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数学Ⅱ_第1章_式と証明 No.6

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1_6 分数式とその計算

前回学んだ整式の割り算 $${A \div B}$$ は、分数 $${\displaystyle \frac{A}{B}}$$ の形に書きかえることができます。これにより、分母に文字を含む「分数式」を扱えるようになります。

一般に、2つの多項式 $${A,B}$$ によって、$${\displaystyle \frac{A}{B}}$$ と表され、分母 $${B}$$ に文字を含む式を分数式といいます。分数式を扱う際は、特に断りがなくても「分母が $${0}$$ になる場合」を除いて考えなければなりません。

例えば、分数式  $${\displaystyle \frac{x+2}{x-3}}$$  を扱うなら、$${x \neq 3}$$ という前提で考えなければならないということです。


分数式は、通常の分数と同じように、分母と分子に同じ数を掛けたり、それらで割ったりすることができます

$${\displaystyle \frac{6a^2b^5}{4a^3b^2}=\frac{\bm{2a^2b^2} \cdot 3b^3}{\bm{2a^2b^2} \cdot 2a}=\frac{3b^3}{2a}}$$

分母と分子に共通因数があれば、それらで割って式を簡略化できるので、上の式では $${2a^2b^2}$$ で割っています。このような計算を約分といい、これ以上約分できない分数式を既約分数式きやくぶんすうしきといいます。

$${\displaystyle \frac{x^2-3x+2}{x^2-1} = \frac{\bm{(x-1)}(x-2)}{\bm{(x-1)}(x+1)}=\frac{x-2}{x+1}}$$

一見すると共通因数がないように見える分数式でも、分母と分子をそれぞれ因数分解することで共通因数が見つかることがあります。上の式では $${(x-1)}$$ が見つかったので約分しています。
分数式を整理するときは「分母と分子をそれぞれ因数分解すること」から始めるとよいでしょう。


分数式の四則演算も通常の分数と同じように行います。

1.乗法は分母同士、分子同士を掛け合わせる

$${\displaystyle \frac{x^2-x}{x+1} \times \frac{2}{x-1} =\frac{2x(x-1)}{(x+1)(x-1)}=\frac{2x}{x+1}}$$

分数式の掛け算は分母同士、分子同士を掛けて計算します。その際、分母と分子に共通因数があれば約分できるので、確認しておきましょう。
通常の分数とは違って、分数式の分母と分子は因数分解した形で答えるのが一般的なので、指示がない限りは展開しなくても大丈夫です。

$$
\frac{x+2}{(x+1)(x-1)} が答えなら \frac{x+2}{x^2-1} としなくてもよい
$$


2.除法は逆数の積になおす

$${\displaystyle \frac{x-2}{x^2+3x} \div \frac{x^2-2x}{x^2-9}=\frac{x-2}{x(x+3)} \times \frac{(x+3)(x-3)}{x(x-2)}=\frac{x-3}{x^2}}$$

分数式の割り算は逆数を掛けて計算します。上の問題では割り算を掛け算に直すと同時に因数分解をしておき、約分できるものがわかるようにしています。


3.加法と減法は分母をそろえて分子を計算する。

分数式の足し算と引き算は分母をそろえて分子同士を計算します。引き算のときに符号ミスが起こりやすいので注意してください。
もし分母が揃っていなければ、分母と分子に適当な多項式を掛けて、分母をそろえてから計算します。

$${\displaystyle \frac{3}{(x+1)(x-2)}-\frac{2}{x(x-2)}=\frac{3x}{x(x+1)(x-2)}-\frac{2(x+1)}{x(x+1)(x-2)}}$$

このように、分数式の分母を同じ多項式に変形することを通分といいます。上の問題では、左の分数式の分母と分子に「 $${x}$$ 」を掛け、右の分数式の分母と分子に「 $${x+1}$$」を掛けて分母を揃えます。

$${\displaystyle \frac{3x-2(x+1)}{x(x+1)(x-2)}=\frac{x-2}{x(x+1)(x-2)}=\frac{1}{x(x+1)}}$$

分母が揃ったら、後は分子を計算すれば答えが求まります。分母と分子に共通因数 $${x-2}$$ が見つかるので、約分するのを忘れないように注意しましょう。



今回確認した通り、分数式の計算は通常の分数とほぼ同じなので、比較的スムーズに理解できると思います。しかし、数字のときと違って約分を見落としやすく、符号のミスが目立つので十分注意して計算するようにしましょう。


次回は恒等式こうとうしきについて学びます。

演習をしたい方は[こちら]へ

[次回:式と証明 No.7]

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