嫌がらせの名前
とある社長は言葉に厳しい
「母がさぁ 放つんだよね
僕の飼ってた生き物を」
機嫌が悪い時の八つ当たりとして
「何を?」
「鳥と魚」
「逃がす」ではなく「放つ」
逃がすと言えば閉じ込められていた生き物を自由にしてやる善意のニュアンスになる
嫌がらせなのでその表現は母親に対して適切ではない
「捨てる」も当然あり得ない
命はゴミではないから
故に
鳥は空に放たれ
魚もまた放たれる
灼熱のアスファルトに
真夏の地面に叩きつけられる魚の惨状と
「放つ」からイメージされるハツラツとした開放感のドッキング
事実の正確性を期すことで、文字面と映像が大喧嘩して脳がバグる表現
正しすぎる言葉は正しくならない時がある
