転勤族、暮らしている街が好きになりにくい問題
最近、大手企業の採用枠で「転勤なしの職種を選べます!」といった話題を聞くこと増えてきました。
ワークライフバランスや、自分で主体的にキャリア形成をしていく視点から、「転勤したくない」という価値観の高まりは自然な流れにも感じます。
いわば「アンチ転勤社会」の到来なのかも。
そんな中でふと思ったのが
ずっと同じ場所に住む人(定住族)と、あちこち移り住む人(転勤族)は、街への愛着に違いはあるのか?
ということ。
よく「転勤族は地域に馴染みにくい」なんて言われることもあります。けどね、僕は「いやいや、そんなこともないでしょ!」なんて思うんです。
街を比べるから見えるもの
僕が幼い頃、父親は転勤族でした。ぼくも、就職してから、これまで9回ほど引っ越しを経験してきました。なもんで、転勤人生と言ってもいいでしょう。
その中で感じるのは、転勤族と街の関係での強みは「比較できること」にあると思うんです。
いろんな街に住んでみると
「あの街は、味付けが優しかったな」とか
「この街は、お祭りがすごく派手だな」とか
地域ごとの違いが自然と見えてきます。
これって、ずっと同じ場所にいるとなかなか気づけない視点ですよね。いろんな文化や街のテンションに触れることで「あ、自分はこういう暮らしが好きなんだな」と、自分自身の好みがはっきり分かってくる面白さがあります。
「好き」を詰め合わせたポートフォリオ
定住族が「街と一心同体」で街固有の愛着を形成するのに対して、転勤族は、いろんな要素を組み合わせてパズルのように組み合わせて愛着を作っていくイメージです。
高崎は、麺類中心に食がよかったな。
仙台は、自転車でどこでも行けて住みやすい街だったな。
高円寺は、カルチャーがすぐ隣にあってワクワクしたな。
それぞれの街でもらった「好き」な要素を自分の中に集まっています。
一つの街に染まりきるわけではないけれど、自分の中にいろんな街の思い出が点在していて、その組み合わせで今の自分ができている。これを僕は「愛着のポートフォリオ」と呼んでいます。
1つの街にだけ、アイデンティティがある訳じゃない。それも一つの素敵な「ふるさと」の形じゃないかな、と思うんです。
街には新しい風も必要
もちろん、転勤族には「期間限定の付き合い」という寂しさや、どこか「お客様」のようなもどかしさを感じる瞬間もあります。
でも、街を守る「定住族」の方々がいる一方で、外からの視点を持って新しい風を吹き込む「転勤族」がいる。
この両方が混ざり合うからこそ、街はもっと面白くなるはずです。どちらが良い・悪いではなくて、それぞれの愛着の形を大切にしていきたいですよね。
「転勤」にまつわる1曲
▶ふるさと/ハジメノヨンポ
この歌の主人公は、小4で仙台へ転勤し、その後も各地を巡る様子が歌われます。いろんな地域に愛着を持っている様な、まさに「愛着のポートフォリオ」を歌ったような1曲。
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