増えたひとり 🔥2
年末年始、ゴールデンウィーク。
毎年必ずではなかったけれど、
我が家には恒例行事があった。
親戚が実家に集まり、
みんなでご飯を食べるのだ。
集まるのは父方の親戚。
いとこたちも集まり、我が家は賑やかになる。
いとこたちが結婚すると、
配偶者や子どもも一緒に連れてくるようになり、
実家にはかなりの大人数が集まっていた。
特に誰かが疑問を持つこともなく、
その集まりは毎年のように続いていた。
私自身も特に違和感はなかった。
いとこたちと、久しぶりに集まって
のんびり話をする時間も好きだった。
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ところが、私が実家に帰ってきた辺りから
小さな変化があった。
メンバーの中に、
子どもの頃にはいなかった人が一人、
加わるようになったのだ。
その人とは、面識がなかったわけではない。
一度ほど家に行ったこともあったし、
“親戚の一人”という認識もあった。
ただ、それまでその人は玄関先で挨拶をして帰る程度で、ご飯を食べるメンバーの中に入ることはなかった。
それが、ある時を境に家に上がり、
一緒にご飯を作り、
食卓を囲むようになったのだ。
その人は”コイケさん“と呼ばれていた。
父より少し年下で、
義祖母側のつながりだと聞かされていた。
親戚ではあるけれど、
父とは血の縁で結ばれているわけではない、
そんな曖昧な位置づけの人だった。
コイケさんはシングルマザーで、子どもがいた。
ただ、子どもたちが我が家に来ることは
一度もなかった。
コイケさんは、ある時から毎年のように
我が家に顔を出すようになり、
伯母と一緒にご飯を作るようになった。
コイケさんが作ったちらし寿司とお吸い物が、
とても美味しかった。
特別な材料を使っているわけではないのに、
どちらも、きちんと手をかけて作られている味がした。
伯母も料理上手な人だった。
けれど、コイケさんの料理は、
また別の方向に完成していた。
味付けは控えめなのに、手を抜いた感じはなく、
「人に食べさせる前提」で作られている味だった。
性格は快活でハキハキしていて、
人当たりがよく、
いわゆるコミュニケーション能力の高い人、
という印象だった。
伯母も明るい性格だったので、
二人はとても気が合っているように見えた。
どういう経緯があったのかは分からないけれど、
私からすると、「突然、家に来る人が一人増えた」程度の感覚だった。
ご飯は豪華な方がいいし、
用意する人数が増えること自体も
私にとっては痛くも痒くもない。
「またあの人いるなぁ」
それくらいの感覚だった。
もともと知っている人でもあったので、
「お久しぶりです」と軽く挨拶を交わす程度。
気づけば、コイケさんは、
集まりの常連の一人になっていた。
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🫧この形の私

