【夜のエンタメ3分まとめ #65】ちいかわ1000万人突破、でも週末の興収1位はノーラン——今日の話題4選
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こんばんは。月曜の夜のエンタメまとめです。今日は偶然なのか、「作品そのもの」ではなく「それをどこで、どんな形で見せるか」の話ばかりが並びました。同じ週末なのに動員1位と興収1位が入れ替わったランキング、ガンダム新作の放送時期、マンガのアニメ化、そして映画監督が舞台へ。器が変わると、作品の見え方はどこまで変わるのでしょうか。
1. ちいかわが動員1000万人突破、それでも週末の興収トップは『オデュッセイア』 🎬
9月11日(金)〜13日(日)の国内映画ランキングが発表されました。動員1位は『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』で、週末3日間の動員27万1000人・興収4億2700万円。累計動員は1009万人、累計興収146億円に到達しています(映画.com)。
一方、新作で初登場したクリストファー・ノーラン監督『オデュッセイア』は、週末の動員が24万1000人とちいかわを下回りながら、興収は4億5200万円で全作品トップ。9月4日から実施していたIMAX先行上映を含めると動員32万9000人・興収6億5000万円になります。3位は『白鳥とコウモリ』(週末動員16万9000人・興収2億4400万円/累計68万人・9億円超)、そして是枝裕和監督の実写版『ルックバック』が初登場5位、『最終楽章 響け!ユーフォニアム 後編』が7位、『5秒で完全犯罪を生成する方法』が10位で続きました。
ここに注目したいのは、動員と興収の順位が入れ替わっていることです。割り算してみると、ちいかわは1人あたり約1,580円、オデュッセイアは約1,880円。300円ほどの差があります。子ども料金の比率という事情もありますが、それ以上に大きいのはIMAX・ドルビー・4DXといった追加料金のかかる上映形式でしょう。本作は長編映画で史上初めて全編をIMAXフィルムカメラで撮影した作品です。「大きい画面で見てほしい」という作り手の設計が、観客動員ではなく客単価という数字のほうに表れた週末でした。
2. ガンダム新作『XARX-ZERO』は2027年4月放送。ただしゲームのほうが1か月早い 🤖
7月に米サンディエゴ・コミコンで発表されたガンダムシリーズ完全新作『機動戦士ガンダムRG XARX-ZERO(アレックスゼロ)』について、2027年4月よりテレビ放送することが発表されました(アニメ!アニメ!/ファミ通.com)。発表時点では「2027年予定」としか出ていなかったので、テレビシリーズであることと具体的な時期が同時に確定したかたちです。
スタッフは監督・シリーズ構成に『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の神山健治さん、SF設定監修に芥川賞作家の円城塔さん、ガンダムデザインに清水栄一さん、キャラクターデザイン原案にSTATOさん、キャラクターデザイン・総作画監督に高須美野子さん、音楽に椎名豪さん。主人公アズミ・レイ役は大塚剛央さんです。アニメーション制作はSOLA ANIMATION、企画はサンライズ、製作はバンダイナムコフィルムワークス。あわせて、同じ世界観を共有するアクションゲーム『GUNDAM ROGUE ORBIT』が2027年3月5日にPS5/Xbox Series X|S/Steamで発売されることも明らかになりました。
面白いのは順番です。本企画「RGプロジェクト」では、アニメがゲームの約100年前の"歴史の起点"を描く設計になっています。ところが現実のカレンダーでは、100年後の物語であるゲームが3月5日、起点を描くアニメが4月。約1か月、未来のほうが先に届くわけです。結末を知ってから始まりを見るのか、始まりを見てから未来に参加するのか。どちらからでも入れる企画だと当初から言われていましたが、その思想が発売順にそのまま出ているのが面白いところです。放送まではまだ時間があるので、楽天市場でガンプラや神山監督の過去作を探してみるのもいいかもしれません。
3. 『紛争でしたら八田まで』TVアニメ化。"地政学マンガ"が動き出す 🌏
田素弘さんの『紛争でしたら八田まで』のTVアニメ化が発表されました(アニメ!アニメ!/マイナビニュース)。講談社の『Dモーニング』『コミックDAYS』で連載中の作品で、主人公は地政学リスクコンサルタントの八田百合。世界各地で起きる紛争を「知性と地政、そして荒技」で解決していきます。既刊は19巻、第20巻が9月18日に発売予定で、シリーズ累計は120万部を突破しています。スタッフ・キャスト・放送時期はまだ発表されていません。記念として、コミックDAYSで単行本1〜3巻にあたる第30話までが9月24日まで無料公開されています。
作者の田さんは1976年生まれで、本作が43歳での初連載。地政学という、正直マンガの題材としてはかなり地味な領域を、毎回どこかの国の実際の地理と歴史から事件を組み立てるという力技で19巻まで積み上げてきた作品です。
ここが面白いと思うのは、アニメになると作品の重心がずれる可能性があることです。原作の武器は「なぜこの国のこの場所で、この揉め事が起きるのか」という説明の快感で、これは文字と図解がよく効く部分。一方でアニメが得意なのは、キャッチコピーにもある「荒技」——八田さんが体を張る場面のほうです。頭脳戦の作品が、動く絵という器に移されたときにどちらを前に出すのか。発表が20巻の発売4日前というタイミングなのも含めて、続報を楽しみに待ちたいところです。
4. タランティーノ、初の戯曲をウエストエンドへ。演出も本人 🎭
クエンティン・タランティーノが初めて書いた戯曲『The Popinjay Cavalier(原題)』が、2027年春にロンドンのウエストエンドで上演されることが決まりました。主演は『ボラット』のサシャ・バロン・コーエン、そして演出はタランティーノ自身が務めます(映画.com/Variety)。
舞台は1830年代のヨーロッパ。変装と成りすましが飛び交う喜劇で、舞台と映画で長く作られてきた剣戟活劇への讃歌として作られているそうです。タイトルの「ポピンジェイ・キャバリア」は、羽根飾りで着飾った気取り屋の伊達男といった意味。製作はソニア・フリードマン・プロダクションズとソニー・ピクチャーズ。タランティーノは昨年の時点で「脚本はもう書き上げてある。次にやるのは、絶対にこれだ。たぶん1年半から2年、僕の人生をそこに使うことになる」と語っていました。
彼は「監督作10本で引退する」と公言し続けてきた人で、現在の本数は9本(映画.com)。その最後の1本より先に、舞台という別の器が来たことになります。フィルムでの上映にこだわり続けてきた人が次に選んだのは、複製そのものが存在しない、その日の客席にしか残らない形式でした。今日の1本目でノーランが大きい画面に賭けた結果の話をしたばかりですが、同じ日に反対側の端の話が出てくるのは、なかなか面白い巡り合わせです。
今日のポイントは「ちいかわの1000万人とノーランの客単価、ガンダムの放送月、地政学マンガのアニメ化、タランティーノの舞台——どれも"どの器に載せるか"の話だった」でした。
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