ChatGPTが勝手に話を埋める前に。5問で止める「質問返しキット」
ChatGPTに案内文やメールを頼んだら、きれいな文章が返ってきた。
ところが読んでみると、決まっていない期限が入っている。対象者が勝手に広がっている。資料にない理由まで、自然な言葉で補われている。
直すたびに別の箇所が変わり、最後は元のメモと見比べ直す。これでは、白紙から自分で書くより疲れます。
こうなる原因の一つは、材料が足りないまま「完成文を書いて」と頼んでいることです。
そこで、いきなり書かせません。最初の仕事を「不足を見つけ、質問する」に変えます。
この記事では、ChatGPTに最大5問だけ質問してもらい、回答がそろうまで本文を書かせない「質問返しキット」を作りました。
後半には、次の実用品があります。
依頼前の30秒診断
必須・あるとよい・後回しの3分類表
最大5問の質問返しプロンプト
回答を1枚にまとめる依頼票
書き始めてよいか判定する開始ゲート
架空の練習問題と採点表
質問が多すぎるときの短縮版
添付のテキスト版も、そのままコピーして使えます。
まず見本:文章を書かず、質問だけ返してもらう
たとえば、手元のメモが次の2行だけだったとします。
来月、初心者向けのAI勉強会をする。
参加案内をメールで作って。このまま文章を作らせると、日時、対象者、申込方法、締切、開催方式などをAIが補うかもしれません。
代わりに、最初はこう頼みます。
まだ本文を書かないでください。
この依頼を完成させるために、答えがないと事実を作ってしまう項目だけ、重要な順に最大5問質問してください。
資料にない内容を推測しないでください。質問が返ってきたら、人が分かる範囲だけ答えます。分からないことは「未定」と答えます。
大切なのは、空欄を全部埋めることではありません。決まっていることと、決まっていないことを見えるようにすることです。
なぜ「質問してから書く」のか
OpenAIの公式ガイドは、明確で具体的な指示と、十分な背景を与えることを勧めています。また、最初の回答を見て背景を追加したり、依頼を調整したりする反復も案内しています。出典:OpenAI Help Center
文章作成の公式ガイドでも、計画の段階で目的、読者、読後にしてほしいことを明らかにし、次に元メモや事実、制約、出力形式を渡す流れが示されています。AIの出力は最終判断ではなく、人が確認する下書きとして扱う前提です。出典:OpenAI Academy「Writing with ChatGPT」
ただし、ChatGPTが不足項目を必ず自動で質問してくれるとは限りません。
OpenAIは、ChatGPTが曖昧な質問に自信ありげな回答を出したり、誤った日付・事実・引用を生成したりする場合があると説明しています。出典:OpenAI Help Center「Does ChatGPT tell the truth?」
だから、質問してほしいこと、質問数、回答がそろうまで本文を書かないことを、こちらから指定します。
このキットが向く人、向かない人
向くのは、メール、社内案内、報告文、FAQ、記事、簡単な手順書をAIに下書きしてもらう人です。とくに、材料が箇条書きや殴り書きのメモしかないときに役立ちます。
一方、法務・医療・投資・人事評価・契約・安全などの専門判断には使えません。質問に答えたからといって、判断の正しさが保証されるわけではありません。原資料、担当者、所属先の規程、専門家の確認を優先してください。
また、個人情報、顧客情報、社外秘を入力してよいという意味でもありません。入力できる情報の範囲を先に確認し、必要なら匿名化してください。
ここから先は、質問を作り、答えを集め、本文を書き始めてよいか判定する道具です。
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