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himukai_an
水たまり② #シロクマ文芸部
水たまりがゆれている。
放課後、窓際の席から中庭を見ていた。昨晩から降り続いた雨がようやく上がり、紫陽花を映す水たまりがキラキラと輝いている。
さっきまで騒がしかった教室に一人。
運動部の声が遠くからぼんやりと聞こえ、外よりも少し暗い教室はまるで水の中にいるような、心地良い孤独感が漂う。
そんな放課後の教室に僕は静かに身を隠す。
水たまりの向こうで演劇部が練習を始めた。
君の声がする。
僕の前の席になって2週間。
そういえば演劇部とか言ってたなぁと、
君のよく通る声や地声の大きさ、
ピンクの眼鏡でコロコロと変わる表情を
思い出していた。
君も僕に気がついて、小さく手を振る。
隣の部員の子に何か言って笑ってる。
首を傾げながら手を振りかえすと、まるで小さな子が母親を見つけた時のように、笑顔で飛び跳ねながらさっきよりも大きく手を振った。
ガラッ
「何してる?」
担任が教室の戸を開けた。見回りのようだ。
ちらっと外を見て、
「何見てんだよ早く帰れよー」
とにやけながら廊下を歩いていった。
いや、僕は水たまりを、、、
水たまりを見て、、、風情を、、、
うん、帰るか。
外から演劇部の声がする。
君の声だけは、はっきりと聞こえた。
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〜2週間前のお話〜
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