『ガス欠のブッダ』が教える、人生という車の「正しい停め方」
「最近なんだか、やる気が出ない人、全員一旦ボンネットを開けて冷ましてください」
「なんだか最近悟りの境地に入ってきた気が……」
「すべてを諦めて心が、無の境地になっている……」
世の中には「悟りを開く」「自分軸を取り戻す」
みたいな高尚な言葉があふれていますが、
長年さまざまな悩みを観察してきて、
ついにひとつの真実にたどり着いてしまいました。
それ、悟りでもなんでもなくて、
単に、脳のガソリンが切れてるだけ?
人は「悩む」「焦る」「葛藤する」という作業に、
ものすごいエネルギー(脳の電気とガソリン)を
使っています。
限界まで疲弊してエネルギーがゼロになると、
脳は一番メモリを食う「自我(悩み)」を
強制シャットダウンする。
その結果あらわれる
「あーもうダルい、どうでもいいわ」という
省エネモードを、私たちは大げさに
「悟り」と呼んでいるだけなのです。
そう、あなたは悟ったのではありません。
ただの「ガス欠ブッダ」です。
異音を、ラジオの音量で消していませんか?
人間は、
自分という「車」のメンテナンスを怠る天才です。
心がギシギシと悲鳴を上げているのに、
「走れているから大丈夫」と聞こえないフリをする。車内で音楽のボリュームを爆音にして、
エンジンの異音をごまかしている状態です。
ふと自分を振り返ってみてください。
こんな「整備不良」で走っていませんか?
ワイパーが「ガガガッ!」と変な音を立てている
→ 効率が激落ちしてイライラしているのに、
無理やり作業を続けて
心のフロントガラスを削り合っている。
ウォッシャー液を噴射しすぎて視界ゼロ
→ 他人のちょっとした言動(小さなゴミ)が許せず、感情(ウォッシャー液)を爆発させて一人でパニックになっている。
半ドアのまま走り続けている
→ 「嫌だ」と言えず生返事で引き受けたせいで、
脳内でずっと「ピーピー」と警告音が鳴り響いて…
そして一番怖いのが「古いカーナビ」で
高速道路を走っているパターンです。
昔の常識や「こうあるべき」という
古い地図を信じ切って大真面目に走った結果……
時代の変化で一方通行になった道路へ突っ込み、
正面からクラクションを鳴らされて
「なんで!? 私が何をしたの!?」
とパニックになる。
運転技術が悪いのではありません。
ナビのデータが古すぎて、
あなたを全力で逆走させているだけなのです。
メンテナンス不足がたどり着く
「恐怖の2大ルート」
整備不良の車が、
そのままアクセルを踏み続けたらどうなるか?
未来は構造的に、次の2つしかありません。
完全ストップ(路上爆破)
エンジンが焼き付いて煙を噴き、
高速道路の真ん中で動かなくなる
(=メンタル崩壊・強制終了)
大事故、ブレーキが効かなくなって、
ガードレールや周りの車に突っ込む
(=感情が爆発して人間関係を大破壊)。
「事故るまで走る」
「動かなくなるまで追い詰める」
私たちはなぜか、崖っぷちに追い込まれるまで
ブレーキを踏んではいけないと思い込んでいます。
「動けない自分」は、プロの神回避である
だからこそ、
いま「やる気が出ない」
「何も手につかない」
「ベッドから出られない」と
悩んでいる人に伝えたい。
あなたが今動けないのは、意志が弱いからでも、
人生の敗北者だからでもありません。
大事故を起こす手前で、あなたの脳が
「これ以上走ったら死ぬぞ!」と判断して、
自らハザードを焚いて路肩に寄せたからです。
それ、敗北ではなく「プロの神回避」ですよ。
「動けない自分」を責める必要なんてイチミリもありません。
ガソリンランプが点滅しているのに、
ハイオク(高級な自己啓発本やエナジードリンク)を注ぎ込んで無理やり走ろうとするからエンジンが壊れるのです。
堂々と「ピットイン」に入ろう。
もしあなたが「ガス欠ブッダ」になってしまったら、やるべきことは一つだけ。
ボンネットを閉めて、
整備工場(布団)に放り込むことです。
高尚な本を読むな(エンジンを冷ませ)
人生の目的地を検索するな(ナビの電源を切れ)
ただ温かいお茶を飲んで、
布団のぬくもりだけを感じろ
車に詳しくないなら、
無理に自分で修理しようとせず、
プロ(睡眠と時間)に
全部投げ投げればいいのです。
……と、ここまで偉そうに分析してきた私自身、
絶賛ガソリン切れで路肩にハザードを焚いて停車中の「元祖・ガス欠ブッダ」なんですけどね!(笑)
ガソリンが溜まり、オイルを交換すれば、
車は勝手にまたエンジンがかかります。
それまでは堂々と「ガス欠ブッダ」として、
運転席のシートを倒し、コンビニのおにぎりでも
食べながら空を眺めていましょう。
大丈夫。今日はもう美味しいものを食べて、
泥のように寝てください。お疲れ様でした!
★『ブッダのハザードランプ』
ブッダは型落ちの
軽自動車を走らせている
カーナビは5年前に
フリーズしたままだ
「この先、右折です」と
ナビが嘘をつくので
ブッダは電源プラグを
力づくで抜いた
ワイパーがガガガと
不気味な音を立て
フロントガラスに
斜めのキズを刻んでいく
エンジンからは
「ギシ…」と小さな悲鳴
後ろの高級車が
パッシングをして
「早く行け」と
煽ってくるけれど
ブッダは静かに
ウインカーを出し
左の路肩に車を寄せた
ハザードランプを
カチカチと焚いて
シートを深々と倒す
「まあ、ガス欠なら仕方ないよね」
ブッダは
ダッシュボードから
ぬるくなったお茶を
取り出し
車窓に広がる
夕焼けを
ただぼんやりと
眺めている
エンジンが
冷めるまで
世界が
追いついてくるまで
ブッダはここで、
泥のように眠るのだ。
▲【あとがき】
記事を最後まで読んでいただき、
ありがとうございます!
実は私自身、
車にはぜんぜん詳しくありません。(笑)
それなのに
「脳のキャパオーバー」を
車のトラブルに例えてみたら、
なんだかあまりにもしっくりきてしまって、
勢いでこんな詩まで書いてしまいました。
もし今
「なんだか生きづらいな」
「やる気が出ないな」と
感じている方がいたら、
それはあなたがダメなわけではなく、
単にハザードを焚いて
ピットインしているだけです。
今夜は無理してアクセルを踏まず、
美味しいものを食べてゆっくり休みましょうね。
あらあの子も休んでますね…🐕
#エッセイ
#自己理解
#車
#note感想文
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