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【営業の大学2026.8.15】顔採用は正しいが、その理由は全部間違い!

先月、ある経営者の方と会食していて、こう言われました。

「長谷川さん、うちは正直、顔で採用してます」

ぶっちゃけ、私は一瞬固まりました。差別だと言いたかったわけじゃありません。むしろ「わかります」と言いそうになった自分に、少し驚いたんです。それくらい、現場を見てきた人間には腑に落ちる話でした。

第一印象における見た目の影響は、とんでもなく大きい。25年の現場で嫌というほど見てきました。高いスーツを着る必要なんてありません。清潔感さえあれば印象は変わる。投資対効果でいえば、これほどコスパのいい打ち手はないと思ってます。

ただ、その先でよく聞くやつ。「イケメンや美人は性格も素直な人が多い」。だから顔採用は合理的なんだ、と。

私は、この話は因果が逆だと断言します。

顔がいいから素直なのではありません。素直だから、いい顔になっていくのです。

【承】

素直な人は、人の話を聞くときに眉間にシワが寄りません。

教わる、試す、うまくいく、また教わる。この循環の中にいる人は、表情がどんどん明るくなります。返事も早くなる。すると周囲が「もっと教えてやろう」と思う。かわいがられる営業には、必ずこの回路があります。

逆はどうか。なんでも「でも」「だって」で返す人。この人の顔は、年々硬くなっていきます。守りの顔。言い訳を探している顔。

これ、生まれつきじゃないんですよ。日々の受け取り方が、時間をかけて顔に刻まれた結果なんです。

へえ、と思う話をひとつ。プリンストン大学のウィリスとトドロフの研究では、人が他者の信頼性を判断するのに要する時間はわずか0.1秒。しかも、それ以上長く見せても判断はほとんど変わらなかった。つまり、あなたが話し始める前に評価は終わっています。

さらに心理学者ポール・エクマンの表情研究によれば、繰り返し使われた表情筋の動きは、やがてクセとして定着していきます。40歳を過ぎた顔は、その人が何万回も反復してきた表情の集積なんですね。リンカーンが「40を過ぎたら自分の顔に責任を持て」と言ったのは、精神論ではなく解剖学的に正しかったわけです。

【転】

ここからが営業パーソンにとってキツい話。

素直じゃない営業は、顔だけの問題では済みません。数字が止まります。

以前ご支援した企業に、営業歴12年の中村さんという方がいました。知識は豊富。トークも上手い。なのに受注率は8%で止まっていた。

同行して理由がすぐわかりました。顧客が「うちは今そういう時期じゃなくて」と言った瞬間、中村さんの眉間にシワが寄るんです。そして「でも御社の場合は」と返す。

顧客は言葉より先に、表情を読んでます。この人は私の話を聞く気がないな、と。中村さん本人は反論しているつもりすらありません。良かれと思って情報を足しているだけ。そこが厄介なんですよ。

正直、私も過去に同じことをやってました。20代の頃、上司に「お前は聞いてるフリが上手いだけだ」と言われて、めっちゃ腹が立った。すぐ反論しました。今思えば、あの反論こそが動かぬ証拠だったんですけどね。

まるで、穴の空いたバケツに必死で水を注いでいるような状態でした。トーク力を磨くほど、素直さという底が抜けていく。当時の自分の写真を見ると、目つきがやたら鋭いんです。売れていない営業の目、というやつですね。

【結】

中村さんに出した課題は、たった一つ。「否定語を言う前に、3秒だけ黙ってうなずいてください」。

3ヶ月後、受注率は8%から19%に上がりました。トーク内容は何ひとつ変えていません。変わったのは、顧客が話し終わる前に反論しなくなったこと。それだけです。

私はこれを「うなずき3秒ルール」と呼んでいます。相手が言い終わってから3秒、口を開かない。この3秒で眉間の力が抜けます。表情が緩みます。そして相手は「もう少し話してみようか」と思うんですよ。

合わせておすすめしているのが、商談後に自分の顔を1枚撮っておくこと。週末にまとめて見返すと、自分がどんな顔で客前に立っていたかがわかります。これがけっこう効きます。私自身、月曜の朝に前週の分を並べて眺めるのが習慣になりました。

毎日繰り返すと、半年で顔つきが変わる。マジで変わります。何人も見てきました。表情が変われば、返ってくる情報の量も変わるんですよね。

そして、ここからが未来の話です。AIは商品説明も提案書も、人間より速く正確に作ります。知識量ではもう勝負になりません。

だからこそ、これから残るのは「この人に話したい」と思わせる顔をした営業だけだと思ってます。AIには顔つきがない。20年かけて刻まれた表情の説得力だけは、どうやっても生成できないんです。

顔は変えられない。でも、顔つきは今日から変えられます。まずは3秒、黙ってみませんか。半年後の自分の顔が、そのまま来期の数字になります。

【まとめ】

素直さは、時間をかけて顔に出ます。営業最強の武器は、そこに宿るのです。


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