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綺麗な家より、帰りたくなる家がいい

無職生活なので、基本的には自分の好きなように予定を決めて、自由に行動している私ですが、お盆ということもあり、久しぶりに実家へ帰省しました。

実家に帰ると、やっぱり昔のことをよく思い出します。
普段生活している場所から少し離れて、昔から変わらない家の中にいると、子どもの頃の記憶が自然と蘇ってくるから不思議です。
昔使っていたものや、ずっと変わっていない家具、家の雰囲気などを見ていると、「そういえば、昔こんなことを考えていたな」と思うこともたくさんあります。

私の実家は、正直なところ、そこまで綺麗な家というわけではありません。むしろ、ものがたくさんあって、誰かを呼んで「おしゃれな家でしょう」と見せられるような感じでもありません。
人を招くことを前提に考えたら、もう少し片付けたほうがいいんじゃないかなと思うくらいです。

とはいえ、不潔というわけではありません。
普通に生活するには何も困らないし、私にとっては昔からずっと過ごしてきた「いつもの家」です。

だからなのか、実家に帰ると不思議なくらい落ち着きます

玄関を開けて家に入ると、「ああ、帰ってきたな」と思う。
特別に素敵な家というわけではないのに、どこか安心するのです。
今住んでいる家とは違う、昔から知っている匂いや空気感があって、何も頑張らなくていいような気持ちになります。

でも、子どもの頃は、この家のことを今ほど肯定的に思っていたわけではありません。

むしろ、友達の家に遊びに行くたびに、「いいなあ」と思っていました。

友達の家には一人部屋があったり、綺麗に片付いた部屋があったりして、自分の家とは少し違う雰囲気がありました。
私は小さい頃、一人部屋がなかったので、「私も一人部屋がほしいな」とよく思っていた記憶があります。

友達の部屋に入ると、自分の好きなものが飾ってあったり、好きなように使える机やスペースがあったりして、それがすごく羨ましかった

今思えば、きっと「自分だけの空間」が欲しかったんだと思います。

だから、友達から「今度あみの家にも行きたいな〜」と言われたときには、「いいよ」と答えていたものの、心の中では少し複雑でした。

もちろん、友達に来てほしくないわけではありません。
でも、自分の家を見られることが少し恥ずかしかったのです。

「うちに来ても楽しくないんじゃないかな」

「友達の家みたいに綺麗じゃないし、見せられるようなものもないし」

そんなことを考えていたと思います。

そのため、実際に友達が私の家に遊びに来ることは、あまりなかったように記憶しています。

今振り返ると、少し面白いなと思います。

子どもの頃の私は、友達の家に行っては「こんな家に住みたい」と思っていたのに、自分の家に友達が来ることには抵抗があった。

でも、それは単純に「実家が嫌だった」ということではなかったんですよね。

むしろ私は、自分の家が一番リラックスできる場所だったんだと思います。

外では友達に気を遣ったり、学校では周りの人のことを考えたり、子どもなりにいろいろなことを気にして生活していました。
でも家に帰れば、そんなことを考えなくてもいい。
好きなように過ごして、疲れたら横になって、何もせずにぼーっとしていてもいい。

自分が自分らしくいられる場所だったのだと思います。

だからこそ、そこに他人が入ってくることに少し抵抗があったのかもしれません。

「家は人に見せるもの」というより、「自分が安心するための場所」という感覚が強かったのだと思います。

そして、大人になった今は、家に対する考え方も少し変わりました。

将来、自分が家を建てるとしたらどんな家にしたいかな。
家族ができたら、どんな場所で暮らしたいかな。
そんなことを考えることがあります。

そう考えたとき、正直、今の実家のように「ものがたくさんあって、誰かを招くには少し恥ずかしい」と思うような家にはしたくありません。

もっと綺麗で、ものが整理されていて、友達が「今日ちょっと寄っていい?」と言ったら、「いいよ、来て来て」と気軽に迎え入れられるような家に憧れます。

家族ができたら、家の中に自然と人が集まってくるような、賑やかな家にも憧れます。

みんなでご飯を食べたり、くだらない話をしたり、家族の誰かがリビングでテレビを見ていたり、友達が遊びに来ていたり。
少しくらい賑やかでも、「人がいる家っていいな」と思えるような家にしたい。

でも、今回実家に帰ってきて、そんなことを考えているうちに、「それだけではないな」と思うようになりました。

私は、今の実家のように安心できて、落ち着ける場所にもしたい。

ここは少し矛盾しているのかもしれません。

人を気軽に招ける賑やかな家にしたいと思う一方で、実家に帰ったときに感じるような、何も気にせず自分らしくいられる安心感も残したい。

たとえば、家族がそれぞれ好きなことをしていても居心地が悪くない家。
無理に会話をしなくても一緒にいられる家。
疲れて帰ってきたときに、「やっぱり家が一番落ち着く」と思える家。

そんな場所が理想なのかもしれません。

綺麗でおしゃれで、人を招きやすい家にすることも大切だけれど、それ以上に、そこで暮らす人が安心できること。

外で嫌なことがあった日でも、家に帰れば少しホッとできる。

誰かに気を遣うことなく、ありのままの自分でいられる。

そんな「安心できる家」にしたいと思います。

考えてみれば、今の実家が私にとってそういう場所だったからこそ、私は今でも帰省すると落ち着くのだと思います。

子どもの頃は、「もっと綺麗な家がいい」「一人部屋がほしい」「友達の家みたいな家がいい」と思っていました。

でも、大人になって実家を離れて暮らすようになった今、実家に帰ってきたときに感じる安心感は、簡単には作れないものなのだと気づきました。

家の広さでも、家具でも、インテリアでもなく、そこで過ごしてきた時間や、何も気にせず過ごせるという感覚が、「帰ってきた」と思わせてくれるのかもしれません。

だから、いつか自分が家を持つときには、今の実家とは違って、もっと人を招きやすくて、明るくて、賑やかな家にしたい。

でも同時に、今の実家のように「帰ってくれば安心する」「何もしなくても落ち着く」と思える場所にもしたい。

人が集まる家でありながら、一人になりたいときには一人になれる。

家族で楽しく過ごせるけれど、無理に誰かに合わせなくてもいい。

外から見て素敵な家というだけではなく、そこに住んでいる人にとって居心地のいい家。

そんな家をいつか作れたらいいなと思います。

今回、お盆に実家へ帰省して、昔のことをいろいろと思い出しました。

子どもの頃には「もっと違う家がいい」と思っていたのに、大人になった今は、実家に帰ってきて「やっぱりここが落ち着くな」と思う。

昔は当たり前すぎて気づかなかったけれど、私にとって実家は、ちゃんと「帰る場所」だったんだなと思います。

そしていつか自分が家を持つ日が来たら、今の実家から受け継ぎたいのは、家の形や雰囲気ではなく、この「安心できる感じ」なのかもしれません。

誰かが遊びに来てくれるような賑やかな家。

家族が自然と集まるような家。

そして、疲れたときに帰ってきたら、何も考えずにホッとできる家。

そんな家を、いつか自分で作ってみたいなと思いました。


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