わかり合えるはず/ [送り火オペラ ]毎週ショートショートnote
精霊をむかえるための送り火オペラのような歌声が響いてくる。
木々がざわめきほのかな甘い香りが広がる。
「私たちを呼び出したのはお前か?」
人間と変わらない様子の精霊が私の前に立ち言った。周りには様々な精霊が来ていた。蝶の羽のようなものをつけた小さい精霊、火や、水をまとう精霊様々だ。
「王の命によりあなたを呼び出しました。存在を証明することでこの森を守り続けると約束してくださいました」
その言葉を合図のように周りを取り囲んだ兵士がたちあがり、武器をかまえる。
「約束がちがうではないですか、ちゃんとひざまずき精霊に敵意のないことを証明してくれると言ったではないですか」
私は兵士達に叫んだ。
「賭けは私たちの勝ちのようだね」
私の目を見つめる精霊。
私は差し出された精霊の手を取った。
「私は彼らの存在を知り、人間との橋渡しとなろうとしていたのに。
森がなくなって困るのは精霊たちじゃない」
私と精霊達の姿が消える。
森は荒れ、その地から祝福の祈りは潰えた。
こちらの企画に参加させて
いただきました。
田原にかさん
ありがとうございます。
見出しイラストはぽてさんに描いていただきました
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