメロメロである
髭がセクシーだ
試験に合格するのに勉強する必要はない
お気に入りの持ち物
(例)
サナターの首
フィカス・ラブチャイルド著『ユーレリアの変異』図解論考 第7巻
試験問題の写し
特殊な呪文
(例)
《高級羊皮紙の検知》
《霊話》(訳注:RQGでは存在しない)
《巻物呑みこみ》
経験上、キャラクター作成はシナリオをプレイするのと同じぐらい楽しいものです。特に、テーブルを回って、各プレイヤーに自分の自己紹介をしてもらうときはとても楽しい。さらに、ゲームの最後に全員が自分の秘密を明かすときは、さらに楽しい!次ページに、MGFシステム用のブランク・キャラクターシートをご用意しました。
楽しんでください!
