(全5回)1回5分生成AIパスポート講座 1-3
万能アルゴリズムは存在しない? ── ノーフリーランチ定理
前回は機械学習の学び方の種類を見てきました。今回は「そもそも最強のアルゴリズムはあるのか」という話と、AIの頭脳にあたる「ニューラルネットワーク」の仕組みを見ていきます。
ノーフリーランチ定理 ── 万能なアルゴリズムは存在しない
「どんな問題にも通用する、唯一最強のアルゴリズム」は存在しない——これを示したのがノーフリーランチ定理です。「フリーランチ(タダ飯)はない」という言葉通り、あるアルゴリズムがある問題で高い性能を出せても、別の問題では別のアルゴリズムの方が優れている、ということが起こり得ます。だからこそ、解きたい問題の性質に応じてアルゴリズムを選ぶ必要があるのです。
実は人間の脳と同じ仕組み!──ニューラルネットワークの仕組み
①人間の脳を模した「ニューラルネットワーク」
人間の脳は、ニューロンという神経細胞がシナプスでつながり、電気信号をやり取りすることで情報を処理しています。この仕組みをコンピュータ上で再現しようとしたのがニューラルネットワークです。
脳のニューロンにあたるものを、AIの世界では人工ニューロン(ノード)と呼ぶ
ノードが層のように連なって構成されたネットワークが「ニューラルネットワーク」
この層を何層も重ねて深くしたものが、いま話題のディープラーニング
②「重み」とは何か
ノード同士のつながりには、それぞれ重みという数値が設定されています。これは「その情報をどれくらい重視するか」を表す度合いです。学習が進むというのは、実はこの重みの数値をデータに合わせて調整していくプロセスそのものを指しています。良い判断ができるように、無数の重みが少しずつ最適化されていくイメージです。
③AIが画像を見分ける仕組み
AIが写真から「これは猫」「これは犬」と判別できるのも、このニューラルネットワークの仕組みによるものです。
入力層:画像の各ピクセルの色・明るさなどの情報を受け取る
中間層:エッジ(輪郭)や形、模様といった特徴を段階的に抽出していく
出力層:抽出した特徴をもとに「猫である確率◯%」といった形で結果を出力する
この一連の流れの中で使われる重みが、大量の画像データによる学習を通じて調整され、精度が高まっていきます。
まとめ
ノーフリーランチ定理:あらゆる問題に通用する万能アルゴリズムは存在しない
ニューラルネットワークは人間の脳(ニューロン・シナプス)を模した仕組み
ノード間の「重み」を調整することが、AIにとっての"学習"にあたる
画像判別は「入力層→中間層(特徴抽出)→出力層」という流れで行われる
次回
(1-4)は、AIが学習しすぎて逆に失敗してしまう「過学習」について取り上げます
