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pumpkin_tarte
幼稚園の窓から:「子の心、母の心」
年少組の男の子のお話です。
4月に入園してからずっとお母さんに手をつないでもらって登園してきていました。お母さんと一緒に階段を上がって玄関に入り、お母さんとタッチしてからお別れをしていました。お母さんが手をつないでくれないと幼稚園の玄関まで来ることができない子でした。
ところがこの日は、お母さんと一緒に朝のご挨拶を済ませると、お母さんと手をつないでもらっていないのに、一人ですたすたと歩いて玄関に入って行きました。
入園以来初めての出来事でした。
ポカンとして男の子の後姿を見つめているお母さんに
「今日は独立記念日ですね」
と話しかけると、お母さんは「そうですね」と、嬉しくもあり寂しくもありといった表情で返事をされました。
こうやって、子どもは少しずつお母さんと距離を取り始めます。そのうち、振り向いてくれるのを待つお母さんに気づきもせず、さっさと玄関に一人で入って行くようになります。
将来、恋人でもできようものならなおさらのことです。子どもの目は恋人にしか向いていません。
でもお母さんたち、心配することはありません。一時期はお母さんに寂しい思いをさせるかもしれませんが、子どもの心はいつもお母さんを思っているものです。
その証として、坂本遼さんの詩を紹介します。
「春」という題の詩です。文字は原文のままです。
春
おかんはたった一人
峠田のてっぺんで鍬にもたれ
大きな空に
小さなからだを
ぴょっくり浮かして
空いっぱいになく雲雀の声を
ぢっと聞いてゐるやろで
里の方で牛がないていたら
ぢっと余韻に耳をかたむけていゐるやろで
大きい 美しい
春がまはってくるたんびに
おかんの年がよるのが
目に見えるやうで かなしい
おかんがみたい
