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変人の独り言⑨ ~もう一つのシンギュラリティ~

昨日はジョナサンで、ひとりブランチ。タブレットでポチッと注文したら、配膳ロボットが黙々とやってきた。律儀なやつで、テーブルの上には絶対に置かない。必ず脇まで運んで、あとは人間にお任せ、という奥ゆかしさ。
最近「シンギュラリティ」なる言葉をよく聞くけれど、個人的にはそれより、生ビールをこぼさずに運んでくる二足歩行ロボットの方が、よほど衝撃的だと思う。
ジョッキの中で液面が波打つのを見ながら、人類の転換点はもっと地味なところにあるのでは、と本気で考えてしまった。
言葉を理解し、追加注文を受け、厨房を機敏に出入りし、歩き回る客をひょいひょい避ける。そのうち常連の顔を覚えて、軽口のひとつも叩くようになるだろう。冗談のつもりが、案外まじめな未来予想図。
きっとこれは、静かな、でも確かな歴史的転換点だ。

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