何も起きなかった日
借りた本。
魔法使いになった猫から借りたものだ。
少年は、その本を何度も読んだ。
『失敗した日』
『友達と喧嘩をした日』
『誰かが困った日』
その日に何が起き、
なぜそうなったのかが書いてあった。
でも少年が知りたかったのは、
『何も起きなかった日』
そのページには、何も書かれていなかった。
それでも少年は毎日、たくさんのページを読んだ。
ある夜。
月明かりの下でページを開くと、
空白ページに、小さな文字が浮かびあがった。
・誰かが準備した。
・誰かが声をかけた。
・誰かが少し待った。
文字は、次々と増えていった。
少年が顔を上げると、
窓の外では、月に照らされた花が地平まで広がっていた。
もう一度、本に目を落とす。
何も起きなかった日のページが、
いちばん文字で埋まっていた。
https://youtube.com/shorts/jAC-wC3cNBY?feature=share
『3つのお題に空想のひらめきを』×『お題で書きはじめるnote企画』
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(※現場の違和感を、YouTubeショートでも発信しています。)
(※MBAの授業内容をまとめています。)
