淘汰されるSalesforceエンジニア、生き残るエンジニア。AI時代に「設定とコーディング」の価値はどう変わるか
こんにちは、ペロスケです。
最近、日々のSalesforce開発業務の中で、ふと恐ろしくなる瞬間があります。 「これ、あと数年したら私の仕事、半分くらい消滅するんじゃないか?」と。
GeminiやClaude、ChatGPTといった生成AIを実務に組み込むようになってから、開発のスピードは劇的に上がりました。以前の記事でも書いたように、スパゲッティコードの解読から、テストクラスの作成、面倒な数式の整理まで、AIは文句ひとつ言わずに一瞬でこなしてくれます。
それは圧倒的な効率化であると同時に、私たちエンジニアに対する「残酷な事実の突きつけ」でもありました。
■ 「画面ポチポチ」と「単なるコーディング」の価値がゼロになる日 一昔前まで、Salesforceのスキルといえば「カスタムオブジェクトや項目を素早く作れること(クリックアドミン)」や「要件通りにApexを書けること」でした。 画面の設定場所を知っていること、構文を暗記していることが「専門性」として高く評価されていた時代です。
しかし、今や「この画面から項目を作って、こんな入力規則を入れて」とAIに指示(あるいはAIエージェントに自動実行)させる方が、人間がやるより早く、ミスもありません。Apexに至っては、やりたいことを日本語で伝えるだけで、AIが70〜80点のコードを数秒で叩き出します。
つまり、「言われた通りに設定するだけ」「言われた通りにコードを書くだけ」の作業(=作業代行)は、遠からず価値がゼロに近づいていくということです。
■ AIには絶対に「奪えない領域」がある では、私たちSalesforceエンジニアは不要になるのでしょうか? 私は「全く逆」だと思っています。むしろ、真に優秀なエンジニアの価値はこれから暴騰します。
なぜなら、AIは「与えられた枠(コンテキスト)の中での最適解」を出すのは天才的ですが、「そもそも、どの枠で考えるべきか」を定義することはできないからです。
たとえば、こんな場面を想像してみてください。 顧客:「営業部門とサポート部門で、商談の入力項目を分けたいんだけど」
AI(または作業者)は、言われた通りに「2つのページレイアウトとレコードタイプ」を作って納品するでしょう。 しかし、生き残るエンジニアはこう動きます。 「待ってください。今後の拡張性を考えると、レコードタイプで分けるより、動的フォーム(Dynamic Forms)を使って1つのページにまとめた方が、メンテナンスの技術的負債が減りませんか?」
この「ビジネスの背景を汲み取り、Salesforceのアーキテクチャ全体を見渡して、最適な設計(How)を提案する力」。これこそが、AIには逆立ちしても真似できない領域です。
■ 「タイピスト」から「オーケストレーター」へ これからのSalesforceエンジニアの役割は、コードを打ち込む「タイピスト」ではなく、AIという優秀な部下たちを指揮する「オーケストレーター(指揮者)」へと変わっていきます。
要件の矛盾に気づき、顧客と正解をすり合わせる。
既存のスパゲッティ状態の環境を整理し、AIが読み込みやすい状態(綺麗なメタデータ)を作る。
AIが吐き出したコードの「ガバナ制限のリスク」や「セキュリティの穴」を見抜き、修正を指示する。
「AIに作業を丸投げできるからこそ、人間にしかできない『設計』と『品質担保』に100%の時間を注げるエンジニア」。 これが、私が考えるAI時代の生存戦略です。
皆さんは、AIに仕事を奪われる側になりますか? それとも、AIを使いこなして自分の価値を何倍にも引き上げる側になりますか? 私はこれからも、AIという最強の武器を研ぎ澄ましつつ、後者のエンジニアであり続けたいと思います。
