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第59歩、進軍図に割り込む別邸。――私が『価格』と『無音』を天秤にかける理由

定価約48,000円を、独自の割引戦略によって約30,000円へと引きずり下ろす。

手元のノートに、「ホテルオークラ京都 岡崎別邸」という新たな名前と、その具体的な数字を書き加えた。

第4拠点と第5拠点の隙間にこの新たな砦を強引に割り込ませたことで、私の真実の進軍図は全13拠点へと膨れ上がっている。

これだけハイクラスな宿泊施設ばかりを並べたリストを見れば、世間はきっと、単なる贅沢や見栄の類だと一蹴するに違いない。

読者の皆様の中にもそう思っている方は少なからずいらっしゃるだろう。

しかし、1食33円の豆腐生活を送りながら見栄を張る人間がどこにいるのか、私は電卓のボタンを強く叩きながら、その偏見を数字で論破したくなった。

私がラグジュアリーな空間だけを狙い撃ちにする背景には、宿泊費の差がそのまま防音インフラの厚みに比例しやすいという、冷徹な確率論が存在している。

かつて私が滞在した安価なビジネスホテルでは、壁の薄さゆえに、隣の部屋のスマートフォンのバイブレーション音や、シャワーの音、トイレを流す音、廊下を歩くスリッパの摩擦音が脳へ直接刺さってきた。

数千円のコストカットと引き換えに、感覚過敏の脳がノイズで破壊されるようでは、それは生存戦略としての等価交換が成立していないのだ。

高額な宿泊費の多くは、厚いコンクリートの壁、厚手の二重サッシ、そして他者との物理的な距離を生み出すための、構造的な防音代を意味していると私は考えている。

つまり、私が支払っているのは豪華な装飾への対価ではなく、外界の雑音を完全にシャットアウトするための「盾の強度」への投資だ。

今回追加した岡崎別邸の約30,000円という実利も、私にとっては「脳の安全基地」を確保するための必要最低限の防衛費。

最初のエースホテル京都で手に入れたあの果実を思い出しながら、私はまた、京都の地図に強力なピンを一本打ち込んだ形になる。

13の拠点を前にして、財布の底を見つめる私の指先は少しだけ震えている。

それでも、私は自らの感覚器を守るため、次の支払明細書にサインを書き込む。

単なる娯楽としての宿泊ではなく、私の脳が生き残るためのインフラ投資を、ここからもさらに強固に継続していきます。

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