地図解題 ドラゴン・パス
※当記事の地名については、『ルーンクエスト:ロールプレイング・イン・グローランサ』の99~135ページ、または下記の地図で詳細が記載されている。
ドラゴン・パスの国々 Dragon Pass
ジェナーテラ大陸のちょうど中央に位置するドラゴン・パスは、古くから文明の十字路としてさまざまな大変動に見舞われてきました。このうちもっとも最近のものが第2期終わりにこの地方の人類を滅ぼした「ドラゴンキル戦争」でした。第3期に入ると、再びいくつかの人類国家がドラゴン・パスに成立しましたが、現在に至るまで絶え間なくそれらの勢力はせめぎあっています。
ドラゴン・パスの英雄戦争は、ターシュ王国をはじめとする北の諸国を率いて世界制覇をもくろむルナー帝国と、雌伏して反乱の機をうかがうサーター王国のオーランス蛮族たちとの間で勃発することになるでしょう。
サーター王国 The Kingdom of Sartar
1492年、南方よりやってきた賢者サーターがクイヴィン山脈の麓に暮らしていたヒョルト人の諸部族を統合して成立した王国。七代百十年にわたって続きましたが、1602年、ルナー帝国の大侵攻によって首都ボールドホームが陥落、王家は全滅しました。現在はルナー当局がたてた僣王テマーティンのもとで形ばかりの王国が残っているにすぎません。諸部族は王国成立以前のように相争いはじめており、サーター王がうち立てた平和共存の理想は崩れ去っています。
ルナー帝国 The Lunar Empire
1247年、北方のペローリアに成立した赤い月を崇める帝国。赤い月の女神セデーニアを最高神として信仰し、その息子である不死の赤の皇帝が絶対的な君主として帝国を統治しています。その成立以来、組織だった軍隊と強力な魔術によって周辺諸国を次々と屈服させてきています。1490年にはドラゴン・パスの強国ターシュが帝国の支配下に入り、次いで1602年にはサーター王国が滅ぼされました。その後も怒濤の南進を続け、ついに海岸線にまで到達しています。
グレイズランド Grazeland
大昔に北の大平原ペントから安住の地を求めて移動してきた騎馬遊牧民の末裔が暮らす国。ペントからプラックスへ、そして騎獣遊牧民に追われて第三期のはじめごろに当時まだ無人だったドラゴン・パスに入った彼らは、獣の谷の獣人の王“鉄の蹄”と盟約を結んで定住を許されました。以来、グレイズランド人はドラゴン・パス中部の草原で馬だけを飼いながら暮らしています。「羽馬の女王」と「輝く雄馬の王」と呼ばれる二人の男女によって共同統治されるという伝統を持っています。

黒馬領 Black Horse County
西方で名高かった傭兵団の長エシルリスト卿が部下とともに地界を通って東にやってきた後、ルナー帝国の赤の皇帝からペント遊牧民に対する軍功の褒美として授けられた土地。しかし当時ドラゴン・パスは帝国の支配下になかったため、エシルリスト卿と配下の黒騎士団は自力で領土を切り取らねばなりませんでした。現在はミューズ・ルーストを中心に隠然たる勢力を張っています。
獣の谷 Beast Valley
ドラゴン・パスの中南部にある広い谷間の国。ここには半獣半人の種族が数多く暮らしており、不死の半神である“鉄の蹄”というセントールの指導者に統率されています。彼らは「ドラゴンキル」によって人類が全滅したときもここに住み続けてきた地域最古の住人たちです。基本的には中立で不干渉の立場を貫いていますが、獣人が迫害されたりすると襲撃行を起こします。
ターシュ王国 The Kingdom of Tarsh
ドラゴン・パス北西部を支配する蛮族の強国。ヒョルト人とは別に北方からドラゴン・パスに入植してきたオーランス人(アラコリング人)によって1300年ごろに建国されました。その後、一貫してドラゴン・パスやペローリア南部に強い存在感を与え続けましたが、内戦をきっかけに国内が混乱し、それに乗じたルナー帝国によって1490年に帝国の支配下に屈しました。現在は帝国の最前線としてドラゴン・パスおよび南方への侵略に参加しています。もともとは蛮族国家であったターシュですが、その文物はルナーの影響で近年たいへん洗練されてきています。
陽の天蓋領 The Sun County
今から五十年ほど前のサーター王であった“トロウル殺し”ターカロール王は、プラックス平原に興り、ドラゴン・パスにも流入してきていた光の神イェルマリオのカルトと盟約を結びました。彼らは獣の谷の東隣にある平野を領地として与えられ、そこにきらびやかな黄金のドームを持った寺院を建設して宗教国家「陽の天蓋領」またの名を「太陽領」をうち立てました。ここはイェルマリオ教団によって統治されており、黄金の鎧をまとった陽の天蓋の聖堂戦士団によって守られています。聖堂戦士団は傭兵として他国にやとわれることもよくあります。サーター崩壊後は中立勢力として活動しています。
ケタエラ(聖王国)の国々 Kethaela(Holy Country)
ケタエラはドラゴン・パスの南方にある湾岸一帯を指します。ここには昔からいくつかの異なる文化圏が発生しておたがいにしのぎを削ってきましたが、1313年、右腕諸島の島にひとりの謎めいた男が漂着したことでケタエラの情勢は大きく変わりました。
いまだ「大閉鎖」されていた海洋をどのようにしてか渡って到来したこの人物はベリンターという名前であり、上陸するや強力な魔術を用いてケタエラの統一に打って出たのです。五年間の闘争の末、彼は影の高原の主である半神“一なる老翁”エズカンケッコを倒し、ケタエラ全土を支配する「ファラオ」となり、ケタエラを「聖王国」と改名しました。コラリンソール湾に浮かぶ島に「驚異の都」と呼ばれる神秘的な都市を築いたファラオは、その後、現在の肉体が死ぬたびに強大な儀式を行って別の肉体に移ることで何百年もの生命を確保していきました。しかし、1616年、ルナー帝国の英雄ジャ・イールがこの儀式の最中に「驚異の都」を襲撃し、ファラオの肉体は失われてしまいました。不死の指導者を失った「聖王国」は再び元の分裂状態に戻り、不安定な状況が続いています。
エスロリア Esrolia
コラリンソール湾の北西岸に広がるケタエラ随一の大国。豊富な穀倉地帯であることもさることながら、グローランサでも一、二を争う人口密集地でもあります。ここは女性上位の社会が営まれており、社会の指導層はすべて女性で構成されています。大地の女神たちが尊ばれており、男性や男性の神々はあまり重視されていません。また、この国は激しい政争の舞台でもあります。さまざまな主義や理念を標榜した閥族がたがいに主導権をめぐって相争っているのです。そしてルナー帝国の侵攻はこの争いにさらなる拍車をかける結果になっています。

影の高原 The Shadow Plateau
コラリンソール湾の北岸に横たわる広大で荒涼とした平たい高原。暗黒の宮殿「黒硝子の城」を擁する神代以来のトロウルの一大王国です。ケタエラに異邦人ベリンター(後のファラオ)がやってくるまでは暗黒の神アーガン・アーガーの息子である“一なる老翁”エズカンケッコという半神がここからケタエラ全体に支配力をおよぼしていました。ファラオがルナー帝国によって殺された今、トロウルたちは再び独自の活動を再開しています。
カラドラランド Caladraland
コラリンソール湾の南西岸内陸部に広がる活火山地帯。最高峰であるヴェント火山の噴煙ははるか彼方の洋上からも見ることができます。肥沃な火山性土壌と恵み深い大地の神々の恩恵を受けているカラドラランドにはかなりの人口が集中していますが、エスロリアと違ってここの民は都市化されておらず、火山の麓で田園生活を送っています。
ヒョルトランド Heortland
コラリンソール湾の東岸、嵐の山脈の麓に広がる台地上の高原と平野部。オーランスを信仰する蛮族が住んでおり、豊かな農業地帯をなしています。もっとも中心的な蛮族であるヘンドレイキ族は西方からやってきた一神教徒たちに征服されたため、社会上層部は西方的な封建社会となっています。もっとも、ごく少数の貴族をのぞいたしもじもの民人のほとんどは、昔ながらの畑作・放牧生活を営んでいます。ドラゴン・パスに住むヒョルト人たちは、ファラオの到来以前にはこのヒョルトランドに住んでいましたが、今ではこの地域とのつながりは切れています。
忘神群島 The God Forgot
古い呼び名では「左腕諸島」とも。第2期には神知者たちが住んでいたといわれる群島。神知者の帝国が崩壊して久しい現在では、悪名高い賭博都市カジノタウン以外には見るべきところもありません。
右腕諸島 The Rightarm Islands
干潮時にはひとつの沼地状の半島になる大規模な群島。畑作や漁業を営む数千人の民が暮らしています。ファラオとなった異邦人ベリンターが漂着したのはこの島々のひとつでした。
その他の国々
バラザール Balazar
公式設定では空白地帯として何も決められていません。ただ、「ルーンクエスト」のキャンペーン設定集「グリフィン・アイランド」の旧版にあたる「Griffin Mountain」はバラザールを舞台としていました。
プラックス平原 Prax
ジェナーテラ大陸の中央に広がる大荒野地方の西端にあたる乾燥した大平原。ここにはバイソンなどさまざまな動物に乗って暮らす遊牧民たちが住みついています。彼らは西に隣接するドラゴン・パスに時折襲撃をかけてくることで恐れられています。また、プラックスの東端を南北に流れる平原唯一の河川「ゆりかご川」沿いには肥沃な農業地帯が横たわっています。その北部にはかつて巨人によってつくられたパヴィス市の巨大な廃墟「大廃都」が横たわり、それに寄生するようにしてサーターの王族が建てた「新パヴィス」の町があります。
主要な地勢
アーストラの森
いにしえの時代から生き残ったエルフの「六大森林」のひとつで、落葉樹が多くを占めています。摩天峰に沿って西に広がるこの広大な森では、エルフが時折目撃されています。
アップランド湿原 The Upland Marsh
1383年、突如として出現した広大な湿地帯。中にはゾンビをはじめアンデッドがうろついており、周囲の住人にとってたいへんな脅威となっています。これはワームの友邦帝国の生き残りである死霊術師ディレクティがつくったといわれており、リスメルダー族やダックの戦士たちは今も湿原の中で生きている彼を討伐することを大目標としています。
嵐の山脈 The Stormwalk Mountains
“嵐歩む山脈”とも。サーター地方から果てはヒョルトランドの南端まで南北に向かって走る巨大で天をつくほど高い連峰。マニリア地方とプラックスの砂漠をへだてています。中腹より上は森林に覆われており、最高峰の「嵐ヶ峰」は嵐の神々の聖地として崇められています。
忌わしの森 The Stinking Forest
東岩の森山脈沿いに広がる鬱蒼とした不気味な森。ここには凶暴なタスク・ライダーが何百年にもわたって生息して付近の住民をおびやかしています。
オスリラ川(オスリル川) The Oslira(The Oslir)
摩天峰から北に向かって滔々と流れる大河。その流れはドラゴン・パス北西部のターシュ地方からペローリア中部を縦断してケニリア海に注いでいます。その河畔には肥沃な土壌が広がり、豊かな文明を古来育ててきました。その代表格がペローリアを神代より支配してきたダラ・ハッパ帝国であり、この古代帝国の後継者であるルナー帝国もまたオスリルの恩恵にあずかっています。
オルムズゴーン渓谷 The Ormsgone Vale
ここには森に覆われたひとつの巨大な丘陵があります。しかしこれは実は丘ではありません。その正体はドラゴン・パスに住む真のドラゴンの一頭であるレッド・ドラゴンなのです。この伝説上の生き物は「ドラゴンキル」のときに一度だけ目覚めたといわれていますが、今ではただの山塊にしか見えません。
金馬渓谷 Golden Horse Valley
オスリル川上流の河谷。グレイズランドの中部にあたります。この周辺ではグレイズランド人が誇る名馬「金目馬」が飼われています。
ケロ・フィン山(冬の峰) Mt.Kero Fin(The Wintertop)
ドラゴン・パスでもっとも高く、おそらくは世界で一番高い山。嵐の神オーランスの母神であるこの一万二千メートルにもおよぶ途方もない高峰は、上層部では神々の世界に入るとまで言われています。事実、ドラゴン・パスに住むヒョルト人たちは宗教祭儀のときにケロ・フィン山から嵐の神々の領域に飛翔するのだと信じています。

コラリンソール湾(鏡の海) Choralinthor Bay(The Mirror Sea)
ケタエラ地方はこの大きな多島海を取り囲むようにして広がっています。水深は比較的浅く、その静謐な美しい水面から「鏡の海」とも呼ばれてきました。この湾の女神コラリンソールは穏やかな性格で、この海で生計をたてる漁師たちから篤い信仰を集めています。
ザ・クリーク The Creek
ドラゴン・パス東部から西に流れ、ザ・リバーに合流する河川。エンギジとともに天から降り下った水の神です。
ザ・ストリーム The Stream
ドラゴン・パス南東部から北西に流れ、ザ・リバーに合流する河川。エンギジとともに天から降り下った水の神です。
ザ・リバー(エンギジ川) The River(The Engizi)
ドラゴン・パスの北東端にある不思議な「落天湖」(天の穴から常時滝が降り注いでできた湖)を水源とし、ドラゴン・パスを北東から南へ貫通して流れる巨大な河川。もともとエンギジ神は神代に天空へ攻め上った水の神でしたが、戦いに敗れて地上に叩き落とされました。
スネークパイプ・ホロウ The Snakepipe Hollow
“スネークパイプ盆地”、サーター語では“ギニジ”とも。神代以来の混沌の巣窟であり、封じ込められた混沌の化け物が無数の洞窟の中で今もうごめいています。ドラゴン・パスで最大級に危険な場所であり、周辺に住むファーポイントの部族は注意をおこたることはありません。
毒の岸辺 The Poison Coast
火山灰と絶え間ない湧出によって毒性に汚染された海域。今も海底からは地鳴りの轟きが聞こえます。
東岩の森山脈 The Eastern Rockwood Mountains
ジェナーテラ大陸の中部を南北に分断している通行不能な険しい山脈「岩の森」の東半分。岩の森山脈はドラゴン・パスで唯一南北に通ることができます。このことがドラゴン・パスを太古の昔から文明の混交する特別な土地としてきました。
ヒドラ山脈 The Hydra Mountains
恐るべき混沌の多頭竜ヒドラが多数生息している禁断の地。この山地に隣接する地域に暮らすターシュの部族はその勇猛さで名声を博しています。
摩天峰 The Skyreach Peaks
西岩の森山脈とミスラリ山脈の結節点にあたる連峰で、その名前のとおり天をも衝くような高い山々が連なっています。
落天湖 The Skyfall Lake
ザ・リバーの水源にあたる山奥の湖。ここはほとんど絶え間なく雷雨が降り続き、滝のように湖に向かって水流が落ちています。伝説によると、この上空には天に穴があいており、そこから天空の川が流れ落ちているのだといわれています。周りにはトロウルの集落が散在しており、彼らは時々、湖の底からめずらしい品を拾い上げようと冒険を試みます。
ライクソス川 The Lysos
クリーク川およびストリーム川と合流したザ・リバーは、「クリーク・ストリーム川」と呼び名を変えてアップランド湿原から流れ出します。この大河は影の高原の北でさらに名前をライクソス川に変え、エスロリアへと流れ込みます。この大河の終端となる河口にはエスロリアの誇る国際都市ノチェットが横たわっています。
主要な都市
アルダチュール Alda-Chur
ファーポイント地方の中心となる都市。ヴァンタロス族の“鉄拳”ハーヴァーが“アルダチュール公”を名乗って、ルナー帝国の支援のもとで、ここから周辺の諸部族を支配しています。ルナー軍も相当数進駐しており、何かと政情不安な中南部の要となっています。
ウィルムズカーク Wilmskirk(Wilms-Church)
“ウィルムズの寺院”の意。“ウィルムズチャーチ”とも。1476年、サーター地方で一番最初につくられた都市。これ以前にはヒョルト人たちは都市というもの自体を知りませんでした。建設を主導したのは賢者サーターとその親友であったウィルムズという男でした。ウィルムズは今もサーター地方の職人や工芸家たちに信奉されています。
カーシー Karse
サーター地方に向かう交易品の最大の陸揚げ港。1619年にプラックスから海路やってきたルナー軍の奇襲を受けて帝国の占領下に入りました。
驚異の都 The City of Wonder
ファラオが治めていた「聖王国」のかつての首都。魔法によって建てられた神秘的な都市でしたが、ファラオが帝国の英雄ジャ・イールに殺されて以来、求心力を失ってさびれる一方です。
ジャンスホルム Jansholm
急流の中州に建てられた北部ヒョルトランドの中核都市。ドワーフ製の石橋が二本かかっています。
ジョンスタウン Jonstown
1480年、クイヴィン山脈の北麓に住む諸部族がテルモリ族の襲撃に悩まれていたとき、賢者サーターはテルモリ族との和平を実現し、彼らの長である“鎖帷子の”ジョンという男の信頼を得ました。こうして建設されたのがジョンスタウン市です。ここにはドラゴン・パス最大級の「知識の寺院」があり、ジョンスタウン文書と呼ばれる膨大な書庫で知られています。

ジョースチ Jorsh
南部エスロリアの首都でしたが、ファラオの到来のおりに国境沿いの都市となりました。
水晶の新都 New Crystal City
第一期末にドワーフの助力を得て建てられた都市。塔の群に輝く無数の宝石で名高い。
スウェンズタウン Swenstown
1486年、バルコス族の戦士“跳ね足の”スウェンが、プラックスの遊牧民に悩まされていた諸部族をまとめるために賢者サーターに願い出て建設した都市。プラックスに向かう交易の始点でもあり、現在では帝国に刃向かう者たちが逃げ込む場所としても知られています。
ダックポイント Duckpoint
“ダックの拠点”の意。アップランド湿原と獣の谷との間に位置するクリーク・ストリーム川沿いの都市。東にダック族が住むダック谷をひかえ、この奇妙な獣人たちが多く住んでいたためにこの名前があります。スターブロウの反乱以降、ダックは反乱の首謀者として帝国に追われる身となったため、現在の住民はほとんどが人間です。また、北のアップランド湿原からやってくるアンデッドを討伐するために死の神フマクトの戦士が多数常駐していることでも知られています。
ディーパー Deeper
コラリンソール湾に住む魚人ルードック族の首都。トロウル海峡の海底に横たわっています。このため、コラリンソール湾に入ろうとする船はかならずルードックたちの目にとまります。もしそれが嫌なら乱流だらけの右腕諸島を伝う危険な航路をとらなければなりません。
デュレンガルド Durengard
ヒョルトランドの王である西方人が居を構える河畔の大都市。ヒョルトランドで最大の規模を誇り、マルキオン教の大司教座も置かれています。
ドゥーチャンプ DuChamp
ヒョルトランドの南部諸地方と中部地方との交易を支配する川沿いの都市。
ドルソシン Dolsosin
ターシュ王国と北のホーレイ女王国の国境に位置するオスリル川沿いの都市。
ノチェット Nochet
エスロリア最大の国際都市であり、グローランサ全体でも有数の規模を誇ります。人口は実に十万人に達し、最大級の海港を備えています。交易の中心地というだけでなく、近年混乱が続くエスロリアの政治はノチェットを中心として動いており、さまざまな派閥が暗闘を繰り返しています。

ファーゼスト Furthest
“最果て”の意。ターシュ王国の首都。ワームの友邦帝国の廃墟の上に建てられたルナー様式の都市で、帝国支配下のターシュ王国を象徴するようにすべてがルナー風に完璧な設計を期してつくられています。巨大な壁に囲まれた正方形の市内は格子状の街路で正確に区切られ、噴水を備えた広場や市場が設けられています。ルナー帝国の都市によく見られることですが、官庁よりも寺院の建物のほうが多い傾向にあります。
フィリチェット Fillichet
ターシュ王国の北に隣接するホーレイ女王国の首都。この王国は代々女王が支配していることで知られています。
ボールドホーム Boldhome
“剛胆の館”の意。旧サーター王国の首都。1492年に賢者サーターが偉大な奇跡を起こして一夜のうちに建設した都で、クイヴィン山の峰に連なるようにして広がる難攻不落の要所です。市内の各地区は人間だけでなくトロウルなどの異種族にも割り当てられていました。現在はルナー帝国によって占領されており、親ルナー派の僣王テマーティンがかつてのサーター王の宮殿に居座っています。
ホワイトウォール Whitewall
“白き壁”の意。その名のとおり白亜の城壁で囲まれた要塞都市です。ヴォルサクサール地方の中心であり、ヴォルサクサールの上級王であるブライアン王がここに立てこもってルナー帝国に抵抗を続けています。オーランス人最後の砦としてルナー帝国はここの攻略に血眼になっています。スターブロウの反乱の首謀者であるカリル女王もここに亡命しているといわれています。
ミューズ・ルースト Muse Roost
“詩神の宿”の意。黒馬領の首都である難攻不落の要塞都市。おそるべき半神である“黒騎士”エシルリスト卿の宮殿があり、英雄アーカットとマルキオンの神にささげられた寺院が巨大にそびえています。
リフュージ Refuge
“避難地”の意。忘神群島の一角にある都市で、西方の冷酷な不死の民ブリソス人の植民地のひとつです。現在もブリソス人の古く厳格な階級制度を維持し、極端な拝外主義でよそ者を遠ざけながらほそぼそと存続しています。
その他の町や集落
アップルレーン Applelane
“林檎の小路”の意。ジョンスタウンからルーンゲート砦に至る渓谷沿いにある村落。そんなに大きくない集落なのですが■印になっているのは、おそらくここが「ルーンクエスト」でもっとも有名なシナリオ集「アップル・レーン」の舞台になったからでしょう。ここの質屋の主グリングルは実はサーター地方のイサリーズの大司祭であり、スターブロウの反乱の最高幹部だった人物です。
アローン Alone
“孤立”の意。もともとは1583年に、ルナーの手に完全に落ちたターシュからの亡命民を受け入れるためにサーターのテラサリン王によって作られた都市でした。しかし、東にトロウルの王国ダゴーリ・インカースや巨人の住む花の谷などをひかえているため、危険が絶えません。ルナー帝国によって陥落してからも、ルナーの守備隊が常時駐留して警戒にあたっています。
カジノタウン Casinotown
忘神群島の一角にある都市で、賭博をなりわいとする堅固な要塞都市です。ここではありとあらゆる賭博が行えることで知られています。
クリフホーム Cliffhome
落天湖にほど近い峻険な尾根「黒竜山渓」(ブラック・オルム山)の頂にある優雅な尖塔の群のこと。ここの塔と地下洞窟には暗黒の半神であり偉大なるトロウルである“焔の魔女”クラグスパイダーが住んでいます。彼女は有名な英雄戦争の予言を告げた魔女として知られています(「ヒーローウォーズ」裏表紙の予言)。
聖地
野の寺院 Wild Temple
獣の谷にある獣人たちの聖地。粗野な立石群にしかすぎませんが、獣人たちは毎年一回、ここに集まって血なまぐさい祭儀を行って踊り明かすことで知られています。このとき、獣の谷の支配者である半神“鉄の蹄”として一年を支配したセントールは殺され、翌年の“鉄の蹄”が選ばれます。
象牙の基礎 Ivory Base
タスク・ライダーの根拠地であり、忌わしの森の奥深くにある寺院です。ここには「血塗られた牙」という謎めいた神がまつられており、タスク・ライダーはここで犠牲者をいたぶって殺すおそろしい祭儀を行います。
旅人の碑 Travelling Stone
忌わしの森の西端にたたずむ不思議な石碑。ここには“移動”のルーンが彫られており、適切な儀式を行えば執行者を何千マイルの彼方へと飛ばすことができるといわれています。
昇月の寺院 Reaching Moon Temple
内部に赤い月のかけらである「月の石」を安置し、ルナー帝国の国境を守る強力な魔法の壁「グローライン」を発生させる寺院。赤の皇帝の娘にして遊牧民の宿敵である恐るべき六本腕の女神ヤーラ・アラーニスが祀られています。ヤーラ・アラーニスは昇月の女神であり、“馬喰らい”とも呼ばれます。昇月の寺院は、ドラゴン・パス付近ではファーゼストの南東とフィリチェットの北東に置かれています。昇月の寺院はルナー支配の象徴ともいえる建物です。
その他
王の道 The King's Road
建国王サーターが都市をつなぐために建設した石畳の美しい街道。ウィルムズカーク南のロードエンドの町からボールドホーム、ジョンスタウンと連絡し、デンジャーフォードで終わります。
グローライン Glowline
昇月の寺院から半径約90キロの円形に発生し、ルナー帝国を外からの侵略から魔法的に守るバリアー。昇月の女神ヤーラ・アラーニスがつむぐ「真紅の網」とも呼ばれています。帝国を害そうとする大規模な魔術はこの障壁にはばまれてしまいますし、領内への侵略にはいち早く魔法的な警報が発せられます。また、グローラインの中ではルナー・カルトの入信者の魔術は赤い月の周期に一切影響されません。また、ルナー・カルトの奥義を修得した者は、グローラインの中では常に赤い月が満月(効果が1.5倍)として魔術を使うことができるのです(「ヒーローウォーズ」p.143参照)。
ディレクティの廃墟 Delecti's Ruin
アップランド湿原の主だといわれる不死の死霊術師ディレクティが住んでいると信じられている巨大な廃墟。実際にたどりついた者たちの報告によれば、まったくの無人であったといいます。しかしほんとうのところは定かではありません。現にアンデッドは湿原から沸き出し続けているのですから。
ドラゴンズ・アイ Dragon's Eye
ドラゴニュートたちが暮らすドラゴン・パス最大の集落。奇妙きわまりない建物が連なるようにして建っており、そこに入った者は出てこられないことで知られています。ドラゴニュートの王である「超王」が暮らしているのもここですが、その姿を見た者は最近ではいません。
ドワーフ鉱山 The Dwarf Mine
異種族との取引を容認する開手主義異端派のドワーフ(モスタリ)が住むといわれる大洞窟。法外な対価で貸し出される品物は、石のゴーレムであるジョランティをはじめ、マスケット銃や大砲といったオーバーテクノロジーなものまであります。
