見出し画像

私立小学校からの中学受験って実際どうなの?恵まれたカリキュラムと見えない代償【我が家の中学受験・第3回】

「学校で中学受験に対応する勉強をやってくれるなんて安心!」
そんな期待を胸に入学した私立小学校は、確かに中学受験をする家庭にとって、理想的な環境が整っていました。

低学年から学校で本を読む時間がしっかり設けられるので、自然に身につく読書習慣。

一つの単元にたっぷり時間をかけて進んでいく算数の授業。
塾では1日数時間で終わるつるかめ算の授業を1週間かけてやってくれたりするので、「わからないまま次の単元に進んでしまう」という不安がありません。

高学年になると、算数・国語は習熟度別クラス編成に。
6年生になると、毎朝算数の計算、漢字のミニテストが始まり、夏休みまでには全カリキュラムを終えて、休み明けからは演習に入ります。

さらに、校内で受けられる漢検、英検、数検などの検定は、願書のアピール材料になりますし、受験で頻出の理科の実験を学校でやってくれたり、小学校ではなかなか行かない京都・奈良への修学旅行など、知的好奇心を刺激する行事も満載です。

おまけに、系列中学の内部進学の権利をキープしたまま外部受験ができるという、「精神的なお守り」まで用意されていました。

周りを見渡せば、教育熱心な家庭ばかり。
みんなが当たり前に受験に向かっているからこそ、「自分だけ勉強しなくてはいけない」という孤独感とは無縁です。

長女が通っていた国立小学校は対照的でした。
国立小の授業は、学習指導要綱にとらわれない、先生方の研究のための授業。
興味深い授業ではありましたが、内部進学試験や外に出る場合の中学受験対策の勉強は、学校とは別に自力でやっていく必要がありました。

「次のテストはこの範囲から出すので、ご家庭でこの問題集を何ページまで進めておいてください。」と問題集をポンと丸投げされた時は、呆然としてしまいました・・・

内部進学を狙うのであれば、普段の授業の勉強や提出物を疎かにする訳にはいかず、二軸で勉強を進める必要があり、とにかくしんどかった6年間でした。

そんなわけで、次女の通う私立小の手厚さに、最初の頃は「こんなに手厚い学校があるなんて。。」と感動の嵐でした。

……しかし、4年生になり塾通いが本格化し始めると、娘の小さな背中は、少しずつ削られ始めたのです。

学校と塾ではもちろんカリキュラムや進度が異なります。
今の塾のカリキュラムは、同じ単元が間を空けて何度も出てくるスパイラル方式。
そこに学校の緩やかなスパイラルが加わるので、絶えず二重でスパイラルが回っている状況になります。

実力は確かにつきます。

けれども学校の定期試験(娘の学校は中高と同じく中間、期末テストがありました)と、塾の組み分けテストなどが重なると、異なる単元の勉強を同時にこなさなければなりません。

学校は、塾通いは推奨していないものの、周りがみんな塾に行くので、行かないと習熟度別の上のクラスに行けない、行けないとテストで結果も出せないというジレンマ。。

そして何より娘にとって深刻だったのが、通学の負担です。

塾通いが本格化すると、これが娘の体力を大幅に消耗させることになりました。

娘は電車とバスで、家から学校まで1時間近くかけて通っていました。

朝は6時過ぎに起きて7時に家を出る生活。

塾のある日は一度家に帰る時間はないので、学校から塾に直行します。
そのまま休憩なしで3時間の授業。
6年生になると居残りも始まり、塾が終わって家に着くと22時近くになることもありました。
そこから夕飯と入浴を済ませると、寝るのは0時近くになってしまいます。
そして翌朝はまた6時起き・・・

食生活は不規則になり、睡眠時間は削られていきました。
低学年の頃は習い事をかけ持ちして体力には自信があった娘でしたが、次第に心身ともに疲弊していくのが見て取れました。

この体力の消耗が、のちに娘の摂食障害の原因の一つになっていきます。

仕事が忙しく、家で勉強を見る余裕がなかった我が家にとって、学校の手厚いフォローに助けられたことは疑いようがありません。
数えきれないメリットがあったことも事実です。
けれども、その代償として娘が支払ったのは「想像以上の体力の消耗」でした。

私立小学校からの中学受験においては、塾との付き合い方や、「割り切り」が重要だと、今ならわかります。

娘の同級生には、塾の他に個別塾にも行っていたり、塾を複数掛け持ちしているような子もいました。
自分の強い意志でそうしていたなら良いのですが、もし親の意志だった場合、どれだけ心身を削っていたのかと思うと心が痛みます。

私立小学校からの中学受験を考えている方がいらっしゃったら、子どもがどれだけの負担を強いられることになるのかを、どうか想像してあげてください。
そして、その負担をどう減らしてあげられるかを、考えてあげてほしいと思います。

全ての親にとって、「子供が心身ともに元気でいること」これがが何よりも大切なはずです。

<次回の予告>
シリーズ第4回では、多くの受験家庭が直面する5年の壁。我が家が下した決断は、サピックスからグノーブルへの転塾でした。なぜグノーブルへの転塾を決断したのか、2つの塾の違いや当時の葛藤を綴りたいと思います。

<第2回はこちら>

<第1回はこちら>





いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集