露光装置EUVの次はSoft X線?
米Tom’s Hardwareによれば、ジョンズ・ホプキンス大学の研究者らは、現行のEUV露光を超える次世代手法「Beyond-EUV(B-EUV)」を提案している。これは6.5〜6.7nmの軟X線レーザーを用いる方式で、5nm以下の解像度を実現できる可能性があるという。現行のEUV露光は13.5nm波長を使用し、Low-NAで約13nm、High-NAで8nm、Hyper-NAでは4〜5nmの解像度を達成できるとされるが、B-EUVはさらに微細化を可能にする点が特徴だ。短波長化により、中程度のNAレンズでも解像度が向上することが示されたが、実用化には依然として課題が多く、プロトタイプすら数年先とされる。研究成果はNature Chemical Engineeringに発表された。
課題としてまず挙げられるのは光源である。ガドリニウムを用いたレーザープラズマなどが検討されているが、6.7nm放射を安定生成できる手法は確立されていない。また、短波長ゆえに光子エネルギーが高く、従来のレジスト材料との相性が悪い。さらに、6.5〜6.7nm光はほぼすべての材料に強く吸収されるため、専用の多層ミラーコーティングが必要となる。ペリクルやフォトマスクといった周辺部材も未整備であり、産業化のためのエコシステムが存在しない点も大きな障害だ。
一方、研究チームは材料面での進展も報告している。具体的には、B-EUV光とレジスト材料との相互作用を高めるため、亜鉛などの金属を利用する方法を探った。亜鉛は6nm前後の波長に適しており、他の金属も異なる波長で有効性を示す可能性があることから、将来のプロセスに柔軟性を与えると考えられている。また、研究者らは化学液相堆積(CLD)技術を開発し、金属有機化合物をシリコンウエハー上に適用することで、アモルファスZIF(ゼオライト系イミダゾレート骨格)と呼ばれる鏡状の薄膜を形成することに成功した。この膜は1秒あたり1nmの速度で成長し、次世代露光用材料の有望な候補とされている。
総じて、B-EUVは既存のHyper-NA EUVを超える可能性を秘めるが、光源技術、材料適合性、周辺部材開発といった解決すべき課題は多く、実用化は長期的な挑戦となる見込みである。
