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【W杯記念】超絶ブラック部活でスポーツ嫌いになった私が、プロの試合に熱狂できる理由

まずはじめに

どうも。平良リョウジです。
今回は私の人生におけるサッカーについて記事にしてみました。
サッカーワールドカップが大盛り上がりを見せているこの時期。テレビでサッカーの試合の中継を見ていると、中学生時代に私がサッカー部に所属していた時を思い出します。
正直言って、当時私が所属していたサッカー部は暴力上等ブラックな部活で、思い出すだけで非常に気分が悪くなるのですが、そんな経験があったからこそ、プロのサッカー観戦が好きになったという不思議な巡り合わせがありました。
今回はそんなエピソードをご紹介します。
※①この記事はあくまで個人的な感想であり、事実を断言するものではありません。
※②本記事は個人を特定するような情報、特定の誰かを攻撃するような表現は一切表記しておりません。
※③本記事に登場する先輩、後輩の人達とはすでに和解しており、今では一緒にお酒を飲むような仲になっております。


【中学1年】悪夢の始まり

入部の経緯

 昔、私立の中高一貫校の男子校に入学した私は、夢と希望に満ち溢れた学校生活のスタートの中、部活選びをしていました。代表的なものがサッカー部、バスケ部、テニス部の3つで、その他には体操部、吹奏楽部など多種多様な部活がありました。
 その中で私はサッカー部を選ぶことにしました。理由は特に無く、小学生時代に遊びでやることが多かったということもありますし、当時は「部活に入らないといけない」という風潮が強かったので、「まずはやってみよう」というチャレンジ精神で入部しました。
 そして私は思い知ることになります。
 部活というものは本気でスポーツをやりたい人が集まる場所であるということを。そして常に勝敗と上下関係と格差に拘る世界であることを。上手じゃない人は人権が剥奪される場所であることを……。

パワハラ天国

 最初こそは不器用ながらもサッカーの技術の向上に取り組んでいた私でしたが、徐々に先輩方から「死ね」などの罵声を浴びせられることが多くなり、胸ぐらを掴まれたり、蹴られることが日常となっていきました。
 最悪なことに、当時私は学校の寮で暮らしていたこともあり、先輩方からの八つ当たりは寮でも行われ、真冬のベランダに締め出されたり、不当に金銭を要求されたり、風呂で冷水をかけられたり、兎跳びなどの意味の無い筋トレの強要や、夜中の23時頃に呼び出され、何時間も拷問を受け、翌日は5時起きです。

 ちなみに拷問の内容は、以下の図Aのように、箒を両脚の太ももとふくらはぎの間に挟んだ状態で正座させられ、先輩が箒の持ち手の部分を思い切り踏むというもので、これが本当に痛くて仕方がありませんでした。
 こんな方法でサッカーが上手くなるとでも思っていたのでしょうか? ガチで理解に苦しみます。

図A

 特に理不尽だったのが、寮生活の中で、サッカー部でも特にスパルタな先輩から、
 「お前は鈍いから、素早く動く練習をしろ。今から、全速力で学校の校舎まで行って帰って来い。タイムが遅かったら殺すぞ」
 と、言われてしまったため、私は死ぬ気で走って学校の校舎まで行って寮に帰りました。
 タイムは良好! やった! これで殺されずに済む! ……と思っていたら、先輩に胸倉を掴まれ、
 「は? ふざけんじゃねえよ。そんなに速く動けるなら、なんでいつも動きが鈍いんだ?」
 と言われ、胸倉を掴まれ、ぶん殴られました。

 頑張っても頑張らなくても結局殴られる。なるほど! この部活って頑張り損のクソゲーだったんですね! じゃあ、頑張る意味ねえじゃん!
 
と、当時の私は完全にやる気を無くしてしまいました。
 私の同期(私と同じ初心者)も当然同じ目に遭っており、超絶スパルタな部長に呼び出され、1時間も激詰めされた時は顔を真っ赤にして涙を流していました。

【中学2年】人権剥奪

 新1年生が入部し、先輩の立場となった私は、更なる地獄を味わうことになります。というのも、新1年生は全員サッカーの経験者であり、先輩方と並ぶレベルでサッカーの技術がずば抜けていました。
 案の定、あまりサッカーが上手ではない私は新1年生からも「死ね」などの罵声を浴びせられるようになり、暴力は振るわれなかったものの、舌打ちをされることは日常的でした。
 先輩からも後輩からも攻められる毎日……放課後の自由時間はスパルタな練習で潰れ、休日は試合で潰れ、肉体的にも精神的にも安心できる時間など微塵もありませんでした。

こんな状況だと、普通だったらメンタルブレイクして即退部したくなるはずなのですが、当時の私は怠け者の弱虫で「辞める勇気」が無かったのです。大人達から教え込まれた「続けることの大切さ」を盲信し、それに従うことしかできませんでした。
 ちなみに、私の同期達はというと、「意地でも、高等部に上がってもサッカー部を続ける」と決意表明をし、先輩や後輩からも認められるエースストライカーのレベルまで技術が上達していたので、その凄みに圧倒されました。
 マジのガチで本当に凄すぎるよ……。

【中学3年】最後の地獄

 最上級生の3年生になり、ここで、とある転機が訪れます。
 それは、また新たな新1年生が入学式で入ってくる数日前、新年度のサッカー部のミーティングにて、後輩の一人が「今までありがとうございました。僕は今日をもってサッカー部を退部します」と、報告をしたのです。退部の理由は単純で、自分のやりたいことに没頭したいからとのことでした。
 すると、私の中で何か大きな荷が降りたような感覚がありました。

 それは、続けることがたった一つの正解ではなく、自分が信じた道を正解にする感覚を手に入れることができたのです。
 後輩による退部の挨拶が終わると、私は迷わず挙手をして、「僕からも報告があります」と言って、退部することを報告しました。
 意外にも同期と後輩達は無反応で、驚く様子も、喜ぶ様子もありませんでした。何というべきか、映画の何気ないシーンを眺めているような目をしていました。
 次の日から、私は久しぶりの自由な時間を満喫しました。
 しかし、楽しいことばかりではありません。
 スポーツの授業で多学年と合同でサッカーの試合をした時、かつてサッカー部で一緒だったメンバーとチームを組んだのですが、キーパーだけが最後まで決まらず、じゃんけんで負けた私が担当することになってしまいました。キーパーの経験はゼロ。そんな私は、とにかくボールが怖く、一回だけ、飛んできたボールを反射的に避けてしまいました。
「は? 今の絶対にわざとだろ。死ねよ」
試合時間、残り30分間、チームメイトからずっと「死ね」と言われ続けた私は、やる気が完全に失せ、サッカーそのものに対して嫌悪感を抱いてしまいました。
 非があるのは私です。しかし、だからといって何を言ってもいいわけがありません。

 スポーツの授業が終わり、私は逃げるようにグラウンドを出て行こうとすると、先程の試合の審判を担当していたサッカー部の顧問の先生に呼び止められ「中等部のサッカー部の練習の手伝いをして欲しい」と頼まれました。
 人の頼み事を断れない私は渋々それに承諾し、先程私に「死ね」と言ってきたサッカー部の部員達と一緒にサッカーの練習に参加しました。
 私は感情が壊死した状態でミニゲーム(少人数の試合)、鳥籠(パス回し)に参加したことで、次第にサッカーを楽しむ熱が戻ってきました。
 30分ほどの短いお手伝いでしたが、私にとってかけがえの無い時間だったと思います。きっと、サッカー部の顧問の先生は「サッカーが嫌いなままで帰って欲しくない」そんな想いがあり、練習に参加させて下さったのだと思います。本当に感謝してもしきれません。この時の出来事は、私のサッカーに対する熱意の支えになっているのです。

【辞めた後】気付いたこと

 サッカー部を退部して、まず最初に分かったことがあります。
 それは、サッカー部に所属していた頃の自分は一人ではなかったということです。
 「チームとは家族だ」と、顧問の先生が熱弁していた意味が何となく分かった気がしました。サッカー部の練習三昧だった毎日は、教室に戻る度にクラスメイト達とサッカー部との嫌な温度差を感じました。というのも、教室の人間関係は、サッカー部と比べてどこか閉鎖的で冷たいように見えたのです。
 これを踏まえて今思い返せば、サッカー部で罵声が飛び交っていた理由も分かります。
 そもそも部活動というものは、大前提として勝利というシンプルかつ少年漫画的な目標に向かって真っ直ぐに進むものです。その目標に向かうためには、チームの力は必要不可欠です。共に力を合わせて戦っていく以上、常にお互いを信頼し、お互いに期待しなくては勝利は掴み取れません。だから、誰よりも強い熱意で時にきつい言葉が飛び交ってしまうのです(※もちろん、暴力や「死ね」といった言葉が許されるという意味ではありません)。
 そして、多くの困難を乗り越えて掴み取った勝利は何にも代え難い宝物だったのです。
 なるほど。スポーツが好きな人にとって、部活動は最高の居場所だったんだな。と、私は考えを改めました。
 しかし、だからと言って私は運動部に戻ろうとは微塵も思いません。
 魚は水の中で泳ぎ回り、鳥は空を飛んであらゆる大陸を旅し、モグラは土の中で暗い世界を知り尽くし、鹿は大地を駆け抜ける。
 私が本当の意味で自由になれる場所は、運動部ではなかったのです。

【あとがき】サッカー観戦が好きになったワケ

 時は、2022年。当時私は大学生。
 サッカー部時代の傷は癒えないまま、
 テレビで、高校生・大学生のスポーツ選手(サッカー、バスケ、テニス、バレー、ラグビー、駅伝等)のヒーローインタビューを見る度に激しい嫌悪感を感じるようになっていました。

 「なんでこいつらだけ楽しそうにスポーツをしているんだ? なんであの時の俺は、こいつらと違ってあんな惨めな思いをしなければいけなかったんだ?」
 そんな中、カタールでサッカーワールドカップが開催され、森保監督による日本代表チームが快進撃を遂げた試合を、私は偶然テレビの中継で見ておりました。
 大盛り上がりする大学の先輩達。
 あれ? 何で俺もワクワクしているのだろう?
 選手達の動きを見て、私は体の芯からワクワクした感情が溢れ出すのを感じました。そういえば、あの選手の動き、どれほど大変なのかが分かる……。
 ……そうか!
私は瞬時に理解しました。

 そうか! 俺はサッカーを実際にやっていたから、選手達のスーパープレイがどれほど凄いのかが、素肌を通して理解できるぞ! あの判断力からのシュートはガチで神がかっている! あの隙間のパスは凄すぎる! あのディフェンスの連携は一朝一夕の練習ごときで真似できるものじゃない! ……俺、結果としてサッカー部を少しやっていて本当に良かったな。
 そう思えた私は、以降、サッカーの試合を本当に楽しく観戦するようになりました。人生で、どんな経験が役に立つのかは、そう簡単には分かるものではありません。地獄みたいな経験が実は、後の楽しい時間の伏線の可能性も十分にあり得るのです。

 そして、迎えた今回のワールドカップ2026! 
 頑張れ! 選手の皆さん達!
 きっと選手達の中で、サッカーを続ける中で大変な思いをされた方が沢山いると思います。そんな中でも諦めずにチャンスを掴み取り、国の代表として出場しているってマジで凄い!
 諦めずにサッカーを継続している世界中のみんなにトロフィーをあげたい気分です!
 かつてサッカーをしていた者として、応援しています!


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