大国主命㉗|御諸山に鎮まる「もう一つの魂」―国作りが祭祀へ変わる
次に、庭津日神。
次に、阿須波神。
次に、波比岐神。
次に、香山戸臣神。
次に、羽山戸神。
次に、庭高津日神。
次に、大土神。
亦の名は土之御祖神。
上の件、大年神の子、
大国御魂神より以下、
大土神以前、并せて十六神。
羽山戸神、大気都比売神を娶はせ、
子、若山咋神。
次に、若年神。
次に、妹若沙那売神。
次に、弥豆麻岐神。
次に、夏高津日神。
亦の名は夏之売神。
次に、秋毘売神。
次に、久久年神。
次に、久久紀若室葛根神。
を生ましき。
上の件、羽山の子以下、
若室葛根以前、并せて八神。
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次に生まれたのは、
庭津日神、
阿須波神、
波比岐神、
香山戸臣神、
羽山戸神、
庭高津日神、
大土神
(別名・土之御祖神)
の神々です。
ここまでで、
先に出てきた大国御魂神から
大土神までを合わせて、全部で十六柱の神となります。
また、羽山戸神は大気都比売神を妻に迎えて、
若山咋神、
若年神、
妹の若沙那売神、
弥豆麻岐神、
夏高津日神
(別名・夏之売神)、
秋毘売神、
久久年神、
久久紀若室葛根神、
この八柱の神を生みました。
つまり、羽山戸神の子孫として、
ここでは八柱の神々が並べられているのです。
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ここも系譜の段ですが、
神名を眺めていると、はっきりした流れがあります。
前半に出てくる
庭津日神、阿須波神、波比岐神、香山戸臣神、羽山戸神、庭高津日神、大土神なとの九柱は
庭、足もと、山の戸、土のような、
人が暮らす場の周辺や基盤に関わる神名が多く、そのような生きる人に身近な力が神格化されている感じがあります。
この中で特にわかりやすいのが 大土神ですね。
しかも別名が、土之御祖神。
これは、土そのものの大きな神・土の祖先神という感じで、暮らしや農耕の根本を支える、とても大きな神格なのでしょう。
【羽山戸神 × 大気都比売神】
ここの部分で「おや?」と感じる方も多いと思いますが、とても面白い部分でもあります。
大気津比売と言えば、須佐之男に斬られ、その身体から食物の種が生まれる神です。
「あれ?生きてた?」となりそうですが
神名が個人名であると同時に、神格名でもあると考えると分かりやすいと感じます。
神格としては強く繋がっているけれども
物語の登場人物としては、同一個体と決め打ちしなくてよい感じです。
だから私は、大気都比売は死んで終わる神なのではなく、土地と食物の根源神だからこそ、いろいろな系譜の中に何度も現れうる神なのだろうと思います。
そして大気津比売が生む神子達にも注目して欲しいです。
神子の名前は、若山咋神・若年神・若沙那売神・弥豆麻岐神・夏高津日神(夏之売神)・秋毘売神・久久年神・久久紀若室葛根神です。
この中で特に目立つのが、若・夏・秋・年ですね。
四季のような雰囲気があります。
食物神・山の神の婚姻から、季節のめぐりそのものが生まれています。
【若】春の芽吹き、新生、若い生命
【水】弥豆麻岐神:潤し、巡り、育ちのための水
【夏】夏高津日神 ・夏之売神:盛り、繁り、日の強さ
【秋】秋毘売神:実り、収穫、成熟
【年】久久年神:年の継続、蓄積、締めくくり
【若室葛根】次の年へ向かう新しい芽・住まい・根
というふうに、四季がぐるっと一周して、また次の若い芽へ戻る循環として見えてきます。
