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fair_deer839
真綿で首を絞める 🔥5🔴
私は呆然と立ち尽くしていた。
そのまま震える手で電話をかけた。
「もしもし?みのり?」
母の声を聞いた瞬間に、
涙が止まらなくなる。
私はその場にしゃがみこんだ。
「どうしたの?」
嗚咽を漏らす私に母が言った。
泣きながら母に話す。
義妹がいるのが辛い。
赤ちゃんのミルクを
隣であげられると狂いそうになる。
何が辛いのか分からないよ。
私がおかしいのかな、
性格が悪いのかな。
─────
母は静かに言った。
「それは辛いね。
でも妹さんがいるのは
出産するまででしょ?
今、無理に自分の気持ちをぶつけても、
お互いに嫌な気持ちになるだけだと思う。
お世話になってありがたいと思って
やるしかないよ。
もう少しだと思うから、それまでがんばれ。」
母に話を聞いてもらったことで、
少し心が軽くなった。
けれど、
よし、頑張ろうとは思えなかった。
「……うん……」
それだけ何とか答えて、電話を切った。
─────
しばらくして私は、
黙って涙を拭くと立ち上がり、1階に向かった。
座って、黙ってご飯を食べはじめる。
目は赤かったかもしれないけど、
私は何も言わなかった。
2人も何も言わなかった。
─────
それからも私は
自分の気持ちを押し殺し、
表面上、精一杯普通に振舞った。
伝える言葉も、行動も。何も分からなかった。
ゾンビのように無心で毎日を過ごす。
それしか思いつかなかった。
カーテンの隙間から差す光。
赤ちゃんの体温とほのかなミルクの匂い。
義妹と夫の笑顔。
それが全部、苦しかった。
──────────
🫧この形の私

