「諸悪の根源」とまで言われたアウトライナーの話
こんにちは。Wiratです。
今回は、私が開発しているアウトライナー「バナナツリー」に届いた、ちょっと強めの2つ星レビューについて書いてみようと思います。
まずは、レビューの内容です。
★★☆☆☆
まさか全体のバックアップがある状態で、既存の項目が削除されるタイプの個別ノートインポート機能が、何の説明も警告もなしに実装されているとは思わなかった。今のところ怒りより困惑のほうが勝っているし途方に暮れている。そもそも項目を別のノートにコピー・移動させる機能が無い(本当にやりたいのは纏めて移動だが一つづつすら無い)のが諸悪の根源なので、そちらも含めて何とかして欲しい。切実に。
……何を言っているのか、最初はよく分かりませんでした。
そして、なかなか強い言い方です。
「何の説明も警告もなしに実装されているとは思わなかった」
から始まって、
「途方に暮れている」
となり、最後は、
「諸悪の根源」
が出てきました。
はぁ~……また、たまに来る強めのレビューかなぁ、と最初は思ったんです。
解読の時間です
2つ星ですから、不満はありそうです。
そして、レビューを何度か読み返して、何となく分かってきました。
これはたまに来る嫌がらせレビューとは違うと。
この方、たぶんバナナツリーを結構使ってくれているんじゃないかな、と。
なぜなら、
本当にやりたいのは纏めて移動だが一つずつすら無い
と書いてあります。これはもう、
「このアプリを使って、実際に複数のノートを整理している人」
の発言ですよね。あまり使っていない人なら、
「別のノートにコピーできません」
くらいで終わると思います。ところがこの方は、
「一つずつでもいいからコピーしたい」
「本当はまとめて移動したい」
と、かなり具体的です。つまり、実際の使い方の中で、
「ここができない」
というところまで来ています。
そこで、私は一つの解釈をしました。
この方が言いたいことって、実はこの二つなのかな、と。
インポートすると現在のノートが置き換わることを、実行前にちゃんと警告してほしかった。
項目を別のノートへコピー、できればまとめて移動できるようにしてほしい。
そう考えると、レビューの中に書かれていることが、かなり整理されて見えてきます。
そして、実際に対応することにしました。
ただ、ここで私は別の疑問を持ちました。
なぜ星2だったんだろう?
ここまでこのアプリを使ってくれていて、
「一つずつでもいいから別ノートにコピーしたい」
「本当はまとめて移動したい」
というところまで指摘してくれています。それなら、
「とてもいいアプリだと思います。ただ、ここをこうしてくれたらもっといいです」
くらいでもよさそうなものです。でも、星2で、しかも、
「途方に暮れている」
「諸悪の根源」
になってしまいました。なぜこんなことに……?
ここからは、完全に私の想像です。
この方、実はインポートという機能そのものが「おかしい」と思っているわけではないんじゃないかな、と私は考えました。
だって「インポート」ですから。
インポートするんだから、現在のデータを取り込んだデータに置き換える。
言われてみれば、
「まあ、そうだよね」
なんですよね。実際、インポートができるのが便利、というレビューも何人もの方からいただいています。だから、仕様そのものが完全に意味不明という話ではないと思うんです。
では、なぜレビューはこんな言い方になっているのか?
レビューには、
「何の説明も警告もなしに実装されているとは思わなかった。」
とあります。
「インポートしたらデータが置き換わるなんておかしい」
ではありません。
「そんなことになるとは思わなかった」
なんですよね。この違い、結構大きいと思うんです。
たぶん実際には、
「インポートした」
↓
「現在のノートの内容が置き換わった」
↓
「あっ……」
↓
「困った」
ということだったのかもしれません。そのときに、
「自分はこんなことをするつもりじゃなかったのに」
という気持ちがあったのかもしれません。
自分で操作した結果ではあるけれど、だからといって、
「あぁ~、自分の操作ミスでした」
で済ませられるほど単純な話でもない。私は、そんな状況だったのかな、と想像しました。
以前、新聞に年配の方が投稿したコラムで、
「虚を突かれた思いがした」
という表現を見たことがあります。
(一時期、少し話題になった新幹線のコラムですね。)
今回のレビューを読んだとき、私はその言葉を少し思い出しました。
「自分はこんなことをするつもりじゃなかった。なのにこうなってしまった。どうすればいいんだ」
そんな困惑があって、それを何とか言葉にした結果、
「まさか~とは思わなかった」
「怒りより困惑のほうが勝っている」
「途方に暮れている」
となり、そして最後に、
「諸悪の根源」
が出てきたのかな、と。
これはあくまで私の想像ですけど(笑)。
諸悪の根源って(笑)
でも、なんかもう、私のアプリが「悪の組織御用達ツール」みたいな言われ方です。
実際は、「諸悪の根源」という大それた言葉を使わなくても、
別のノートに項目をコピー・移動する機能がない
だから、インポートで項目を移す方法を考えた
ところがインポートすると上書きになった
困った
という話だったんだと思います。
そう考えると、むしろ、この方も自分なりにいろいろ試した結果、悪い方向に転んでしまったのかもしれません。まるでマーフィーの法則みたいに、やったことが、ことごとく裏目に出てしまった。
もしそうだとしたら、私、その気持ち、分かります。
そして、実は私も「諸悪の根源」とか「悪の組織」とか「パンドラの箱」っていう言葉、使いたくなる方なんです(笑)。
要望の内容自体は、かなり的確
レビューの文章が分かりづらかったのは、要望と、困った状況と、それを何とか説明しようとする言葉が一緒になっていたからなのかもしれません。
整理して要望だけを取り出してみると、実はとてもありがたい指摘です。
今回のレビューから私が拾った要望は、この二つです。
インポート時には、上書きされる旨のメッセージを出す
選択した項目を、子項目も含めてまとめて別のノートへコピーする
これなら、今回のレビューを書いてくれた方がやりたかったことにも、かなり近いはずです。
そこで、この二つを今回のアップデートで対応しました。
そして、その後
ここからは、この記事を書いている途中に起きた話です。
アップデートを公開したあと、このレビューを書いてくださった方が、レビューを更新してくださいました。
なんと、★2から★5に。
そして、こう書いてくださっています。
「スマホ向けアウトラインプロセッサ系メモアプリとしては?と聞かれたら十二分に理想的だと思います。」
さらに、
「他のノートへの複製も付いたし。ありがとー!」
と。
……これは、うれしいですね(笑)。
今回のレビューを最初に読んだときには、
「何を言っているんだろう?」
と思った部分もありました。でも、読み返して、実際に対応してみて、その後にこういうレビューをいただくと、
「ああ、ちゃんと対応できてよかった~」
と思います。低評価レビューというのは、星だけを見ると、
「2つ星……ガックシ」
となります。でも、文章をちゃんと読んでみると、それがただのイチャモンなのか、実際に使っている方が困っているレビューなのかが見えてきます。さらに、
「本当に言いたいことは何だろう?」
「じゃあ、どうすれば困らなくなる?」
と考えていくと、今回の場合は、
「インポート前に警告を出してほしい」
「別ノートへコピーできるようにしてほしい」
の二つでした。
そして、それを実装したら、★5になりました。
こういうこともあるので、低評価レビューも、ちゃんと読んでみるべきだと思います。
(低評価レビューを何度も読み返していると、心が病みますけどね…私、マジメなので…)
そして……これで少しは「諸悪の根源」、減りましたよね。
今回のアップデートを反映した悪の組織ご用達のアウトライナー「バナナツリー」は、Google Playで無料公開中です。少しずつ育てているアウトライナーです。興味を持っていただけたら、ぜひ一度お試しください。
