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いつものハンバーガー解体ショー

子供たちの夏休みが終わったけれど、夏はまだ終わらない。こうも暑いと室内遊びが中心になるので、どこに出かけるにもお金がかかって仕方ない。
さらに、暑さに侵されると腹の底がふつふつと煮えてくるようで、子供といると簡単に沸点に到達してしまうので厄介である。

室内にたどり着くまでの移動の間は当然暑いわけで、子供が言うことを聞かないと尚更ツライわけで。その上子供のためと思うと腹も立ってくるわけで。
そんなわけで、家族のお出かけには私なりのマイルールがある。それは、自分が楽しめるプランを実行するということだ。
例えば子供の遊びに付き合った後は、自分(と子供)にご褒美としてサーティーワンに行くとか。外食にしても、『自分が食べたいものを子供も好き』という必要十分条件が揃わなければ、出かけない、とか。
子供のためではなく、自分と子供のために出かける。行った先で嫌なことが起きても、自分のために出かけたと思えば少しは納得できるからだ。

今日はお昼にマックへ出かけた。
息子には自閉症特有の『決まった食べ順』があり、まずポテトを綺麗に完食してからチーズバーガーを解体し、中身を綺麗に食べ、最後にバンズを食べる。ハンバーガーの一体感をすべて無に帰す食べ方である。
そんな食べ方を横目に見ながら「それ美味しいの?」とボソッと呟く私。返事は返ってこない。まぁいい。私は今まさに大好きなてりやきバーガーを頬張っているのだから。息子と言えど他人の食べ方の流儀になんてかまってられないのだ。
目の前にてりやきさえありゃいい。

そういえば小学生の頃、同じ班の女の子が納豆を一口分ずつ白ごはんの上に乗せて食べていて、それを見て私が「なんかヘンなの。」と言ったら次の日その子がショックを受けて学校を休んだことがあった。その子の親が連絡帳に「納豆の食べ方がヘンだと言われたので学校に行きたくないと言っています。」などと書き、教師に叱られたというトラウマがある。だってヘンだったんだもん。
人の食べ方に口出しなどしないに限る。

話は戻り、家族でマックを食べた後、近所のスーパーで買い物を済ませ、スーパーの中の小さなゲームセンターで少し遊んだ。それだけでも、障がいのある息子を連れて出るのには神経をつかう。
一瞬たりとも目も手も離せない。
奇声を発したり、ダイナミックな動きを突然しだす息子を制すのに、つなぐ手にギュッと力が入ることもある。
なんでふつうに待てないんだろう。
なんでふつうについてきてくれないんだろう。
こういう時、私と息子だけ切り取られた世界にいるみたいに感じる。

帰り道。雨上がりのジメッとした暑さの中ヒィヒィ言いながら帰った。
息子に「何が楽しかった?」と聞くと、「マック!」と答えた。
こっちは大変だったけれど、親も子も大好きな美味しいものを食べられて満足できたんだから、それが一番。また行こうね、と息子に言葉をかけた。てりやきバーガーひとつで頭の中がこんなにめでたいなんて、なんだか安上がりで得した気分さえある。
私はこうして大変な思いを自己満足で上塗りして、週末になると懲りずにまた家族揃って出かけるのだろう。

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