「想像したことが現実になる」って、本当なの?
月曜日。
いやだな。
怖いな。
行きたくないな。
昨日は楽しかったな。
また仕事か。
月曜日はいつも、どんよりする。
そんな状態で職場に向かうのは、
かなりしんどい。
でも、よく考えてみると、
まだ何も起こっていない。
誰かに怒られたわけでもない。
嫌なことが起きたわけでもない。
なのに、もう辛い。
たぶん私は、
頭の中で自動的に未来を想像している。
「今日も緊張するかも」
「またうまく話せないかも」
「何か言われるかも」
「できないと思われるかも」
「また怖くなるかも」
過去の経験から、
「きっとこうなる」
と先回りしてしまう。
そして、その想像だけで身体が緊張する。
じゃあ、ここで気になることがある。
よく、
「想像すると、それが現実になる」
って言うよね。
「自分が望んだことが現実になる」
とか、
「強くイメージすれば引き寄せられる」
とか。
いわゆる、
「引き寄せの法則」
みたいな話。
あれって、本当なの?
私はずっと疑問だった。
だって、
「こんなに辛いのに、私が望んでるわけないじゃん」
って思うから。
仕事が怖い。
切られたくない。
嫌われたくない。
失敗したくない。
そんなことを考えているからといって、
「私は仕事を失いたい」
「私は嫌われたい」
「私は失敗したい」
なんて、思っているわけじゃない。
むしろ逆。
そうなりたくないから、
何度も何度も考えてしまう。
じゃあ、
「考えたことが現実になる」
というのは、
どういう意味なんだろう。
たしかに、
想像すると身体が反応することはある。
「明日、人前で話さなきゃ」
と考えただけで緊張する。
怖い場面を想像すると、
心臓がドキドキする。
まだ起きていないのに、
身体はもう準備を始めている。
でも、
だからといって、
「脳は想像と現実を区別できない」
と全部まとめてしまうのは、
ちょっと違う気がする。
だって、
事故に遭って亡くなる人は、
「事故に遭って死ぬ」
と想像したから、
そうなったわけじゃない。
突然病気になる人もいる。
予想していなかった出来事が起きることもある。
自分ではどうしようもないことだって、
人生にはたくさんある。
だから、
「あなたが悪い考えをしたから、悪いことが起きた」
なんてことにはならないと思う。
じゃあ、なぜ
「想像したことが現実になる」
ように感じるんだろう。
私は、
「想像そのものが現実を作る」
というより、
想像したことによって、自分の反応が変わる
ということはあるんじゃないかと思う。
例えば、
「今日も怖い」
と思いながら職場に行く。
身体が緊張している。
周りの表情が気になる。
少し声のトーンが違うだけで、
「怒ってる?」
と思う。
話しかけられたら、
身構える。
自分から話すことも減る。
そして一日が終わって、
「やっぱり今日も怖かった」
と思う。
こうして、
想像
↓
身体が反応する
↓
行動が変わる
↓
見えるものが変わる
↓
「やっぱりそうだった」と感じる
という循環は起こるのかもしれない。
だとしたら、
「引き寄せた」
というより、
自分の予想が、自分の感じ方や行動を通して、現実の一部に影響している
というほうが、私はしっくりくる。
だから、
「怖い未来を想像してしまう自分」
を責めなくていい。
それは、
「そんな未来を望んでいる」
という意味ではない。
怖いから怖いことを考えてしまう。
失いたくないから、失うことを想像してしまう。
大切だから、失うのが怖い。
それだけなのかもしれない。
だから私は、
「悪いことを考えちゃダメ」
とも思わない。
「考えたら現実になる」
と恐れる必要もない。
怖いことを想像してしまったら、
「ああ、今私は怖いんだな」
と気づく。
そして、
「でも、これは今起きている現実ではない」
と戻ってくる。
未来はまだ決まっていない。
今日、何が起こるかも分からない。
もしかしたら、
思っていたより普通の日かもしれない。
もしかしたら、
誰かと少し楽しく話せるかもしれない。
何も起こらないかもしれない。
だから、
「きっとこうなる」
ではなく、
「どうなるかは、まだ分からない」
くらいにしておきたい。
私は今まで、
怖い未来を想像して、
その未来に備えることで、
自分を守ろうとしてきた。
それもきっと、
私なりの生き方だった。
でも、
未来を何度も先取りして苦しむ必要はないのかもしれない。
まだ起きていないことまで、
今の私が背負わなくてもいい。
「怖い未来を想像したから、
その未来が現実になる」
わけじゃない。
少なくとも私は、
想像したことと、起きることは別物だと思っていたい。
そして今日も、
「いやだな」
と思いながら仕事に向かうかもしれない。
それでも、
「今日も絶対に怖い日になる」
とまでは決めつけない。
だって、
まだ今日が始まっていないんだから。
